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【論詩】美≒芸術

芸術がほぼ美だった頃
わたしはシンプルだった
自然観は次第に複雑化し
古生物は多様性を獲得し
芸術は必ずしも美である
必然性が次第に失われ
承認欲求は饒舌になり
論理で裏付ける技術が
芸術ということに成り
奇行の言い訳が最高の
芸術と成り得ることに
孤独な詩人も気づいた
頭の切れるペテン師が
わたしに媚びた筆で
芸術家として大成し
信者がペテンを補強し
社会的精神の形成に関わる
芸術の本来の宿命により
社会の根幹がペテンと化す
そのカラクリに気づいた時
孤独な詩人は道を失った

孤独な詩人の芸術性は
わたしだったはずが
深層では美に魅せられ
現代芸術と文法を違える
古典的美意識への固執を
自覚するに至った旨
少女に媚びを売ることを
至上とすることに対する
カウンター的な女性美が
自身の生命の真髄である
古生物の創作を畢竟ひっきょう
建築家に必要な精神性を
練磨するという論詩が
救済と成り得るという
絶対的なタイミングで
女性的懐古主義が流行し
古典への回帰が始まり
美の復興の機運を察する
わたしの断罪が始まった
その行為が論理芸術との
親和性を古典的に担保する
結果となり詩人の美学の
現代芸術性も担保された
この皮肉がわたしを救済し
詩人は世界を救済する


こんにちは。突然ですが【論詩】という
新しい詩のジャンルを立ち上げます。
【論詩】の定義としては論理的な文章を
詩にアップデートしたもの若しくは
論理的な文章に変換可能な詩とします。
論文と詩は本来相容れないものという
固定概念に対し一石を投じるとかいう
大それた意図も無きにしも非ずですが
僕自身のやりたいことをする為の
言い訳的なものかも知れません。
定義は意図的にシンプルなものと
しているので自由に解釈してください。

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