【詩】高慢と肯定
わたしがこれから述べることは
ある種 高慢さの表出なのかも知れない
人が人である所以の業なのかも知れない
ところでわたしは夜更かしを肯定したい
肯定された深い夜から新たな詩が生まれ
詩からあなたへの誠実さが生まれること
寝床より深い浴槽からはその深さ故に
天蓋がいつもより崇高に見えるのだ
わたしは浴槽から見える星空を肯定する
わたしの好きなものをあなたが肯定する
そういう赦しの中で微睡んで居たような
夜空への気流を共有することを肯定する
ありがとうと互いに言い合えること
好きだよは何万回あったって良いこと
ミニスカートのプリーツが揺れてること
あのとき"推し"という言葉が流行ったね
推しと星は語呂もなんだか似ているね
サーチライトが瞼の裏に透けていたね
あなたが表出している業を肯定する
あなたの震えている指先を肯定する
深夜に闇を切り裂く光線を肯定する
白く無垢な浴槽から指し示す真っ直ぐさ
あなたが大切にしているものは全て
ある種 高慢さを以てわたしが肯定する
わたしが今述べたことは深い夜に馴染み
有意義な夜更かしだったと朝日が肯定し
あなたへの誠実さを以てこの詩に肯定する
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