AATISMOって何て読む?
初めまして。AATISMOの海老塚です。
私たちAATISMOは、アートとテクノロジー、原初と未来、そして野生の思考と科学的思考の融合をテーマとし、 分野を横断した活動を行っているグループです。
これまでに建築やプロダクトデザイン、インスタレーションなどを手がけてきており、「素材としての文房具」という作品は、Kokuyo Design Award 2016 のグランプリを受賞しています。
今回は初回ということで、タイトルにもある通り、私たちのチーム名である「AATISMO」という名前ついて説明したいと思います。
・AATISMOの読み方と意味
早速答えを言うことになりますが「AATISMO」は「アアティズモ」と読みます。AATは「Art and Technology」の頭文字、そこに主義を示す-ismのイタリア語-ismoを付けた造語になります。
私たちはArtとTechnologyの融合を大きなテーマとして物づくりに取り組んでいます。
・ArtとTechnologyの関係
Artは芸術、Technologyは技術と訳されます。芸術は所謂アーティストがつくる訳がわからないのに物凄い値段の付けられる普通の生活とは掛け離れたもので、技術は科学的な専門の知識を用いて生活に関わる様々な道具や機械をつくるもの、という様に、ある意味真逆の、掛け離れた概念と感じられるかもしれません(現代ではテクノロジーが高度に専門化された結果ブラックボックス化し、結果的にアートと同様に訳のわからないものになっているのは興味深いところです)。
しかし、その言葉の成り立ちを調べてみると、Artはラテン語のArsからきており、そのArs自体はギリシア語のtechnéを古代ローマ人がラテン語に訳したものだとわかります。この字面からもわかる様に、Technologyの語源はこのtechnéであり、語源まで遡ると、ArtとTechnologyは同じものだったのです。
もともと「人工のもの」という意味で広い概念を示していた「Art(ars) = Technology(techné)」という言葉は、18世紀ごろからの科学技術の発展と共に、科学的な知識を用いた実用的な技術をテクノロジー、装飾や美的なものを創造する技術をアート、として分かれて、ある意味対比的に使われる様になりました。
・ArtとTechnologyの融合
その様にして最近分かれてしまった(古代ギリシアやローマの時代から考えれば、18世紀というのはつい最近のことです。更に人類が人工物を産み出し始めてから言えば尚更です)、ArtとTechnologyを再び融合したい、という壮大な目標が私たちのものづくりのテーマです。
Artは実用的でないことの様に現代では思われてしまっていますが、原初の時代、洞窟に壁画を描くことや装飾のついた器をつくること、美しい神殿をつくることは、彼らにとって実用的なことではなかったでしょうか?
Technologyという現代の技術もその一部として取り入れた上で、過去からの人類のものづくりの精神を引継ぎいで新しいものをつくっていきたい。そんな願いを込めてAATISMOという名前を付けました。
長くなったので初回はこの辺りで筆をおきますが、このnoteでは引き続き私たちの考えていることや興味のあることについて書いていければと思っています。
どうぞよろしくお願いします。
AATISMO 海老塚
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