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お金とは何か?〜物々交換の不便さの解消が貨幣の発祥ではない〜

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このnote界隈含めて、結構多くの方がお金の成り立ちを物々交換から始まり、その不便さから皆が欲しがるモノが貨幣の始まりであると解説する方を見ます。経済学の父、アダムスミスが貨幣の成り立ちを説明をするのに使ったこの仮説がそのまま使われてるわけですが、実はこの説…

人類学、考古学的研究からほとんど否定されています!

と言うのも過去の文献や発掘調査から物々交換を行なっていない事の証拠が多く出ていたり、また現在でも原始的な生活をしている部族を調査すると、部族内での取引では物々交換はしておらず、必要なら勝手に借りていくという形の取引がなされているとのことです。これは現代感覚で言えば友達同士で「これちょっと借りるわ!」って言ってそのまんま借りパク状態になってるけど、実は借りパクされた方も何かを借りパクしてた。みたいな状態です。また頻繁に贈り物をしたりとかもするそうです。これも現代日本で言えば旅行のお土産を近所の方からもらったので、後日お返しとして何か渡すみたいなのと同じです。

借りパクにせよ。贈り物にせよ。共通していることがあります。それは…

相手に対して貸しが出来たとか、借りが出来たと言った気持ちの上での貸し借りの取引

をしていることが分かると思います。ではここからどうモノとしての貨幣が生まれたか説明します。

集団が少数ならば個人個人が誰にどんだけ貸しがあって借りがあって…って言うのが把握できると思います。また集団が少なければ反故にされても被害は少ないので無視出来るレベルだったり、死ぬまで一緒なのだからいずれ何かで返してくれる…という感じでモノとしての貨幣を用意する必要はなく、記憶という情報そのものが貨幣になります。ところが、集団の規模が大きくなって顔も名前も知らない、いわゆる都市国家レベルになってくると、借りパクでは済まなくなってきます。なので「後でこれを持ってくればウチの商品と交換しますよ。」と言った私はあなたに貸しがあることを記録したいわゆる…

負債証明書が誕生しました!

ここに来て

モノとしての貨幣の誕生です。

そして、この証明書が色んなところにグルグル回ればいわゆる通貨になります。イメージとしてはこんな感じです。

麦農家のAさんが農具を更新したくなり、鍛冶屋のBさんのところに行きました。そこでAさんが「後でこれを持ってくれば麦を渡します。」と負債証明書をBさんに渡します。了承したBさんがそれを受け取り農具を渡します。ちなみにBさんはこの負債証明書を他の人に渡して他の物を手に入れることが出来ます。Aさんの麦の支払い能力が確かならばこの負債証明書はグルグル回り通貨となります。

以上がお金の成り立ちになります。この事は古代メソポタミアから出土した粘土板記録だったりと考古学的な事象からも裏付けられています。とは言え、学問的知見なしでも、ちょっと考えてみると物々交換が貨幣を生むキッカケになったと言うには実はかなり無理があります。と言うのも、そもそも物々交換はお互いのモノの量や質が等価だったら交換出来る取引になります。裏を返せば等価ではなかったら取引が不成立になります。正直言って…

かなりドライな取引です!

原始的な社会はお互いに助け合わなければ絶対に生き残れません。そんな中で物々交換のような取引を同じ共同体の中でやっていたら…

崩壊します!てか死にます!

物々交換があり得るとしたらそれは遠くの他部族との交流や交易くらいです。つまり、物々交換が行われていたとの仮定は無意識に…

それなりに発達した社会を想定してしまっていた!

と考えられます。共同体の人数、それこそ都市国家クラスにでもなれば、名前も顔も分からない相手が出てきますので、物々交換のようなドライな取引も起こり得ます。しかし、その規模になれば上述したように負債証明書による取引がすでに発達して通貨となっています。

ちなみにこの貸し借りの記録から生まれた貨幣理論を…

信用貨幣論と言います!

2つ前の記事でお金の信用の意味は貸しが返ってくるかどうか?これに尽きると書きましたが、この事から来ています。ちなみに多くの方が誤解している物々交換から生まれた貨幣論を商品貨幣論と言います。

ちなみに商品貨幣論ですが、物々交換からの不便さを解消するため、皆が欲しがる商品が貨幣になったという理論なのでお金=モノとなってしまいます。モノとなってしまうため、財源には限りがあるという理論になってしまいます。そうなると… 

正しい経済対策が出来ない!

という弊害があったりします。

いかがだったでしょうか?お金は貸し借りの記録!モノではない!これだけでも覚えて頂けたら幸いです。

最後まで読んで頂きありがとうございます😊





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