見出し画像

やりたいことがやれない

私は、2024年3月末に19年勤めた仕事を辞めました。
現在は「フリーランス」といえば聞こえは良いですが、収入はこれまでの10分の1以下です・・・。
40代で人生をリセットした身として、これからの生き方やこれまでの経験に需要があるのか?需要があるなら、この発信が誰かの役に立たないかな?そんなことを思い、シリーズ化してnoteを投稿しています。

今回は、社会人になって10年以上経過し、これまで積み上げてきたことを有効に使いたい。やりたいこと(人の役に立つ)をもっと形にしたいと思い、もがいていた話について書きました。よろしければ、お付き合いください。

また、この記事を読んでいいなと感じてもらえたら、スキやフォローをしてもらえたら嬉しいです。

━━━━━━━━━━━━━━━


やりたいことは「人の役に立ちたい」

私が公務員になった理由の1つとして「人の役に立ちたい」という想いがありました。しかし、採用された頃の私は想いはあっても「知識と経験が全然足りない状態」でした。

その後、採用から10年も経つと、少しずつ「知識と経験」が伴い、自分の想いが形に出来るようになりました。

最近になって、私が新採用の後輩と話をした時、
「まちづくりがしたい」
「新しい道路を計画したい」
など、彼らにもやりたいことがあるように見えましたが、私が「具体的には何がしたい?」と質問すると、答えが返ってこないことがほとんどでした。
そんな姿を見ていて、私も最初はこうだったんだなと今でこそ思える(客観視できる)ようになりました。

採用間もない頃は、想いはあれど、やりたいことがやれない。何をすれば良いかイメージしにくい。それは、「知識と経験」が足りないから。

そんな状況で、とにかく「やりたい」という想いで公務員生活がスタートしました。
そして、「知識と経験」を武器にカッコイイ背中を見せてくださる上司、先輩方への憧れも原動力となり、背中を追いかけて10年程度過ごしました。

とにかく基礎を固めよう。
基礎がないと、知識も経験も積み上がらない。
そう考えて、

  • マニュアルや基準書を読んで分からないことはその都度理解してから次に進む。

  • 工事現場に行く時は、施工計画書と共通仕様書を持ち歩き、現場で照らし合わせていろんな現場をイメージ出来るようにする。

そんなことを1つずつ積み上げていくと、私の中で生まれた数多くの「わからない」や「なんで?」達は、私に「知識と経験」を与えてくれました。

10年も経つと、新採用の頃に見た上司や先輩方の背中に少しは近づけているかもしれないと実感できるようになっていました。

  • 上司に対して、自分の考えを論理的に提案できる。

  • 突発的な対応が起きても、対応策を複数個思いつく。

  • 現場対応を任せてもらえる。(1人で対応させてもらえる)

ここまでくると、仕事はさらに楽しくなってきました。

  • 仕事のポイントは何なのか?

  • 仕事をどう進めるのが最善か?

  • 上司と意見が合わない場合、自分に何が足りないのか?上司への情報(報告)が足りないのか?

「仕事の進め方」のコツを掴みつつ、自分がこうだと思う方向性を上司に提案し、了解を得て組織として同じ方向を向けた時、とても快感でした。

これまでは、上司に相談しても自分の考えが足りず、上司の意見に「そう考えるのか!」と学ぶことがほとんどでした。
上司とのやりとりを何度も繰り返し、少しずつ「知識と経験」を積み上げ、揺るがないものにしていく。
すると、いつの間にか上司と対等に議論できる自分がいました。知識や経験が揺るがないものとなれば、上司であっても同じ「技術者」として対等に話ができる。これも発見でした。

土木工学は「経験工学 」と言われます。
日々いろんな現場で起きる出来事に対して、みんなで議論して学んで、難題が出れば出るほど自分の頭をめちゃくちゃ悩ませる。でもその先には必ず結果があり、良くも悪くも自分の糧になる。もう快感でしかなかったです。(変態です。)

効率や応用は求めない

自分の想いが組織と同じ方向を向いていた時は、とにかく毎日の仕事が楽しいものでした。
この勢いでもっともっと前に進みたい。成長したい。進化したい。
そのためには「効率」を上げたい。臨機応変に「応用」をきかせたい。そんなことを思っていました。

一方で、採用から10年経った頃は、「東日本大震災」から数年が経った時期でした。

  • 仕事をこなすのが精一杯な雰囲気

  • 「業務多忙」という印籠が、理由としてまかり通った時期

  • 「業務多忙」により、技術者としての業務が一部外注となった時期

業務多忙なので・・・
例えば書類管理については
書類は整理されず、書棚の空いた場所にただただ突っ込まれる。書棚に入ればまだいい方で、箱に入った書類が執務室に散乱し、廃棄書類か否かも分からない状況。

必要書類は必要になってから探す。書類が見つからない時は関係者総動員で探す。新たに別な書類が見つからない時も、同じことを繰り返す。
見つからなければまた明日探せばいい。だって私達は忙しいのだから。そして時間は無限にあるのだから。

例えば業務委託による外注については
業務委託は、作業の手をお金で買うだけであって、事業の進捗管理や判断、決定まで丸投げするものではないです。
でも、「業務多忙」の背景がゆえに、時が経つと外注はほぼ丸投げの体制となりました。

新採用の職業にとっては、丸投げの体制が当たり前の中で仕事を覚え、「意欲」がない限りは技術を磨く機会は遠のくばかり。数年もすれば意欲の差が技術の差となり、相当な開きが出るのは想像がつきます。

そんな日々を過ごしていると、自分は何をしているのか分からなくなっていきました。

  • 忙しいのは分かる。でも、忙しいからこそ効率化では?

