金曜日の昼下がりの心はそわそわと宇宙に飛んでゆく。
雲ひとつない
青空が広がっている。
真っ直ぐに伸びる銀杏の木。
黄金色の葉がひらりと落ちる。
窓から吹き込む柔らかな風が
私をそわそわと
外の世界へと誘う。
こんな日に山道をドライブしたら、気分爽快だろう。窓を開けて、涼やかな風を受け止める。秋の香りを感じながら、車を走らせるのだ。
木々はドラマチックに葉を装つて、秋の遠足気分を盛り上げる。
胸の高鳴りは最高潮。
心は宇宙にふわふわ飛んでいく。
しかし
現実は
職場をパタパタと駆け回っている。目まぐるしい1週間。
なんとか今週を乗りきろうとしている現状。
疲れもピークだ。
やっと週末へのカウントダウンが始まる。
金曜日の午後3時は心も虚ろ。
あと2時間。
さっきから時計をちらちら気にしてる。スケジュール帳を確認した。明日は親友とのドライブの約束がある。秋の遠足をしようとずっと前から約束していた。
色づき始めた山並みが待っている。緑陰との素敵なハーモニー。表情が自然と緩む。
こういう時間が1番楽しい。
いやいや、仕事はまだ終わっていない。気を引き締め直す。もちろん仕事も手を抜かない。
1週間の終わりは気分よく終わりたい。ここでミスをすると休日が台無しだ。
「過ちすな。心して降りよ。」
と兼好法師も言っている。
『徒然草 ~功名の木登り~』の中で言っている。
高い木登りをやり遂げて下の方まで降りてきた弟子にかけた言葉がこれだ。
心憎し。
先人の言葉は重い。
最後の最後
これでもう大丈夫だと気を緩めたときが1番ミスをする。
金曜日の昼下がり。
それでも
私の心はふわふわと秋の宇宙に飛んでゆく。
サンドイッチを片手に語り合おう。温かいミルクティーで乾杯しよう。
久しぶりの再会だ。話が弾むに違いない。
仕事のこと。家庭のこと。趣味の話。話題は尽きない。
ドライブのおともにはお気に入りのチョコレートと音楽。
1週間頑張った自分へのご褒美は多いほうがいい。
時には自分を思いっきり甘やかせる。
私は頑張っている。
幾つになっても褒められることは嬉しい。自分で自分を認めよう。
それがモチベーションにつながる。
私は頑張っている。
呪文のように唱えよう。
私は頑張っている。
私は頑張っている。
思い込みは大切。
週末のドライブはご褒美。
金曜日の昼下がり
私の心は宇宙まで飛んでゆく。
ふわふわと飛んでゆく。
日常を離れて飛んでゆく。
宇宙みたいに
青く青く
高い空が
私を空想の世界に連れてゆく。
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