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血圧平常値、体重増加無しなのに妊娠高血圧症候群と診断された話

血圧はいつも平常値(上100~110、下50~60)、妊娠初期から続く食欲減退で体重増加±0kg、そんなこんなで迎えた臨月のある日、倦怠感に吐き気……後期つわりかと思ったんです。が、実は妊娠高血圧症候群でした。

世の中の妊婦さんの内、20人に1人は妊娠高血圧症候群にかかると言われています。1/20、つまり5%って、結構な割合ですよね。

そんな妊娠高血圧症候群ですが、血圧が高くなくても、診断される時は診断されるってご存知でしたか?高血圧じゃないのに高血圧?どういうこと?と思ってしまいますが、私が実際に体験しました。私の場合は、産前は普通の血圧で、産後に血圧が上昇しました。

今回はそんな私の体験談と、それを通して思った世の中の妊婦さんへ伝えたいことを書きます。

[私の体験談]
診断直前の様子

当時私は24歳でした。第1子の妊娠37週に入って間もなく、私は里帰り先の最寄りの産院へ検診を受けに行きました。その日は至っていつも通りの朝で、いつも通り何ら問題なく産院へ行きました。

産院に着いて体重を量ると、妊娠直前と同じ体重になっていました。(つわりで減った体重がようやく戻ったようですが、それでも食欲は減退したままだったため、増加の程度は通常の想定より大幅に下回っていました。)血圧はいつもどおり平常値でした。

けれど、尿蛋白が検出されました。医師からは、念の為にと採血し、血液検査をしてみると言われました。たぶん何もないだろうけど、何かあったら連絡するとのことでした。

あと、体重増加があまりに少ないので、もっと食べてもいいのにとも言われました。全然食欲が湧きません、と伝えたら、一度に少量ずつでも、食事回数を増やせばいいよと言われました。まさかこの時は医師も私も、既に妊娠高血圧症候群になっているだなんて、思いもよらなかったのです。

その帰り道、私は妙な倦怠感を覚えました。いつもなら、産院と家の間にあるベビー用品店を少し見て回ってから帰っていました。しかしその日は早く座りたい、早く横になりたいと言う気持ちで、急いで帰りました。途中から吐き気もしてきて辛かったです。

この時、私は後期つわりかな?と思いました。この日に検診が無かったら、いわゆる後期つわりだろうと思い込み、病院へ行こうという発想にはならなかったかもしれません。

実家に帰って横になると随分楽になりましたが、起き上がると少しきついなと感じました。産院に連絡するか悩みましたが(本来は連絡した方がいいと思います)、いずれにせよ現在血液検査中なので、結果が出て何かあれば連絡が来るだろうなと思い、家で安静にしていました。

夜にお風呂に入った時には、視界にピカピカと光るような、色彩のバグが生じたような部分が出てきました。閃輝暗点かな?とも思いましたが、以前偏頭痛によって起きた閃輝暗点よりも軽微だったので、スルーしてしまいました。後からわかりましたが、どうやら、症状が軽微でも閃輝暗点は閃輝暗点らしいです。

実際に診断された時の様子

翌朝、医師から電話がかかってきました。肝機能の数値が悪いので、妊娠高血圧腎症が疑われるため、緊急帝王切開をするとの事でした。

急いで入院セットを持って病院へ向かいました。その日はたまたま夫が、朝から実家に来てくれることになっていたので、夫と共に行きました。

病院へ着き、いつもどおり体重や血圧などを計測しましたが、数値に異常はありません。ただし、やはりこの日も尿蛋白が検出されました。

いざ医師に会うと、妊娠高血圧症候群の説明をされました。正確には、既に肝機能の数値が悪化していたため、妊娠高血圧腎症と診断されるそうでした。話を聞いて、やはり今の自分の体調不良は、妊娠高血圧症候群によるものなのだなと納得しました。

血圧が平常値であることについては、産後に急激に上がるだろうと言われました。そして、これ以上悪化する前に緊急帝王切開をした方がいいと言われ、そのまますぐに帝王切開の手術準備に入りました。

産後の様子

帝王切開での産後、降圧剤を投与されてもなお、血圧は上が150を超える日々が数日続きました。医者ってすごいなぁ、わかるんだなぁと、手術後のぼけーっとした頭で考えていました。

あと、飛蚊症のような症状がすごく出て、視界がごちゃごちゃしてとても気になっていましたが、日を追うごとにそれは少しずつ軽快しました。

血圧が思ったより下がらず、入院期間が当初予定より数日延びましたが、どうにかまた平常値に戻って退院できました。

[なぜ私が妊娠高血圧症候群になったのか]

【妊娠高血圧症候群になりやすい人】
・持病のある人(糖尿病、高血圧など)
・肥満、体重増加が著しい人
・家族に高血圧の人がいる人
・食事の塩分が多い人
・多胎妊娠の人
・35歳以上の人
・初産の人
・妊娠高血圧症候群になったことのある人

当時の私が該当していたのは、第1子だったので初産はもちろんですが、「ご家族に高血圧の人はいますか?」という言葉を医師にかけられ、これだと思いました。

我が家は両親とも高血圧です。そのきょうだいたちも高血圧です。そのまた両親、つまり祖父母たちも高血圧です。なんかもうみんな高血圧なので、私は年を取ったらそうなるのが普通だと思ってしまっていました。

しかしあくまで加齢は高血圧になりやすくなる、というだけで、ならない人はならない(なっても程がある)んですよね。そうですよね。

今の自分が健康でも、家族が罹患している=自分もなりやすい体質であるということを、ちゃんと意識しておかなければいけないなと思いました。

高血圧に関しては、妊娠だけでなく今後についても同じことが言えるので、本当に気をつけて生きていこうと感じています。(私に至っては両家とも高血圧&糖尿病家系なので、糖尿病も気をつけねばなりません……。)

[本当につわり?体調変化は医師に相談]

後期に限らず初期のつわりもそうですが、つわりって多くの人が通る道だからと我慢してはいませんか?

初期の本当のつわりであれば、状態によっては入院や通院での点滴による治療を受けることもできます。実際に私も、第2子の時はつわりで入院しました。

それくらいのレベルでなくとも、本当につわりであれば、つわりでどんな事で困っているのかをある程度具体的に医師に相談すれば、多くの医師はアドバイスをくれるはずです。やはり医師は、何人ものつわりで苦しむ妊婦を見てきていますからね。

また、症状がつわりではないな、別のものだなと医師が判断すれば、適切な治療をしてくれるはずです。例えば、実は貧血だったとなれば薬を処方してくれるでしょう。

つわりだと思った症状が本当につわりでも、そうでなくても、体調変化は医師に伝えてみましょう。それが妊婦さんの不調を救うきっかけになるかもしれませんし、何より、正体不明な不調を抱えてもやもやするよりも、精神衛生上ずっと良いはずです。

世の中の妊婦さんたちが、無事にかわいいお子さんたちに会えることを願っています。

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