思わず読んだ、このタイトル <note創作大賞>
小説のタイトルは本当に難しくて、私はいつも四苦八苦しています。
デビュー作の『幻の彼女』の時も何十案も考えました。内容を表せば良いというものではなく、そのタイトルで店頭に並んだときに、手に取ってもらえるかという観点が必要なのです。
この辺のことは以前、記事に書きました。
こんな感じなので、私はとても『タイトルはこう付ける!』などと言えませんが、今回、note創作大賞の応募作を読むときに、やはりタイトルで選んでいることに気づきました。
67000件も応募されているのですから、作品の大海の中をタイトルというブイを頼りに泳いでいるようなものです。
今日は「なんだろう、これ?」「面白そうだな、読んでみよう」と思って、思わずクリックしたタイトルをご紹介します。
『ヒトカドくんは八方ふさがり!』 阿弥陀乃トンマージさん
これはタイトルでも惹きつけられましたが、それに加えて、引用したあらすじの中に、すぱっとタイトルの意味が書かれていて「なるほど、それで八方ふさがりか! 読んでみたい」と思いました。情景が目に浮かんだのです。
『漂着ちゃん』 山根あきらさん
こういうの、上手いなあ、と思います。
「漂着、ちゃん?」。「ちゃん」って何? どういうこと? と思ったら、もうクリックして作品を読んでいました。派手なイラストも相まって「私を読んで」と言われているようでした。
『クールで知的なオミオツケさんはみそ汁が飲めない』 織部さん
元になった小説のタイトルは、『結尾美織はみそ汁が飲めない』だったそうですが、改題して良かったと思います。インパクトが10倍くらい強くなっていて、次の作品にいく手が止まります。
『ヨシダは死にました』 野やぎさん
読書感想文でも紹介させていただきました。すごく目を引くタイトルです。ラストの一行といい、野やぎさんは、一言で世界を切り取るのが上手い方なのだろうと思います。
『ネコ様を称えよ!』 まいTチャンネルさん
私がネコやわんこが大好きだからかもしれませんが(そういう人は多いはず)、イラストも合わせ技で、読ませていただきました。
作戦勝ちではないでしょうか。まずは読まれてナンボ、の世界ですから。
優れたタイトルを選ぶのも、勉強になると気づきました。
自分の連載している『紫に還る』というタイトル。ご紹介した作品に比べて全然、目立たないなあと溜め息です。
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