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フューチャーペーシング

君たちはどう生きるか

今私の住む町では、教育改革有識者会議が行われています。
時代はどんどん変わっていっているのに、学校教育はあまり変わっていない、と。これから急ピッチでいろいろ変わっていくようで楽しみです。
私は学習塾を開いているので、地元を中心に変わりゆく子どもたちの学びを保護者様のサポートという側面から支えてきた自負があります。20年前の塾業界と今の塾業界は全く違います。田舎なので、大手チェーン塾はたくさん撤退していきました。長年個人塾を開業していた方が昨年亡くなったりもしました。
学習指導要領も変わりました。私が勤め始めたころは、ゆとり教育に丁度差し掛かった頃でした。あの頃小学校高学年だった子たちは今30前後だと思います。今頃どんな大人になっているのかな?あの頃の自分が描いていた未来と現実はどう違っているかな?

今もなお、子どもたちの学びや保護者様を支えながら、この子たちが大人になったとき、大きなギャップを感じず、思い描いた未来に近づいているように、夢ある未来を描けるようにと願っています。

目の前のことだけに囚われない

コーチング講座は昨年から4回実施しました。(2回は対面、2回はオンライン)参加された方の特徴として、とてもまじめで頑張り屋のお父さん、お母さんたちであるということ。子どものために何かしてあげなくちゃ!と気負っているように見受けられました。

……疲れてますね?

今現状に疲れ切っているおうちの方が、そのままの状態でコーチングを実施したとしましょう。きっとお子さんも辛いのではありませんか?

もう少し先のことを見通して、あるいは見通せるような生活の中で、親子で未来を語れるのが理想かな?と思っています。

先日小6の英語の授業の中で、I want to be a ○○.という表現を学んでいた時、子どもたちは将来の夢を以下のように語ってくれました。

Aさん ゲーム実況系YouTuber
Bさん 漁師(保護者様が漁師)
Cさん 公務員
Dさん 運動・アスレチック系YouTuber
Eさん テニス選手
Fさん サッカー選手
Gさん まだわからない

想像通りだったかな、という感じです。
コーチングでは相手を否定しないのが鉄則ですので、絶対に否定はしません。その夢に向かってすでに行動を起こしている子は7名中3名でした。パソコンもスマホもあるのに、どうして調べないの?知って初めて今何やったらいいかがわかるんじゃないかな?と話を振ってみました。今の段階では納得している子もそうでない子もいます。

おうちの人に言われたから
なんとなく
安定してるから

未来がどうなるかなんてまだよくわかっていないはずの子どもたちが、諦めのようにそんな言い方をすることにがっかりしました。
未来を描き、そこに近づくために学び、作り出し、成長していくものだと思います。そこを親子で話せるという環境づくりが必要なのだとも感じます。だからこそ、コーチングが必要だと思うのです。

コーチは最終的に子どもが夢を叶えるまでのサポートをすることで、それは夢を描くことから始まるのです。
しかし、夢を抱けない子もいます。
そんな時に有効なのがフューチャーペーシングのスキルです。

フューチャーペーシング

ペーシングとは、子どものペースに合わせること、つまり、話し手の声の調子や速度に合わせて話を聴き、安心して話せる環境を作り出すことです。
会話のテーマは将来についてです。
ゲーム感覚で、イメージを膨らませながら、あたかも現実であるように、将来について自由に語ってもらいます。
これがフューチャーペーシングです。

語る内容はどんなものでも構いません。
コーチは否定せずに子どものイメージがより鮮明になっていくように質問をします。冗談のような話でも、ばかばかしいとか、真面目に答えなさい、などと言ってはいけません。
フューチャーペーシングは、リフレーミングの応用です。

まずは、現実や常識という自分で作り上げた枠を外します。
すると子供の中にある多種多様な可能性の芽が顔をのぞかせることがあるのです。
「そんなことがあってもいいかも」「実現したらワクワクする!」そんな気持ちを抱くことが、将来をイメージする第一歩となります。あとはどうやったら実現できるかを一緒に考えていくのです。これこそがコーチングです。

子どもたちが何かに挑戦するのを促すとき、危機感をあおる方法には限界があります。未来に対して前向きになるために必要なのは、危機感よりワクワク感です。人を突き動かすのは「面白そう」という気持ちです。
能動的にチャレンジしてもらうためには、「~しなければならない」という言葉かけはしないことです。
これが出来たらどう思う?
これが出来たらどんな気持ち?

といったように、
行動した先には良いことがあるかもしれない
という気持ちを呼び起こすことがコーチに求められる技能です。

納得すること

将来の夢は十人十色です。
塾を経営している私が言うのもなんですが、受験よりも30歳の自分を想像した時に、生徒たちは今勉強することがその夢を叶えるステップの1つだと気づいてくれるはずです。
自分のためだと納得できれば、勉強に対して意欲が湧くのです。

目標を具体的に描き、親子で共有し、そのために何が必要なのかまで一緒に考えることは、子どもにとって非常に心強いものです。挑戦する気持ちを持てるようになるでしょう。そういった場面でコーチ(親)のサポートが必要なのです。すべての子どもには、夢を叶える資源が備わっているのですから。


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