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デザインが持つ「意味」

皆さんは「これ変わっているなぁ~」と思っているデザインや形を見かけたことはおありでしょうか。
そこで皆さんが気になるのは


「このデザインは何故こうなったのか?」


今回はデザインが持つ「意味」について、公式発表を基にお教えしたいと思います。


鉄道編

最初は「鉄道編」と言う事で、見た目が変わっている車両についてお教えしましょう。

京成電鉄AE形

まずは私の地元を通る車両の1つでもある「京成電鉄AE形」
同社のスカイライナー、モーニング・イブニングライナーの専用車両として使用されています。
こちらの車両デザインを手がけたのは、有名なファッションデザイナーであった山本寛斎氏。残念ながらご本人は2020年7月21日にこの世を去ってしまいましたが、彼が鉄道のデザインを手がけたのはAE形が最初で最後でした。

こちらの外観デザインのテーマは「風」、車内デザインのテーマは「凜」だそうです。
何故こうなったのでしょうか?


答えは、都心から空港まで最速であることと、旅行客のおもてなし。


外観デザインテーマでもある「風」は速さの象徴とのこと。成田スカイアクセス線は京成高砂駅~印旛日本医大駅間は最高速度130km/h、印旛日本医大駅以降から最高速度160km/h区間へと変わるため、成田空港まで最速達で結ぶ事からこの様になったのでは無いでしょうか。
車内デザインテーマの「凜」は引き締まった様子や本質的なものを残す、公共的な空間の配慮、透明感・優しさのイメージである。最速達であるが故、乗車時間は1時間未満(京成上野~成田空港間:42分)なので短時間でも旅行客をおもてなしする意味では無いかと思われます。

試運転中の姿。普段は止まらない東松戸駅にて顔を合わせた。


西武鉄道001系「Laview」

続いてはこちら。西武鉄道の特急ちちぶ号・むさし号で使用される001系
愛称は「Laview(ラビュー)」。2019年3月16日から運行を開始した。
西武池袋線の特急はこれまで「ニューレッドアロー(10000系)」を用いていたが、老朽化に伴い新製することとなった。

一部の鉄道ファンから「ミサイル」「テ○ドン」「ボラギノール」と言う名前まで付けられたのは言うまでも無い。

さて、皆さんはこの形をどう思うでしょうか?

  • 銀一色

  • 窓が大きい

  • あり得ないような形

こう思われた方もいるかと思います。何故こうなったのでしょうか?


答えは「いままでに見たことの無い新しい車両」であること。


確かに、形・色・窓を見ても他の鉄道会社ではまず見られない特徴を持っていますよね。
「いままでに見たことの無い新しい車両」はこの車両のコンセプトとなっており、デザインコンセプトはこの通りとなっています。

  • 都市や自然のなかでやわらかく風景に溶け込む特急

  • みんながくつろげるリビングのような特急

  • 新しい価値を創造し、ただの移動手段ではなく、目的地となる特急

「Laview」は活躍する路線が西武池袋線・秩父線と、都心から自然あふれる山間部へと結ぶ特急列車という立場上、それぞれの風景に合わせた車両であることを考えると、あえて西武で使われている黄色などで塗装するよりも銀色であれば風景に溶け込みやすいのではないでしょうか。
また、この車両は窓が座席の下まで大きくなっており、鉄道車両でありながらもまるで家にいるような落ち着きを生み出してくれる車両とも言えます。

ちなみに上で掲載している写真は臨時の「特急ドーム号」であり、定期運転されている特急ちちぶ号・むさし号とはまた別の特急列車になります。
こちらは西武池袋から西武ドーム(※)の最寄りである西武球場前までを運転するもので、ドームにて埼玉西武ライオンズの試合があるときまたはイベントが行われる時に運転されます。
(撮影当日は「GLAY 25th Anniversary "LIVE DEMOCRACY"」が行われていました)

※2022年1月17日に埼玉県上尾市に本社を置く通販会社「ベルーナ」が同球場の命名権を取得し、2022年3月より「ベルーナドーム」に名称変更。


カメラ編

iNSPiC REC

2019年12月に発売されたキヤノンのコンパクトデジタルカメラ「iNSPiC REC(インスピックレック)」
見た目は小型のカメラですが、ベルトなどに引っかけるカラビナが付いていたりと今までに見たことが無い形となった。

さて、皆さんはこの形をどう思うでしょうか?
上記リンクを辿ると画像が見ることが出来ますが、カメラらしくないですよね。何故この様な形になったのでしょうか?


