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10年修行

スポーツや楽器を含めある技術で熟練しているレベルに到達するには1万時間の練習が必要だそうだ。1日3時間で毎日練習するとする。9年少しで1万時間だ。毎日するのは難しいだろうし10年見ておくとちょうどいいのかもしれない。中学校や高校の部活の3年間で1万時間を達成しようとすると毎日9時間の練習が必要なので実質熟練レベルへの到達は不可能だ。1万時間何かをし続けられるというのは誇れることだ。働き始めたら3年はやめるなというのはこの話からすると説得力のある3年のような気がする。1万時間行って面白みすら感じ取れないようではやり続ける価値はないのかもしれない。逆に、3年続けて面白みを感じたり、向上心が継続するようなら捨てるのは惜しいことだ。別の新しい仕事などに挑戦しても熟練にまた3年間かかるわけだ。もし仕事や何かを変えようとしているなら、自分が積み上げてきたものの価値をもう一度見直してほしい。嫌いなことや自分に合っていないことを1万時間続けることは容易ではないはずだ。喜びや楽しみがあるからこそ今があるのではないか。

今井むつみ(2016)『学びとは何かー<探究人>になるために』岩波新書

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