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【詩】灰と雲

煙突が在った頃
斎場の火葬炉に
しかばねを委ねることは
空に混ぜることだった
吸った外気も
吐き出した内気うちき
食べた物も廃棄物も
あなたの笑顔舌打ちも
未読メール既読スルーも
経験に代わってしまう
高く陽を背負った雲が
ひたすら美しい現実はもう
あなたを知らないでいる

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