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意外な場所で、本との出会い

私の職場はカフェ

店長ももとうつ病になりかけた人だと言って「出来ることがあれば、何でも言ってください」と言ってもらって、本当に理解ある職場だと思った。

夫に仕事も紹介してくれて、夫は仕事にも復帰できるようになった。

仕事に復帰しても、夫の罵声はなくなることはなかったけど。

反対に、仕事を始めたストレスか、夫は心の不調とともに、体の不調も出るようになってきた。

仕事が肉体労働なこともあり、昔やったぎっくり腰が悪化し。また歩けなくなるまで痛くなってしまった。

息子を幼稚園に預け、娘を抱っこし、接骨院に夫を連れて行った。

(診察中は、夫が死ぬこともないし…機嫌が悪くなることもないし…悪くなっても他人のせいにできるし…)

唯一、診察時間が、夫から離れても安心する時間。

そんな待合室で、ふと小さい本棚が目に止まった。息子を連れてくるときは、絵本を読むのに見ていた本棚。

そこに、場違いのようにあった本

『借金2000万円を抱えた僕がドSの宇宙さんが教えてくれた超うまくいく口癖』

あまりにも胡散臭いタイトル。

タイトルからして自叙伝だろうな。

中身を見ても、『2000万の借金して〜頑張ってお金返せた〜』とか、そんな話でしょう。

興味なく、何回かの受診は手に取ることもなかった。

でも、その日はあまりにも辛く、心も体も疲弊していた。

(2000万の借金。今、私が両親にしている借金も辛いのに…この人に比べたら私は苦しくないかもしれない…)


私より苦しい人の話が聞きたい。

私は幸せな方なんだよ。って言ってもらいた。

そんな気持ちから、その本を手に取った。

書き出しはやっぱりどん底主人公だった。
『大好きなアパレルのお店を持って。でも全然売れず、2000万の借金。
ただ、ただ、お風呂にはいるだけでも涙があふれる日々。
未来を考えても、自己破産か路頭に迷うしかない「もう嫌だ!!誰でもいい!神様でも仏様でも宇宙でもなんでもいいから助けて!!」

すると、シャワーヘッドからニュルッと姿を表した「呼んだか!!」「えぇえ!?」宇宙さんとの出会い』


「なんじゃこりゃ…」


待合室で一人言葉がもれてしまった。

あまりにも、考えていた本とは違っていた。

自叙伝ではなく、どちらかと言えば自己啓発本や引き寄せの法則みたいなものに近かった。

本には、幸せになるためのルールが書いてあった。


今までの生活を現状打破するには、お金がかかることばかりだった。

今の生活、何よりお金がない。

そんな日々に加えて罵声も聞いて過ごす日々は、ずっとずっと真っ暗な世界だった。


「そんな世界が、ありがとう。愛してるを言うだけで変わるの…?」


気がついたら読み勧めていた。


夫の病気に耐えるしかないと思っていた。

私にできることなんてないと思っていた。


でも、この本には「口癖を変えるだけで幸せになれる」と書いてあった。


幸せになりたい。幸せになりたい…


家族みんなで幸せになりたい!


私の中に、忘れていた当たり前の夢を思い出した。


私はすぐに本の裏表紙をみて、値段を確認した


(1200円…高い。しかもこんなタイトルの本を買ったら、夫に何を言われるか分からない…)


購入は断念した。でも、接骨院に来れば、この本が読める!

それから私は、本を読み進めるために、夫の接骨院に向かうのが楽しくなっていった。


接骨院で出会った本に、これからの希望が少しづつでてきていった。



あとがき
この本の出会いは本当に凄いんですよ。
何が凄いって、私本嫌いだったんです(笑)

活字がダメ!読めない!眠くなる!
市役所の書類も、漫画にしてくれと説に願うくらい活字がダメでした。

本当に、あのときは「私よりも苦しい人がいる」ことで、「自分はかわいそうな人間じゃない」と思うために、この本を手に取りました。

今思うと最低でしょ?(笑)

それは、くまに追いかけられたとき、他人より早く走れれば問題ないと。思うようなもの。

いや、最低でしょ?(2回目(笑))

でも、本当に余裕がなかったのです。
本当に、両親に頼ったりしてましたが、お金の面のみで、罵声。暴力なんて相談したら、すぐに離婚させられると思って、精神面ではずっと1人で抱え込んでいました。

そしたらさ、自分より苦しい人探したくもなりますって!本能ですよきっと!

ただ純粋に、私の性格が悪いだけかもしれませんが……‥笑

この本の出会いから、私はうつ病夫との関わり方が劇的に変化していきます!

心って変わるものなんですね。

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