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|Ⅵ| (20xx+3)年5月 変様/誠志

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『洋燈』のある通りに、一台のスモークガラスの黒いライトバンが止まっていた。

不審な車だな、、、と思いながら横を通りすぎようとすると、突然ライトバンから二人組の男が飛び出してきて、俺の方に向かってきた。男の一人の手元に、スタンガンが見える。

抵抗しようとしたが、2対1では分が悪かった。

スタンガンの激痛が走る。意識は飛ばなかったが、激痛としびれのあまり地面へと倒れ込んだ。、、、体が動かない!

誠志が二人がかりで足と頭を抱えられ車に押し込まれそうになった時、誰かが横合いから飛びこんできて、一人の顔面を殴り飛ばした。藤四郎だ。

藤四郎は、俺の腕を放して慌ててスタンガンをとりだそうとするもう一人の男の足にタックルを食らわせる。両の足に組みつたまま、男の両脚を引っ張り上げると、股あいに体を押しこみ、上から打ちおろす体勢で相手の顔面に左右の拳を数度たたき込み、昏倒させた。

藤四郎は車の運転席の扉を開け、車のキーの穴のところに爪楊枝のようなものを押し込んでいるのが見えた。

『なにやってるんだ、、、あ、キーが入らないようにしてるのか』

雲がかかったような意識で、なんとなくそれが分かった。

藤四郎がどこかへ電話をすると、その後、俺を担ぎ歩きだした。

『大丈夫か。まったく、ガキ同士の喧嘩だったら、相手のズボンでもおろせば勝ちが決まるんだがな。相撲みたいによ。』

緊張した声ながらもいつもの軽口を話す藤四郎が、なんだかおかしかった。


この物語はフィクションであり

実在の人物団体とは一切関係ありません


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