よいこのみんなにもおすすめの一冊。「毒の事件簿」

中高生の夏休みの課題図書のような
いやイマドキだっら小学校高学年でもいけそうな
カジュアルな科学読み物シリーズ
技術評論社⦅知りたい!サイエンス・シリーズ⦆の1冊

「毒の事件簿」~歴史は毒でつくられる~齋藤勝裕著

この中では、あの

「和歌山毒物カレー事件」をとりあげていて

冷静に見てみると、
直接証拠ゼロ、
自白ゼロ、
動機ゼロ
という、極めてあいまいな判断基準しかないことがわかります。

などと
衝撃的な記述

かつて
今をときめく宇多丸氏がMCをつとめた
「1924」というCX版の「しゃべり場」のような番組で
(「しゃべり場」がそもそもわからない?(笑))
某漫画家の娘は
死刑制度の是非についての論議で
「たとえば冤罪の可能性という問題があるが」という投げかけに
「冤罪くらいで死刑をやめてほしくない」と言い放った
…くらいで…って

クソ二世のどシロウトであっても
テレビという拡散力の強い場で発言する場合は
もっと責任をもってほしいと思いました。
冤罪くらいで…って

原発原理主義者のように
絶対に事故は起こらない
…みたいな立場ならまだしも
つまりこの場合なら
冤罪による死刑執行はあり得ないと言い張るならまだしも
「手違い死」があってもそれもやむなしと言ってるわけです

日本人はザコキャラを設定しがちです
それが命にかかわる事案でさえ…
特攻隊の話をするときも
稀に特攻が成功してしまった場合に
エクストラに失われる異国人の命について
思いをはせることはほぼありません

あるドキュメンタリー番組で
広島の被爆者を
あのエノーラ・ゲイ号の乗組員の遺族に対面させて
謝罪を要求するいうむちゃくちゃなものがあったのですが
その米国側の遺族
「私は謝らない。私の親族も日本兵に殺された」

すごく、まっとうな意見だと思いましたし
アウシュビッツのように継続的に行われて
何が起きているか把握できていたものなら
指揮官だけでなく
「現場スタッフ」もそれなりの責任は問われるでしょうが
原爆は当時において全く新しい兵器ですし
ましてや一乗組員のさらに遺族に謝らせるって
悪趣味すぎます

来日した著名人の中に
「米国人の一人として謝る」などと発言した人が
ちらほらいらっしゃったのを見て
あるいは勘違いしてしまったのかもしれません。

もし日本軍が先に原爆を完成させていたなら?
とか展開を想像してみるほうが
様々な立場を理解するという意味において
よほど有意義です。

命は等価です
コロナウィルスで亡くなっても
交通事故で亡くなっても
遺族の哀しみは同じはずです

和歌山毒物カレー事件ですが
あのヤメ検の若狭勝氏でさえ
「検察は一度調べなおしたほうがいいと」
言っていましたた。
検察の不当な取り調べが問題視されていたころに
私のまわりでは一切なかった
と言い切ってしまっていた、あの若狭氏でさえ…
という意味です。

すでに死刑が確定してしまっている死刑囚の息子が
ツイッターをはじめた件について
「被害者がいることを考えると」
などアンミカさんは否定的に語りましたが
もし冤罪なら必死になるのは当然ですし
その場合、「被害者がいる」ことはむしろ
真相究明への動機のひとつとなるはずで
しばしばアンミカさんの発言はロジックを欠きますが、こういうインフルエンサーたちのコメントが集まって冤罪は作られていくのでしょう。

山田孝之&菅田将暉共演ドラマ「dele」の第7話のエピソードは
和歌山毒物カレー事件をモチーフにした
あきらかに「冤罪」を匂わせるエピソードでした。
この暗号のようにこっそり埋め込む感じは
ミスチルとか佐野元春とかデビュー当時の西村京太郎氏のような
ひな形としての「社会派」ではなさそうです。
テレ朝に300円くらい払ったら見られる仕組みがあるらしいです
是非、見てください。
「ガワ」が置き換わると同じストーリーでも
違って見えるという体験にもなります。
(さがしたら無料のものもあるかもしれません。
ま、推奨はしませんが)

https://tv.rakuten.co.jp/content/269670/


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