【小学校受験note①】クリスチャン家庭はミッションスクール受験に有利か?
+主の平和
【縁故】
小学校受験の世界で、縁故関係ほど信憑性を持って語られるウワサはない気がいたします。
◉一族が代々卒業生である。
◉両親あるいはどちらかが卒業生である。
◉兄弟姉妹が既に通っている(いわゆる、きょうだい枠)
◉学校とお教室の関係が強い。
◉(卒業生でなくとも)学校と家庭のつながりが強い(賛助委員など)
最近では、某・元国民的アイドルグループのメンバーの幼稚舎出身パパが、お子さんの幼稚舎受験に向けてお教室通いを始めたとか。
入会したと噂の幼児教室に、かつてお通いだったママ友達(息子さんはフリーで幼稚舎合格、在学中)は
「我が家の受験があと数年遅ければ、彼と彼のご家族と授業を受けられてたのね…」
と、悔しがっておりました。なんでしょう、この「幼稚舎に通っているのにまだ欲しがるんですか⁈」っていう世界は…。
さて、クリスチャンの我が家の場合、
「キリスト教系の小学校は信者枠ってあるの?」
という質問はたまに飛んでまいりました。
今回はその質問に対する私の回答と考察を述べたいと思います。
キリスト教三大宗派をざっくり解説!
一口にキリスト教系小学校=ミッションスクールと言っても、カトリック、プロテスタント、英国国教会(聖公会)と大きく3つに分別されます。
ローマ・カトリック
雙葉、聖心女子学院、白百合学園などがこちらの教派です。
カトリックは「サレジオ会」「イエズス会」「フランシスコ会」などの修道会が数多くあります。よくこれを「教派」と勘違いされるのですが、正しくは修道生活を送る信者たちの共同体の名前で、活動分野が異なっているのです。
わかりやすく言うと、1年1組の「1班・給食係」「2班・生活係」「3班・生物係」という感覚です!
宣教、ボランティア(福祉)、医療、教育、出版など、仕事の分野は違いますが、ローマ教皇を最高指導者として共通の典礼や慣習を守っている点で「カトリックはひとつの家族」とよく形容されます。
また、よくカトリック信者は「カトリックは地味・質素」と自分たちを表現します。
しかし、サグラダ・ファミリア、ノートルダム大聖堂、モン・サン・ミッシェル島の修道院といった名だたる美聖堂は、カトリックの教会であることが多いです。
ただ、9割以上の教会は地味で質素です。日本には畳の聖堂なんかもあったりします。
プロテスタント
プロテスタントは日本の全人口1%のキリスト教信者の中では多数派を占める教派です。
東洋英和女学院、青山学院がこちらの教派になります。
プロテスタントはルーテル派、長老派、バプテストなどの宗派が存在しますが、日本基督教団系であればすべてプロテスタントです。
カトリックとプロテスタントはどちらも西方教会なのですが、ローマ教皇を最高指導者と位置付けるカトリックと異なり、「神なる主以外は人間皆平等」と考えます。
そのため、カトリックでアイドル的人気を誇るマリア様も、プロテスタントの世界ではただの人扱いです。
ですのでくれぐれも、プロテスタント校でマリア様の話をなさらないようにお気を付けください。「マリア様のような慎み深い女性にぜひ娘も云々…」というような一言をプロテスタント校の面接でお話すると「本命校はカトリックかな?」と思われます。(←東洋英和女学院小学部部長先生のお話)
英国国教会(聖公会)
日本では主に立教グループで有名な宗派です。
英国国教会はプロテスタントとみなす場合もあるようですが、こちらはあくまで「カトリックとプロテスタントの中間」という立場と伺い、なるほど~と思った記憶があります。(立教小学校の校長先生のお話)
確かに、英国国教会はカトリックと親しく、私が所属していたカトリック教会と年に1回程度、合同ミサを執り行っていました。聖公会の友人はよく「離婚できるカトリック」と自身の信仰を語っておりました。
カトリックに比べて簡素な印象がありますが、教会によって雰囲気も変わってきます。伝統的な教会であればマリア様などの聖人信仰があるのですが、他のプロテスタント同様に神なる主以外は一般人扱いの教会もあります。
たとえば、東京の聖路加国際大学は立教グループ同様英国国教会系の大学ですが、聖人信仰があり、ルカによる福音書を記した聖ルカを守護聖人としている学校です。読み方も正しくは「せいるか」=「聖ルカ」です。
それぞれは仲が悪いの?
これもよく勘違いされがちです。確かにプロテスタントは腐敗したカトリック教会に「抗議する者」という意味をもって始まった教派です。
しかしながら、私たちキリスト者が大切にしている祈りのひとつ「主の祈り」の文言をカトリック・プロテスタント・英国国教会で共通にしようという動きがかつてあり、今ではどの宗派でもほぼ共通かつ平易な祈りの言葉で唱えられています。
また「聖歌」「讃美歌」と呼ばれる「神様ソング」も、作詞者・作曲者の教派の別を問わず広く歌われていますし、カトリックの聖人であるマザー・テレサを心から尊敬し、生前のマザーと手紙のやりとりをしていたプロテスタント校もあります。
娘が通っていたカトリック幼稚園の先生には、カトリックの幼児洗礼を受けて幼稚園~高校までカトリック校で学び、大学はカトリック教会推薦でプロテスタント校に進学されたという方もいらっしゃいました。
考え方は異なっても、それは小さな差異でしかなく、イエス様の教えを大切に日々生きるという大前提がおなじなので、わかりあうことができるのです。
実際私も、キリスト者だという方と巡り会えた時には、その方の教派がカトリックでもプロテスタントでも聖公会でも「おお〜兄弟姉妹!」という気持ちになります。
キリスト教信者枠は存在する?
前置きが長くなりましたが、本題に入ります。
少なくとも、娘のキリスト教系小学校の入学試験の出願時、信者であるか否かをはっきり書くことを求められた学校は5校中0校でした。
我が家は受験しませんでしたが、プロテスタント校の青山学院初等部は、願書に「通っていた教会学校の教会名」を書く箇所がありますが、信者であるかを問う質問ではありません。
つまりこれは、信者である(=洗礼を受けている)ことだけでは有利にならない、と言えます。
カトリックの場合、洗礼を受けると受洗証明書が発行されると同時に、バチカンの受洗者名簿に載ります。ですがこれを容易に閲覧することはできません。「〇〇教会所属の信者です」と願書に書き、面接で話したとしても、学校側はそれが本当かどうかを調べる方法がないのです。
ちなみに中学、高校、大学になると少々様子が異なり、前述した幼稚園の先生のように「信者枠」や「カトリック校推薦」という公の選抜方式はよく見かけますが、別段問題視されることもありません。推薦入試の一種と捉えられているようです。
こちらの中学(男子校)の入学試験では、指定カトリック小学校の特別選抜、カトリック信者の特別奨学制度があるようです。この指定カトリック小学校は共学校ですが、中学からは女子校になるため、在籍する男子児童のための配慮なのでしょう。
しかしながら、信者・未信者が小学校受験でまったく同じ土俵に立って競うのか?と問われたら、私は「いいえ」と答えます。
信者枠がある
信者は入試に有利
あたかもそのように思われてしまうメリット、そして知られざるデメリットが、クリスチャン家庭にはあるのです。
クリスチャン家庭が小学校受験で強いわけ
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