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糸を手にしてから織物ができるまで。

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日々の仕事風景をすこしづつ切り取って、つづっています。 下絵→図案→紋意匠図→紋図→糸を選ぶ配色→機場で製織→完成! これらの工程で込められている思いや祈りなどに触れてもらえる機… もっと読む
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2020年7月の記事一覧

紙と裂が織り合わさって一枚の布に。

紙と裂が織り合わさって一枚の布に。

独自にコラージュした和紙と大島紬の緯糸(よこいと)をあしらった帯が織り上がってきました。

白色の経糸と、黒色の経糸をそれぞれ掛けた機の2台をメインに動かしており、それぞれの帯がようやく手元に届いたのでご報告です。

下のような、和紙に和紙を貼り重ねて、3ミリ幅に裁断した引箔をよこいとに、アクセントとして織り込んでいるものです。

こちらの制作過程については、前回と前々回の記事をご覧ください。

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一枚の紙が緯糸(よこいと)になるとき

一枚の紙が緯糸(よこいと)になるとき

こちこちと数種類の和紙をちぎっては貼り、ちぎっては貼りを繰り返していた45センチ×60センチ幅の和紙が、裁断から返ってまいりました。

このように、45cmの幅に平行にして、1本1本ごとに細くスライスされています。

今回裁断屋さんへお願いした切幅は、約3mm。このような細くスライスした状態にした和紙などのことを西陣織業界では、『引箔-ひきばく』と呼んでいます。

今回創作したこちらの、緯糸(よこ

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