西加奈子のA面B面

私は西加奈子の作品には
A面のものとB面のものがあると
思っている。
昔のレコードやカセットテープのような表現だけど、そんな感じで、2面あると思っている。
A面はひたすら明るい。肯定感たっぷりで育った、眩しさのある文章。苦手だ。
全く読めない。進まない。イライラしてしまう。
残念だけれど、読むことを諦める。
B面は少し奥へ入ってくる。太陽の明るさではなくて、夜に灯す光のような、限定的な世界観で語りかけてくる。好きだ。
いつも、あっという間に読んでしまう。

偶然図書館で見つけた『すばる』(2022年4月号)に短編が掲載されていた。
これはB面だった。そんなこと考える間もなく
どんどん読み進めた。
『あなたの中から』という短編小説は
インナーチャイルド、癒し、浄化など
現代人が取り組み始めている本質的な『私』と出会うまでの人生が描かれてるとおもった。
スピリチュアル。なんて言ってしまえば
簡単で、抽象的で怪しさを感じる人がいると思う。
誰にでもある心の奥の『闇』のような種。
それらを癒やすこと、浄化すること。
その先にある『私のほんとうの人生』があることを、伝えようとしてくれたと感じた。

私は、浄化することに取り組んでいる最中だから
偏った解釈かもしれないけどね笑

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