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iPhoneと1型コンデジでイルミネーション撮影対決! ~筆者、スマホカメラの不都合な真実に気づく~

2022/01/26更新:「追記」を記載しました。

先日、手持ちのスマホと1型コンデジで撮影比較をしました。
そうしたら思わぬ結果と気づいた点がありましたので、今回はそれを取り上げていきます。
核心を突くような内容も含まれますので、ご注意くださいませ。


今回の比較対象

今回比較するものはこちらになります。

スマホは手持ちのアップルiPhone XR(リアカメラ)を使用。
センサーサイズは1/2.3型で1200万画素。


もう1つはキヤノンPowerShot G7 X Mark III。
センサーサイズは1型で2010万画素。

この2つのカメラでどの様な感じとなるかを比較して行きます。


撮影比較(1)

iPhone XR
PowerShot G7 X Mark III
iPhone XR
PowerShot G7 X Mark III
iPhone XR
PowerShot G7 X Mark III

両方ともJPEG画像で撮影したものですが、iPhone XRの方が色のりも良くてきれいに撮影出来ている感じ?

センサーサイズが違うのに何故・・・🤔

こうしてみるとiPhone XRの方が優勢の様に見えますよね。
実はもう1つ撮影比較したものがありますので、そちらではどうなるでしょうか?


撮影比較(2)

iPhone XR
PowerShot G7 X Mark III
iPhone XR
PowerShot G7 X Mark III
iPhone XR
PowerShot G7 X Mark III

こちらはiPhone XRがJPEG、PowerShot G7 X Mark IIIがRAWで撮影して現像処理したものです。
色のりやホワイトバランスは異なっていますが、ほぼ同じような感じと見て良いでしょう。陰影はPowerShotの方がリアルに感じます。


比較結果

両者でイルミネーション撮影を行った結果、JPEGではPowerShot G7 X Mark IIIの方が黒つぶれが多く、写りがイマイチな印象もあった。センサーサイズはPowerShotが明らかに大きいのに。
と言う事で、JPEG撮って出しではiPhone XRの方が上手だが、RAW現像となれば1型コンデジの方が有利と言える。

・・・これが恐らく一般の考えであろうかと思うが、私はこの結果を見てiPhone XRの写り方に怪しい点があると感じた。それは次の項目でご説明する。


スマホカメラの不都合な真実?

今回皆様にご覧頂いたのは、iPhone XRとPowerShot G7 X Mark IIIそれぞれのイルミネーション撮影比較であったが、撮影比較は通常1パターンのみであるのに、何故2パターンも出したのかをご説明しよう。

それは、iPhone XRでカメラ撮影しているうちに怪しいなと思った点があるから😁

先ほどの撮影比較で紹介した写真をもう一度ここで紹介する。

1番目はiPhone XRで撮影したもの。

2番目はPowerShot G7 X Mark IIIのJPEG撮影。

3番目はPowerShot G7 X Mark IIIのRAW撮影→現像処理したもの。

JPEG撮影ではPowerShot G7 Mark IIIはiPhone XRに負けているものの、RAW現像処理したものでは負けていないことが解る。
今回の撮影比較において、PowerShot G7 X Mark IIIの方はあえてRAWとJPEG両方を記録するようにしていた。
iPhone XRの写り方が怪しいと思ったところで、わざとそうしたのだ。


気づいてしまった点の1つ目は、
RAW現像の設定によって、iPhone XRで撮影したものとほぼ同じように再現出来ると言う事。


ちなみに私はiPhone XRを所持する前にソニーのXperiaを所持していたが、こちらのカメラの写りはPowerShot G7 X Mark IIIのJPEG撮影とほぼ同じような感じになる。(陰影もハッキリしていた)

Xperia Z3で撮影
Xperia X Performanceで撮影

iPhone XRとXperiaの写り方を見てどうだろうか。
この写り方を見ると大半はiPhoneに流れるだろうと思う。

iPhone XR含め、現行のiPhoneのカメラには「スマートHDR」と言う機能を備えているが、今回撮影したものにはスマートHDRを適用していない。
なのに、何故このような写りをするのか?


