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ATUSI
2018年5月12日 17:00
そのころ、東京中の町という町、家という家では、ふたり以上の人が顔をあわせさえすれば、まるでお天気のあいさつでもするように、怪人「二十面相」のうわさをしていました。 少年の頃に読んだ、という世代は少し年嵩の方だろうか。江戸川乱歩不朽の傑作『怪人二十面相』の書き出しである。 この本が刊行されたのが昭和11(1936)年。日本が二・二六事件に揺れ、東京の電話加入数が15万ほどだった(平成27年度