  • 書類探しに時間を取るなら、人手をかけて短時間で目的を達成すべきでは?

  • 外注するのは良いけれど、丸投げして他人事のような仕事をしていたら、忙しさが落ち着いた時に失うものはとても大きいのでは?

書類管理について上司に申し入れても、当時の所属長からは「探すのも仕事だ」と言われ、所属のトップの考えがこれか・・・と凍りつきました。

オンリーワンの仕事をする人たち

組織で仕事をするならば、属人的な仕事はなるべく避ける方が良いと私は思います。
公務員なら3年程度で異動になるので、担当が変わる度に対応が変わるようでは、住民に不信感を与えてしまいます。

しかし、異動した先で仕事を覚え、3年かけて苦労して覚えた仕事は、「俺にしか出来ない」と勘違いする人が多い印象を受けました。(私の周りだけかもしれません)

その結果、仕事を引継ぐ時には最長で3年程度の仕事内容を、しかも属人的な仕事内容を文字(引継書)にして、年度末の数時間で引継ぐ。しかも、文字にし始めるのは年度末ギリギリの中の2~3日間程度。
無理です。そんな短時間で仕事内容を文字にして引継ぐなんて絶対無理です。

結果、仕事内容は引継がれず、3年程度でリセットです。
オンリーワンにはならなくていい。

最大の敵は味方の中にいる

私は、組織はチームだと思っていますが、同じ組織の職員なのに課が違えば時には味方のはずの職員が敵になるようです。これは、組織が同じ方向を向いていないと私が感じた大きな要因でもあります。
職種が違うだけでも敵になる。お前は事務屋だから嫌いだ。お前は技術屋だから嫌いだ。そんな話をよく聞きます。
そもそも「嫌いだ」って何?その発想が私は理解できない。

  • 誰のために仕事をしているのか?

  • 自分の椅子を守るため?

  • 次の異動先で良いところに行くため?

  • 人事評価を上げて給料アップを狙うため?

あれ?住民はどこにいった?
住民には事務屋も技術屋も関係ないのでは?
どこの課の職員であろうと、同じ組織の人なのでは?

そんなくだらない縄張り争いに時間とお金を使って、何のメリットがあるのか?
所詮、組織の中でしか通用しない「超特別ルール」にどっぷり浸って争っているだけで、外から見たら「裸の王様」でしかない。
「裸の王様」が大量発生していく様を見て、私には幻滅することしか出来なかった。

幻滅初期の頃は、「裸の王様」に「ちょっとあなた、服着てないですよ」と言って目を覚まさせようと努力しましたが、「お前にはこの服の素晴らしさが分かるまい!」と言わんばかりにスルーされ、人の心を変えるには、並大抵の努力では無理なんだなと思い知らされました。

エネルギーと時間を、とてつもなく使わなければ、人は変わらない。いや、それでも変わればまだ良い方です。
ほとんどは変えられない。変わろうとする意識のない「ゼロの人」に何を掛けてもゼロなんです。

そして、改めて気づきました。
私は何に時間を使っているんだろう?
何をするために公務員になったんだろう?

新採用のあの時の上司や先輩方の姿はどこへ・・・いやいやまてよ?当時の私の視野が狭かっただけで、もしかしたら当時から「裸の王様」は存在していたのかもしれない。

属人的な仕事を避け、どんなに汎用的な仕組みを作って異動しても、3年後には元どおり。効率も応用もない。
あるのは何の役にも立たないプライドと無駄・・・。
それがこの組織の自然の摂理。この自然に抗うことの方が不自然なのかも?

変化を求めず、前例を踏襲するのは得意だが、時が経つと「なぜそれをやっているのか?」すら説明できずに前例を踏襲しつづける思考回路。そして、「明日も必ず平和な1日がやってくる来る」と思っている。

・・・ここでは私のやりたいことがやれそうもない。

自分にしか出来ないこと

1人で出来ることには限界があります。
だからこそ、組織で、チームで人の役に立ちつづけたい。
そう思っていたものの・・・
組織の仕事が全く役に立ってないわけではないですが、スピード、思考、信頼、自由度、視野などなどいろんな要素において制限を感じることが多くなりました。

やりたいことがやれない中でこのままもがき続けるか?
やりたいことを貪欲に求めるか?
やりたいことだけに注視して、人生の選択をしていいものか?

そんなモヤモヤを数年繰り返した結果、私は「やりたいこと」を選びました。
24時間の中で1番時間を取られている本業を捨て、やりたいことに時間を使うと決めて、今に至ります。

組織を離れて個人でやるなら、自分にしか出来ないことをしよう。スピード、思考、信頼、自由度、視野も、全部オンリーワンで組み立てて、人の役に立ちたい。
そう想って動いている今日この頃です。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?