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内面の闇,そして希望 -大河原愛[静けさの内に留まる羊は,いかにして温もりを手に入れたか II]
某日、銀座。
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大河原愛展「静けさの内に留まる羊は、いかにして温もりを手に入れたか II」(-6/20)@銀座 蔦屋書店 アートスクエア
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NY滞在中に、ニューヨークのコンテンポラリーアートの影響を受け、日本画からコンテンポラリーアートへ転向した大河原愛。
これまで、モノクロとカラー、抽象と具象といった相反するものをあえて一つの画面に用いながら、人物や人体を独自の世界観で表現してきた大河原愛は、今回の展示では、新たに動物をモチーフにした作品にも挑戦し、人物では取り入れてこなかった色やストロークが使われています。大河原愛にとって動物とは、その素朴でひたむきな生命力で、人には得られない自由さや孤高さを体現している存在でもあります。
エンコースティック技法で織りなす抽象表現と具象表現を組み合わせた油彩、そして独自の技法の支持体(紙)にパステル・木炭・墨を用いて描くパステル画など、13点余りを展示いたします。
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ベールに包まれた女神像のようなモノクロ作品を中心に、左右に作品が展示されている。そのようすは、祭壇を思い起こさせる。
儚さと強い意思と
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顔の一部を隠された女性たちからは、儚さや憂いのようなものが漂ってくるようだった。それとは対照的に動物たちの輪郭ははっきりと描かれ、その賢そうな眼差しからは、静かで強い意思のようなものが伝わってきた。
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「すべての人が持っている痛みや繊細さ」
壊れやすいもの、壊れかけているものと、守ろうとするもの。双方の感情が溶け合うような展示のなかで、ステートメントを読んだ。
[アーティストステートメント]
生きづらさを感じやすい現代において、個の存在に光を当てながら、精神の光と闇を主なテーマに制作しています。
私は小さい頃、機能不全家庭に育ち、心無い言葉や抑圧を受けたことでトラウマを抱えました。そして、そこから抜け出す過程で感じた、さまざまな記憶や葛藤・心の傷の描写を追求してきました。
自分が生きる意味や自分の価値について常に問いながら、皮膚に浮かび上がる骨格や肉体のフォルムをなぞり、絵を描く過程で、それらの下にあるとされる、形のない精神の存在について深く考えるようになりました。そして、もしそれに形を与えるならば、一体どのような表現となるのかについて強い関心を抱いています。特に、人の心の内にある闇と希望(光)の対比を、キャンバス上に描き出すことを試みています。
今回の展示タイトル、「静けさの内に留まる羊は、いかにして温もりを手に入れたか II」は不均衡で不完全な人の存在、温もりを追い求めながらも孤独に身を置かざるを得ない人の姿や、傷を抱えながらも微笑む人の存在に少しでも寄り添いたくて、また希望を見出したくて紡いだ言葉でした。
私は、すべての人が持っている痛みや繊細さみたいなものに、光を当てたいのです。
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ステートメントから、今一度。
「静けさの内に留まる羊は、いかにして温もりを手に入れたか II」は不均衡で不完全な人の存在、温もりを追い求めながらも孤独に身を置かざるを得ない人の姿や、傷を抱えながらも微笑む人の存在に少しでも寄り添いたくて、また希望を見出したくて紡いだ言葉でした。
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