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連載 #夢で見た中二物語 42

今日見たばかりの夢物語です。

少し季節遅れかもしれませんが桜の花と、今が季節の藤の花が出てきてとても綺麗でした。


☆☆☆

ある日の休日、何をするでもなく近場の森林地帯へと散歩に出掛けた青年。

その森林地帯にはかつて青年が通っていた小学校があったが、数十年前に青年達の世代を最後の卒業生として廃校となってしまっていた。

不意に思い至って廃校になった小学校に青年が向かうと、廃れた雰囲気の森の中でその校舎は静かに佇んでいた。

しかし何よりも少年の目を引いたのは、昔から学校の中庭に堂々とした姿で立っていた桜の木。

未だその場に生き続けている桜の木はある種の妖怪のように立ち尽くし、周囲の自然を圧倒するかのように存在し続けていた。

しかも夏場だというのにその桜の木には見事な桜が咲いており、何故か同じ木に藤の花までも咲かせていた。



奇妙ながらも神秘的で純粋に美しいその姿に呆気にとられていた青年は、いつの間にか周りにかつての友人たちが集まっていることに気がつく。

遠い昔に会わなくなったかつての親友や、連絡は取り合っているものの都会に出て久しく会ってない友人たちなどが、何故か子供の時の姿のままでそこにいる。

頭の隅で疑問に思いながらも、青年は友人たちとの再会のひとときを楽しむ。

よく見れば世話になった先生たちも遠巻きに青年たちを見守っており、青年は久しぶりに心から楽しいと感じていた。



ふと目を覚ますと、暗い部屋のベッドの上で一人寝転がっていた。

手には携帯、今までのことはすべて夢だったに違いない。

しばらくボーッとした後にそう考えながら、青年はゆっくり起き上がった。

その時、一瞬視界の端に桜の花びらと藤の花びらが舞い散ったように感じた。

それに気付いて静かに微笑み、静かに立ち上がった青年は窓辺のカーテンを開いた。

新しい夜明けが、明け方の空に優美なグラデーションを描いていた。


☆☆☆


随分ノスタルジックな内容の夢でしたが、たまにはこういうものも。

何もかもが自粛続きで大変な世の中ですが、少しでも明るい気持ちを持ちながら、かつ早く騒動が収まりますように (ー人ー)


中高生の頃より現在のような夢を元にした物語(文と絵)を書き続け、仕事をしながら合間に活動をしております。 私の夢物語を読んでくださった貴方にとって、何かの良いキッカケになれましたら幸いです。