#時空の輪廻転生物語 第Ⅵ章第58節
さて、本日より時空物語続編も第Ⅵ章へと入って参ります。
メインとなるキャラクターは雅で、表紙絵ではなにやら雪が降ってますね。
(空野島のモデルである種子島は、滅多に雪の降らない場所です。)
かつて鏡祐や織姫さん、誓也や乙雛さんにとって時間という概念自体が曖昧なものとなってしまっていたので、人間にとって"通常"の時間軸に戻ったはずの現在でもその辺りが曖昧になる事があるようです。
そもそも自分達も"時間"や"空間"というものの本質(それがどういうものであるかも含めて)なんて、全く分かっていないのだとは思いますが。
スペインのバレンシア(物語中でのハルトの出身地、和蘭石竹国のナランハのモデル)を発祥の地とするパエリアは、日本では海鮮のイメージが強いですが、現地では山の幸として扱われているそうです。
鶏肉やウサギ肉、その場に応じてカタツムリ(エスカルゴ?)なども使い、父親が日曜日に作ってくれるものだったのだとか(パエリアをゲテモノ料理と言っているわけではありません)。
更に厳密に言うと、休日の昼間に皆で食べるものであり、夜に食べる事は無いそうですね;
バレンシアはオレンジのイメージが強いかもしれませんが、その他の果物や野菜、稲作なども盛んな地域で、農作業の合間に大鍋で米や野菜や肉を炊き込んで作ったものがパエリアの起源なのだとか。
種子島の農産物の中でも安納芋は結構有名なのではないかと思いますが、種子島の土壌が安納芋栽培に非常に向いているからなのだそうですね。
かつて長らく海底にあったとされている種子島は土の中にミネラル分が多く、そこで育てた安納芋は糖度が高くコクのある味になるのだとか。
最後に、そういえば前章に出てきた宇宙生命ケアルビムのモデルについて書き忘れていたので、追記しておきます。
ケアルビムのモデルは、もはやお約束になった古典SF作家A.E.ヴァン.ヴォークトの『宇宙船ビーグル号の冒険』に出てくる「ケアル」という宇宙生命と「アナビス」という宇宙生命を合わせたような存在でした。
『宇宙船ビーグル号の冒険』は著者が一番初めに読んだヴォークト作品で、その著書にハマるキッカケを作ってくれた作品です。
ケアルはその冒頭の物語(元々は「黒い破壊者」という短編)に出てくる怪物で、初めて読んだ時は正直理由が分からなかったのと、(当時の自分にとっては)衝撃的のラストだったのでとても印象に残りました。
アナビスの方は『宇宙船ビーグル号の冒険』の最後の物語(サブタイトル忘却)に出てくる、銀河規模の大きさを誇る巨大な無形の生命体で、いつも飢餓状態にあり他の銀河系を探し喰らおうとしている怪物です。
ケアルもアナビスも非業の最期を遂げる事になるのですが、ものすごい力を持ちつつも最後には静かに去る事になってしまう儚さというのか悲しさというのか分かりませんが、そういった辺りがよく描かれているので、当時の自分はヴォークトの作品にハマっとしまったようです。
今回も、ご愛読いただき誠にありがとうございます m(_ _)m