今ここにひとり＊心も体も弱くなる時

ううううううぅ。。。。。
体調不良になると、
どれだけ健康であることが大切かを知らされることになる。

思うように動けない自分。

頭痛薬飲んでしばらくすると痛みが消失するようにと願い、
処方された薬を飲むが、やはり日にちも薬だということを思い知らされる。

家族からは優しい言葉の端々に、日頃の不摂生や目に余る暴飲暴食だとか
不規則な生活だとか甘い考えだとか偉そうなもの言いだとか、
そういうたぐいの指摘を、ここぞとばかりに盛り込まれる。

安静第一と言っても、安静にしすぎてもストレスがたまる。

汗をかけと言われても、汗も出ないので厚着をしてみる。

冷たいものを取りすぎだと言われるので、白湯ばかりガバガバ飲むが
乾いた喉の荒れた組織が整列する頃には白湯の魔法は物足りなくなる。

適度な不健康（？）ならお寿司屋さんのかんぴょう巻きとか
柿の種とか、食べたいものが浮かんでくるが、
限度を超えると何を食べていいかさえ分からなくなる。

高齢者の直接的死因は昔から肺炎だから、まだ高齢者でなくても
風邪をひどくしても死んでしまうこともあるし、
このままこんな風に、或いはこれよりも酷くなって良くなることはなく、
あの世に召されるんじゃないかと妄想に駆られてしまう。

受診した耳鼻科のデータによると「5年ぶりです」とのことだ。

5年に一回味わうパワーダウンするだけの孤独。

眠れないし、起きてても辛い、明日になれば良くなると希望を抱いても
そうそう漫画のように、笑い話のようには行かない。

今私と同じくパワーダウンしてる人を想像する。

私には高熱はないが、高熱なのに仕事しなければいけない人や
5人位子育て中のお母さんを頭の中で作り出してみる。

ふいに「昨夜子供をお風呂に入れてたら、
今日はなんだか暑いな～と思いながら、もしやと思って熱を計ったら
38度5分を超えてた。あはは」とバカ笑いした昔の同僚を思い出した。

ヤンキーを卒業したギャルママだったせいか、気合の入り方がちがう。

彼女を思い出したら、そもそも5人も子供を産めるなんて、
体力にも自信があるし、親から貰った体からして
超健康体なんじゃないかと気づいた。

高熱をおして仕事をしなければいけない人なら、
そもそも社会に必要とされている人ではないかと、
頭の中の設定を間違えた自分を責めた。

そんなキャラクターと、
小さい頃から抗生剤漬けの自分を比べては恥ずかしい。

現実の人々を思い描く。

誰をパワーダウンさせよう。

だけどみんな元気な姿なので想像が追い付かない。

方向がまずいと分かって、
頑張ってる人のパワーを分けてもらうことにした。

この頃知ったカーボンホイールの車椅子のお兄さんは、
一昔前はパラのバスケ選手でアメリカで暮らしていたらしい。

その当時はスポンサーらしきものがあっても、
すべて自費で大変だったと話してくれた。

FFの白い車と冬対策の4WDの黒い車を持っていて、
「二台あるのは故障に備えてだ。特殊だから」と
思いがけない苦労を語る。しかも親の介護もしている。

頑張ってるとか以上に根性があるではないかと思う。

私には根性というものがない。

人と比較すると良くないというのは身に染みてきた。

どんどん選んでいない孤独の沼にハマりそうだ。

希望というものが生まれてこない。

体調は目に見えるほど良くならないし、
誰もこの辛さを分かってくれないし、
気持ちの良い睡眠も食事も取れないし、四面楚歌の孤独だ。

今ここにいるのは誰の助けも得られない弱った私だ。

（体調が戻ったら規則的な生活を大事にします）と
神様や仏様やご先祖様に聞こえるように真剣に誓う。

ピンポーンと玄関のチャイムがなる。

このチャイムの音色はなんて明るいんだろうと、
ベッドに横たわったまま励まされて、聞いた。

宅配便の明るい若者の声がかすかに聞こえる。

しばらくして階下に降りると、
玄関先に茶色のどっしり感がある袋が鎮座している。

米どころの友人から30キロの新米が届いていた。

（送料だけでも高いのに）と思いながら感謝する。

早速、いつもより水加減を少なめにして新米を炊く。

一番最初にお仏壇にあげる。

お茶碗によそって温かいうちにご飯だけ口に入れる。

（ふんわりと柔らかくて、甘くておいしい）

ひとりぼっちの私を救ったのは美味しいご飯だった。

引っ越した先輩ママの言葉を思い出す。

活発すぎる男の子二人の母親で、
「男の子の喧嘩は殺し合いみたいよ」と笑って教えてくれた。

「男の子はね、いつも美味しい食事をドーンと出しとけば
どうにかまともに育つのよ。困った時は台所に立つ！」

そのアドバイスをうちの女の子達にも生かしたけど、
そう言えば私も女の子だった。

体が弱くなると子供に戻りたくなる。。。

美味しいお米には敵わないけど、
美味しい食べ物たちをなんとか頭に思い描くことで
この孤独を乗り切ろうと思う。

今日の文章は乱文と書いて、「こころのこえ」と読む。

テイラー・スウィフトのこの曲は女の子（含私）を元気にします♡