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当たり前の基準を定めた等級制度

経営学における組織論では、モチベーションや動機付けについての多くの研究がされています。そのため、「モチベーションが大事」と考えてしまうのは、ごく自然だと感じます。

しかし、残念ながら、「モチベーションを上げよう」とするのは間違った考え方です。

上げるのは当たり前の基準です。

この当たり前の基準を定めたものが、人事制度を構成する基幹制度の一つである等級制度です。

専門家によっては、等級制度の各等級の定義を「期待する基準」と表現する場合があります。しかし、間違ってはいけないのは、等級定義は「できたらいいなの期待」ではなく、「できて当たり前の基準」を示したものです。

そして、これら等級別の当たり前の基準に対して、どの程度、満足できているかを評価する必要があります。それが、人事制度を構成する基幹制度の一つの評価制度です。

評価により、その人が格付けされている等級の当たり前の基準を満たしていると判断したら、次の等級に昇格させて、次の当たり前の基準を満足してもらえるように更なる成長を促す。

一方で、当たり前の基準を満たしていないようであれば、その基準を満足できるように、適正なフィードバックを行う。

このように、当たり前の基準を示して評価し、その基準をクリアしてもらうことで社員に自己成長してもらう。その結果、会社が発展する。

そして、この当たり前の基準と評価に応じて、対価を支払う制度が報酬制度です。

よくある経営者の悩みの一つに、「社員が、給与に見合った働きをしてくれない」というものがありますが、これは、人事制度が機能していないことが原因です。

人事制度は「ヒト」に関わる経営の仕組みです。すなわち、人事制度は、最も重要となる「ヒト」という経営資源に関わるものです。会社で最も重要な制度と言えます。

あなたの会社の人事制度は、「ヒト」を活かす制度として、きちんと機能していますか?

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