母親(借金)

私は中学に入り本当は看護師になりたいと思っていました。ですが、理数が苦手だったので、週一だけでも塾に行きたいと行ったら、母もアホやと先が心配やからと、行かしてくれました。そこから、分かる事が楽しくなり勉強が楽しいと思えるようになりました。それから、みるみる成績が上がり、母の機嫌が良い時が増えました。『あんたはやれば出来る子やったんや!』と言ってくれるようになりました。それから母は精神状態もあるのでしょうが、以前より優しくなりました。弟の障害も受け入れられたのか、障害を持った人達が集まる場所にも積極的に行くようになってました。

結局、私は家庭で色々ありながらも頑張ったのですが、高校進学の前の懇談会で、目指している学校から看護師学校行くならレベル高いから上位にいないと無理だし、今の成績だと常に上位にいるのは難しいと言われました。

母に、『無理してレベル高い学校行くのは大変やし、レベル落として上位におれたら楽やし、バイト出来るからいいんじゃない?』と言われ、母の母校に看護じゃないけど、福祉科があった為、そちらを受ける事にしました。弟の障害についても興味があったし、色々役立つ事があるだろうと思いました。

実際、合格して通うようになると、利便性が悪いとこで、バス、電車でしか行けない場所でした。交通費だけでも、バカにならず、家計もしんどいからバイトして。と言われ通い始めてすぐにバイトする事に。

この頃、母親も昼間、働くようになりました。合わないとすぐ辞めてくるので半年から1年ぐらいで色々仕事変わっていました。

私は学校で色んな福祉関係の職場を見ていくうち、作業療法士に憧れるようになりました。その時は、人手不足、給料も良いと聞いて色々調べて、県内に専門学校があったので、そこを目指す事にしました。オープンキャンパスにも通い詰め、先生達に名前と顔も覚えられてました。年間の学費が高くて、大変ですが、母に聞いたら婆ちゃんの学資保険で足りると思うし、自分が行きたいなら良いよ。と言われ試験を受けるつもりも満々でした。

成績は頑張って上の方にいたので、高校の特待制度の審査に通り、少額ですが補助金を貰えそうだったのでラッキー!頑張って良かったと思っていました。

あと1週間で試験日。という時に母に、来週試験。というと、『婆ちゃんにお金出してもらえるか聞いた?』と言ってきたので、『聞いてない、相談はだいぶ前にして良いって言ってくれたから大丈夫やん?』と言ったら、『直接お金出せるか聞いてきて頭下げておいで。ごめん。』と言われ意味が分からず、何故か母も車出してくれず、バスで婆ちゃんちへ。

『来週試験なんやけど、学資保険から学費だしてくれるんやんな?』と聞いたら、

『あんたのお母さんの借金、あんたの学資保険で返したからもうそんな余裕無い!本人から聞いてないんか?ごめんやけども、本当に行きたいなら奨学金借りるか、自分で働いて貯めてから行って!』と言われ頭が真っ白に。

奨学金借りても700万ぐらいになってくるし、後々の事考えると火の車になるだけやし、来週試験やのにどうしよう。というか、私何の為にここまで頑張ってきたの?となりました。

それを婆ちゃんに泣きながら、言ったし、私の夢なんです!お願いします!って土下座もしたけど、『恨むならお母さん恨むんやな。』と言われて終わりました。

泣きながらバスで帰り、家に着いてから母に問い詰めました。『ごめん…ごめん…』しか言わず。初めて母への怒りが込み上げて、喚き散らしました。

600万の借金があったそうです。お金無いという割にブランド物をやたら持っているし、服もめっちゃ買うので大丈夫なんかなとは思っていましたが…ましてや、車の税金払えやんからって私がバイト代から出してあげた時もありました。父も知っていたそうです。今思うと何で借金止めなかったの?って思います。

借金が膨れ上がってどうしようも無くなり祖母に相談し、全額返済してもらったそうです。そこに私の学資保険も充てていた事を知っていた筈なのに。私が母も弟も養う、家計助けて父親代わりになるからと言った私の気持ちも裏切られ、殺意が芽生えました。

私『私の目標と時間と努力返してよ!一生恨んで生きてやる!あんたなんて死ねばいいのに!』

母『自分の口からは残酷過ぎて、言えやんかった。ごめんじゃ、済まへん、一生償えやんし、どうしたる事も出来へんで一生恨まれても仕方ないし、殺したかったから殺してもらったら良い。あんたに殺されるなら本望や…でも、あの時はお金使う事しかストレス発散出来なくて、ごめん、ごめんなさい…』と泣きながら、土下座されました。

それから母とまともに口を聞く事が出来なくなりました。私はしばらくショックで食事も取れなくなりました。とりあえず担任に相談し、気持ちを察してくれて、毎日放課後呼び出してくれて泣いている私をとことん慰めてくれました。あの時の先生には本当に感謝しています。

進学は無理だと諦めがついたので国家試験も受けるし、介護施設で働く事にしました。給料も良いところだったので、本当に行きたいならお金を貯めていけばいいし、行くなって事やったんかなと自分に言い聞かしました。

母に就職の事を聞かれ、老人ホームに就職する、って言ったら『本当に学校行きたかったら自分でお金貯めていけばいいもんな。それで、良いと思うよ。』といわれました。母は自分に都合悪い事を言うと、すぐに意見を美化します。呆れて、反論する気にもなれませんでした。


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