自分に花束を向けられる人生を
子育てには、正解がないと言われるように2歳後半から6歳を相手とするレッスンにも、「これをすれば万事良好大丈夫!」というマニュアルはない。
模索し続ける日々の中、自分なりに大切としているパターンがみえてきた。
◇レッスン開始の挨拶前。
「日記帳を書いてきた人は、見せてください」
自分で開いて読んでもらう。
3歳頃のみんなにとって、書いたページを開こうとするのも手先の器用さを必要とし、なにを書いたか読もうとするのも記憶力をフルに使う一仕事だ。
毎週になると、ページをめくるのも上手になり、「自分で思い出そう」とする習慣も芽生え、記憶力も培われる。
◇レッスン中は、言葉で伝える。
「これ」ではなく、「書くものを出してください」と言葉で伝える。
普段から考えられる子は、
「書くもの」=「鉛筆やクレヨン」
と、すぐに結び付け、
「出してください」から「自分の鞄からか!」と気が付く。
抽象化能力がこれからだと、
『書くもの・・・はて?たとえばなんだ?』
と、具体的に結びつかない。
「出してください」は、『どこから?どういうこと?』ポカンとなる。
今、一回で伝わらなくてもいい。
「相手は、何を言っているんだろう?」
と、自分なりに考えてもらう習慣が毎週積み重なることで、自分で考えようとする姿勢につながる。
すぐに嚙み砕いて教えない。
◇気持ちを受け止める。
問題が難しくて悔しかったとき、お母さんと離れるのが寂しいとき
「難しかったね。よく考えていたね。」
「ねー。お母さんがいいよね。よく来た、よく来た。」
「もっとやりたかったね」
感情を抑え込まれたのでは、教材に取り組む探究心は生まれない。
せめて、気持ちだけは受け止めて、
ときにそのままそっと一人で好きにさせながら、
一歩を踏み出すのを見守る。
◇頑張ったことに意識を向けて、その子の課題は+αとして伝える。
「あと、〇枚残っているね」よりも
「ここまでできたね。あと、〇枚だけだね。」と。
「自分だけ発表できなかった」よりも
「よく見ていたね。」
「よく聞いていたね。」と。
結果以上に取組みの過程に意識をむけて、課題はおまけと思えると、
子どもたちは、こうすればもっと良くなるのか!と積極的になってくれる。
◇答えを教えない。
「先生、難しい~」と言われても
「難しいよね。」
「いろいろ工夫してごらん。」
「これができているね。さぁ、どうしようか。」
すぐに噛み砕いて教えずに、気持ちに寄り添いつつ、一線を置いて見守る。
今できなくても、
いつか自分でひらめくときがくると、
必ずそれは自信につながる。
次の一歩につかながる。
「自分が考えた」と思えることが、大事。
今日の教材が、
できた子もできなかった子も、
一生懸命に考えた時間にこそ、
今後につながる可能性がつまっている。
いつか、この子たちが大きくなった将来、問題に直面したとき、
「できなかった」で終わらぬよう、
「なら、どうしようか」と、自分で自分を奮い立たせられるように。
はたまた、
「ここまでは、頑張れた!」
と、自分を肯定できるように。
「これはどうかな?」
「自分で考えてごらん」
「今日もよく頑張ったね」
私は、きみたちにプレゼントしたい。
自分に花束を向けられる人生を。
記事を見つけて下さり、最後まで読んでいただきありがとうございます。 少しでもなにか心に残るものを届けられていましたら、こんなにも嬉しいことはありません。