気づいてしまった2つ目の点として、
スマートHDRを入れても入れなくても、あたかもHDRで撮影したような写真を作っている事。


HDRとは「ハイダイナミックレンジ」の略で、露出の違う写真を撮影して合成させ1枚の写真にするというもので、明るさ・暗さなどが抑えられたきれいな写真が出来る機能の1つに当たる。

PowerShot G7 X Mark IIIでもHDR撮影可能だが、これで撮影すると彩度を高めて明るさ・暗さを抑えた写真が出来上がる。その際にはシャッター音が3~4回ほど鳴り、しばらく待つとSDカードへ記録する。
ところが、iPhone XRは1回押すとその場でHDRの撮影を行うのだ。

iPhone XS以降のモデルでは、スマートHDRやDeep Fusionでの処理に備え、カメラアプリを起動している間はセンサーに映る画像をバッファーに貯め込んでおり、シャッターボタンをタップした瞬間前後の複数枚の画像を解析/合成を行います。これは露出を変えつつ超高速連射しているようなもので、合成することをユーザに意識させません。高速なカメラセンサーにくわえ、A12 BionicなどのSoCに搭載された機械学習用の「Neural Engine」が、その働きを担っているのです。

(引用)マイナビニュース

上記はスマートHDRですが、超高速連写によって合成しているとの事らしい。
気になったのはこの部分。

これは露出を変えつつ超高速連射しているようなもので、合成することをユーザに意識させません。高速なカメラセンサーにくわえ、A12 BionicなどのSoCに搭載された機械学習用の「Neural Engine」が、その働きを担っているのです。

この部分は明らかに「せこい」としか言いようが無い。
露出を変えつつ超高速連写している時点で、HDRの撮影コマ数がカメラよりも超えているのだ。PowerShot G7 X Mark IIIでも3~4コマ程度で合成するので、iPhone XRはそれ以上のコマ数を撮影して合成していることになる。
「合成することをユーザに意識させません。」と言っている時点でカメラに対して敵意ならびに悪意があるとしか言いようが無い。

最近のカメラ市場は、一眼レフ・ミラーレスが台頭となる中、コンパクトデジタルカメラは衰退している一方を辿っている。
この点については「高級コンデジとは?」でもご説明しているので詳しい内容は省略するが、スマートフォンの台頭でコンパクトデジタルカメラが追いやられているのは確かである。

普及価格帯コンデジが蚊帳かやの外に追いやられた理由は、このような不都合な真実があったのではないか。

普及価格帯コンデジを追いやったのは、スマホのカメラ性能がある意味「せこいやり方」であった事は間違いないかと。
ただし、スマホのカメラ全てが「せこいやり方」となっているのではなく、中には上記のXperiaのような一般のカメラと同じような写り方をするものもあるので、一概にそうではない。
もし、カメラ性能がせこいやり方でなく、一般的なカメラと同じ写り方であれば普及価格帯のコンデジは生き残れた可能性だってあった。

よりきれいな写真を求めてカメラ性能を色々いじったものを出すと、スマホ競争としては勝つには勝つのですが、このような不都合な真実が見つかると天地がひっくり返る可能性もあるかと。
コンデジ市場衰退の「からくり」は、まさにここにあったようなものだった。

今回の撮影比較でも、iPhone XRの撮影分・PowerShotの撮影分(JPEG)・PowerShotの撮影分(RAW)を3つ用意したが、iPhone XRの撮影分がPowerShotの撮影分(RAW)とほぼ同じ写りだったので、如何にiPhoneがせこいやり方をしているのが理解出来たかと思う。


最後に

今回は「iPhoneと1型コンデジでイルミネーション撮影対決!」をご紹介しましたが如何でしたでしょうか?
両方とも良好な結果でしたが、1型コンデジの方が素直な写り方をしているので、どっちを取るかはご覧いただいている皆様にお任せします。
最後は核心を突く内容で終了しましたが、今回の撮影比較を通じて、自分で推測した結果、まさかこのようなからくりで動いていた事に驚きました。
今思うと、撤退したメーカーは大変気の毒だったのではないかと思います。

改めて今回検証した結果、新たな発見が出来て良かったと思いました。
私としては、カメラは「カメラなりの写り」をして欲しいですね。その方がメーカーやレンズの性能も見えて来ますので。

今回の件がこのまま続くようでは、カメラ業界としても追い打ちをかけることとなり、スマホ業界の一方的な攻撃ばかりとなってしまう。
不正をせず、正しい理解でもって競争をして行く事がお互いにとってWin-Winとなる結果に繋がり、カメラ業界やスマホ業界も安泰するのでは無いだろうか。
その為にも、カメラ業界・スマホ業界には頑張ってほしいものです。


追記

PowerShot G7 X Mark IIIのクリエイティブフィルターモードにある「HDRグラフィック調」を用いて撮影したところ、次のような結果となりました。

色の出方はやや違って見えますが、iPhone XRに近い感じの明るさになりました。
やはりHDRを用いたトリックだった事がこれで立証出来ました。

いくらスマホのカメラだろうが「せこい事」はしないで欲しいものです。


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