大竹伸朗『銅の時代 1978-2022』刊行記念展@銀座 蔦屋書店 -[刷り絵]の質感
東京国立近代美術館で開催中の大竹伸朗展については下記に書いた(少しずつ書き増して、現在は「ずいぶん加筆した」状態になっている)。
あわせて開催されている「 大竹伸朗『銅の時代 1978-2022』刊行記念展」(~11月21日、@銀座 蔦屋書店)に足を運んできた。
■シルクスクリーン10点、エッチング100点超
銀座シックス6階、蔦屋書店の中のギャラリー。会場を時計回りにぐるりと見まわすと、下の写真のようになる。
■「刷り絵」の質感
さきの引用文にもあった、「データ出力」ではない手による「刷り絵」。ガラス越しにも質感がいいな、と感じた。
エッチングは卓上に展示。サイズは小さいが1作品ごとの情報が多いので、こちらもゆっくり楽しんだ。
■小品の中にも重量感
目下、回顧展のほうで重量級の作品を観てまだ気持ち的に翻弄されているところだ。それに比べればこちらは暴力性も少なく、おとなしくフレームのなかに収まっているものの、じっと鑑賞してみれば、作家による手刷りで生命を吹き込まれた作品たちには、やはり付き合うのに一筋縄ではいかないものを感じた。
アーティストの熱量とはなんと強烈なものか。東京国立近代美術館の大竹伸朗展の2階展示室の前で上映されていたドキュメンタリーの中で、作家が「楽しくなんかないですよ」と語っていたのを思い出す。
自分の持つエネルギーを作品に分け与えていくわけなので、それは楽しいといったことだけではすまなさそうだ。しかしだからこそ、作家の手を離れた作品が、こうして人を吸引する力を持つのだろう。
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