答えは「若者へ「カメラでの撮影も面白い!」を伝えるため」。


昨今、デジタルカメラはスマートフォンの普及により売り上げが押され気味となっており、カメラ業界にとってピンチを迎えてしまいました。
下記記事にてその点も触れていますので、是非ご参考まで。

そこでキヤノンが思いついたのは、「スマホのカメラで済ましている世の中でどう言うカメラだったら若者へ受けるのか?」と考えた結果、この「iNSPiC REC」の誕生に繋がります。
見た目はカメラと言うより、キーホルダーと一体化したカメラと言っても良いでしょう。このカメラは一般的なデジタルカメラには無いある特徴を持っています。


何と背面液晶がないのです。


一般的なデジタルカメラやスマートフォンは、撮影後すぐに撮影した内容を見ることは出来ますが、iNSPiC RECは液晶画面がないので取り込んだ後に見ることが出来るものとなっています。
つまり、フィルムカメラと同じような感じになるのです。
加えてこちらの製品にはファインダーはありませんが、カラビナ部分をファインダーの代わりに使用するそうです。(一応光学ファインダーっていうのでしょうかね!?)

まさにスマホ時代の新しいカメラと言っても良いでしょうね。


DJI Pocket 2

2020年10月に発売されたDJIのハンドヘルドジンバルカメラ「DJI Pocket 2」
「OSMO POCKET」の後継機種で、イメージセンサーの大型化や広角側に振ったレンズを搭載。機材の紹介はこちらからどうぞ。

さて皆さん、このカメラも一般的なビデオカメラにしては形がおかしいですよね?
一般的なビデオカメラでしたら、ボディ自体はこれよりもかなり大きなものになるはずです。何故この様な形になったのでしょうか?


答えは「VLOG需要に合わせたから」。


一般的なビデオカメラですと、起動から使用出来るまでに時間がかかるものもあるので、準備するのが大変。そこで何気ない日常でも撮影出来るようにポケットに入れやすいようサイズを小さくしたのです。
これに加え、YouTuberを始めとした方が「VLOG(ビデオブログ)」を撮るようになり、その際にサッと取り出して動画撮影出来るようなカメラとなると、当機種が丁度良いと言えます。
更にはジンバルも一体化しているので、別途ジンバルを用意しなくてもすぐに撮影出来るのが嬉しいところでは無いでしょうか。
(ジンバル+デジタルカメラでの撮影の場合、ジンバルの用意が必要になってくるので、機材も大型化し持ち運びが大変になる)

今時、何気ない日常を撮影するのに使用するものと言えばスマートフォンのカメラになるかと思いますが、スマートフォンのカメラでの撮影はずっと同じ格好をして持たなければならないことと、映画の様なヌルっとした動きが出来ないと言うのが残念な点でしょう。かと言ってスマートフォン用のジンバルを別途用意するのは大変・・・。
その様な時にDJI Pocket 2があれば、本体だけで動画撮影が完結出来てしまいますので、動画においては何かと便利。

対抗馬はGoProになりますが、GoProは撮影時にグリップも必要なのでそれを考えるとDJI Pocket 2の方が撮影の時は有利になります。
このDJI Pocket 2のようなハンドヘルドジンバルカメラが登場した後、シャオミが「FIMI PALM」、ジンバルを製造しているMOZAに「MOIN Camera」が登場するなど数々のライバル機が登場するようになりました。


日用品編

アテント かくさないパッケージ 下着爽快プラス

日用品編で紹介するのはこちら。「アテント かくさないパッケージ 下着爽快プラス」
見た目からしてどんな製品なのかわかりにくいですよね。



実はこの正体、「大人用紙おむつ」なのです。


この時点で「えっ?」と思われる方も多いはず。
同製品の通常パッケージはこちらになります。

勘の良い方は「アテント」のブランドでお分かりかと思いますが、大王製紙(「エリエール」ブランド)の大人用紙おむつになります。
では何故この様なパッケージになったのでしょうか?


答えは、「紙パンツを自由になれるツールとして広めるため」。


ノーマルパッケージの場合は、表に堂々と吸収量やサイズ、特徴が書かれているのに対し、かくさないパッケージは表から見ても一見何なのかがわからなくなっています。
私が思うには、「紙パンツ=持っていて恥ずかしい」を克服するようなデザインと言えますね。

デザインのポイントとしては、

  • パンツをかくさない

  • 情報は裏面にわかりやすくまとめる

  • 調和と個性

この3つとなります。
パッケージの白に当たる部分は「パンツ」になるんですねー そう来ると残りの色は「体」と「足」になるでしょうか。

このパッケージが登場した背景として、2020年にアテントのキャッチコピーにて「もっといいパンツになる。」が採用されたことでしょう。
イメージキャラクターとして草彅剛さんが起用されました。

紙パンツ(紙おむつ)がこのように堂々と持ち歩けるようなパッケージだったら、もう恥ずかしい思いなんかしなくても良い時代になるでしょうね。

↓参考リンク


最後に

今回は「デザインが持つ「意味」」についてお届けしました。
取り上げたものは5つのみでしたが、この他にもまだあると思いますので、探し次第取り上げて行きたいと思います。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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