日本とアメリカ 経営陣登用の違い
自己紹介
ご覧頂きありがとうございます。新卒で食品会社に就職し、営業職を経験したのちにアメリカの子会社に赴任。約10年間海外駐在しています。
自分自身への備忘録も兼ねてアメリカでの体験や自身の考えをnoteに残していきたいと思います。同じ境遇やこれから海外に挑戦したいという方にとって少しでも参考になれば幸いです。
日本はボクシング?アメリカは総合格闘技?
日本でもようやくここ近年で「プロ経営者」の存在が取り上げられるようになってきましたが、アメリカではプロ経営者を迎え入れることは多くの企業で行われてます。
同じ業界どころか他業界から引き抜くということもよく聞く話です。
しかしながら日本の多くの企業では、営業やマーケティング、R&Dなど特定の分野を極めた先に経営者というポジションが待っているのではないでしょうか。
もちろんアメリカでもそういうところはあるのでしょうが、どちらかというと経営というのはそれ自体で独立した分野という印象があります。
経営を行うにはビジネス全体の横断的な知識が求められます。でないとあらゆる観点での評価が困難となり、また特定の分野に秀でているとそこに無意識にバイアスがかかってしまい、意思決定の精度を上げることが困難になるためです。
そういう意味では経営というのは格闘技のジャンルで例えると総合格闘技に当たると思います。しかしながら日本だと、人材の流動性が低いということもあるのでしょうが、ボクシングや柔道、空手といった特定の格闘技を極めた方が経営に携わっていく印象です。
結果それで経営陣の中でバランスが取れて総合格闘技になっていたらまだ良いのですが、経営陣の中でも序列がありなかなかそうはいきません。
特に社長や会長の影響力は大きく、営業畑を歩んできた経営トップだとかなり営業寄りの会社になってしまう、マーケティング畑だとマーケティング寄りに…ということがしばしば起きているのではないでしょうか。
また部門代表のような形になってしまい、生え抜きだと特にしがらみも出てきて全社最適な判断も難しくなってきます。
もっというと経営陣だけではなく各部門の中核ポジションも経営トップが引っ張り上げることでボクサーだらけになっていることさえあるのではないでしょうか。
日本の経営陣登用手法の良い部分ももちろんあるのですが、この変化の激しい時代に自分の専門性やしがらみに囚われていてはどうしても判断の精度やスピードが犠牲になってしまうのではないでしょうか。
ただアメリカ式もそれはそれで行き過ぎな部分もあり、プロ経営者としての評価を上げるために短期的な結果を求め、中・長期的な視野が疎かになってしまうことはあるだろうと思います。
ですので、経営者としてバランスの取れた人材の価値は非常に高くなり、日本とアメリカの役員報酬の大きな違いになっているように感じます。
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