雲とアイスクリーム

新緑の山々が鎮座する

夏のような風が吹き

額にうっすらと汗をかき
見上げた空は
真っ青で

何だか
とっても悔しくて

何だか
とっても嬉しくて

真っ青な空
綿菓子みたいな雲が
わたくしを見下ろして
ゆっさゆっさと
体を揺らして
手を差し出した

わたくしはその手に乗っかって
空の上へと登り
下界を見下ろした

連休でごった返す観光地
幸せそうに
楽しそうに
人々の声がこだまして

なんだか
とっても幸せな

なんだな
とってもほっこりと

わたくしの心が
ほっこりして

そよそよそよ風
心地よく
ゆったりゆったり
目を閉じた

騒がしい音に
目を開けると
わたくしの膝の上に
溶けたアイスクリームが
小さな雲のようなシミを作っていた

青い空では
綿菓子みたいな雲が
あい変わらず
ゆらゆらと揺れていた