「幸せは分けると増える!」写心家 藤木美貴子さん
いつも心を磨きながら美しいものを伝えたいと活動されている写心家 藤木美貴子さんにお話を伺いました。
藤木美貴子さんプロフィール
出身地:徳島県
活動地域:首都圏
現在の職業及び活動:花をメインに撮影する写心家。NPO法人チャレンジド・フェスティバル、ステップアップ塾、NPO Pakistan Japan Jasmine Associationにおいても活動中。
座右の銘:「思い邪無し」「歩々清風起」
記者:本日は、よろしくお願いします。
藤木美貴子さん(以下、藤木):よろしくお願いします。
世界中に花の力で幸せのタネをまきたい
Q.どのような夢やビジョンをお持ちですか?
藤木:私は今「写心家」として活動しています。心を写すと書きます。もともと花の写真を好きで、撮影した写真をfacebookに載せていたら、友人がもったいないと一眼レフカメラをくださいました。技術的には素人でわからないことも多いんですが皆さんに写真をお届けしたところ、雪国の方がほっとした、病気の人が元気もらったなど、全国津々浦々からたくさんの声をいただきました。
実は3年前に肺がんで亡くなった中学の同級生が花が好きだったんです。日ごろから花を贈りあっていたんですが、余命一年と宣告されてからは彼が外に出れなくなったため写真を撮って送っていました。癒される、励まされた、花は生きているからエネルギーがあるといった彼の言葉を聞いて写真はすごいと思ったんです。
花は人に寄り添ってくれます。写真を通して悲しいときは元気になり疲れているときには癒しになる。命の輝きそのものがあって宇宙の真理が見えてきますね。花びらも黄金比率で神様が作った美しさだと思います。花は自殺せずに一生懸命生きています。蜂が来ても蟻が来ても判断せず受け入れるなかに命の循環があります。
現代の皆さんは忙しいので花が咲いていることに気づかないんですよ。私の写真は自宅近くの門前仲町の写真が多いんですが、駅まで徒歩9分のところを30分くらいかけて歩きながら撮っています。そうすると足元の花に気づくんです。実は幸せって足元にある。ちょっとゆっくり歩くだけで気づく、ちょっと見上げるだけで気づくんです。
幸せって物をもつことではなく自分が感じることだと思うんです。気持ちの状態を幸せに保つことで何でも乗り越えられます。そしてそれを応援してくれる人が現れます。
大きな野望としては、世界中に花の力で幸せのタネをまきたいです。世界には紛争や難民問題など大変な地域がたくさんありますが、紛争を起こしている人に自分がやっていることの愚かさに気が付いてほしい。花にはその力があると思っています。
幸せは分けると増える!
Q.その夢を具現化するために、現在どのような活動をされていますか?
藤木:私の軸となっている考えは「幸せは分けると増える!」です。自分ができることで人が喜ぶのが嬉しいので、花の写真に限らず様々な活動をしています。
開催主旨に共感してチャレンジド・フェスティバルの写真撮影を担当しました。障がい者と健常者が一緒に舞台を作るイベントです。人も一生懸命に好きなことで舞台に立つと本当に輝いているんです。演じた方に写真を見せるとすごく喜んでくださいます。人の本当にきれいなところって作ってない自然な笑顔です。一生懸命生きている姿は花とまったく一緒なんですよ。
またステップアップ塾(家庭の事情で塾に通えない小・中学生を対象とした、個別指導型の「食事つき無料塾」)で50名分の食事担当もしています。協賛する企業が賞味期限間近のものを寄付してくださる仕組みです。
そして「キラキラ応援隊」も作っていて、この人を応援したい!という人を勝手に応援しています。私の元気のもとは人を応援することです。やったことがたまたま人のためになっていたというのが好きなんですよ。先に人に渡すと後から返ってくることを経験的にわかっているから先に渡せます。
記者:どんどん人のご縁がつながっているんですね。
藤木:本当に幸せが幸せを呼んで広がっていくんです。良いものを伝えたいと動いているから自然に結果はついてくると思っています。お金を儲けるためにと逆になってしまったらだめだと思っています。ビジネスでも同じですよね。
幸せが無限大になる方法に気づいた
Q.「幸せは分けると増える」と思われたきっかけは何ですか?そこにはどのような発見や出会いがありましたか?
藤木:高校生の3年間一人暮らしをしていたんですが、その間ずっと「幸せってなんだろう?」と考えていたんです。私は欲張りにも「誰よりも幸せになりたい!」と思ったんですよね。
哲学書を読んだり聖書を読んだり。ちゃんとした答えがほしいから長く続いているものはきっと答えがあるんじゃないかと思って読んでいました。
ずっと考えているうちに、ある時はっと気がついたんです、人の幸せも自分の幸せだと思ったら幸せが無限大になると。妬みの感情を持っていても幸せになれないから捨てちゃって喜びをシェアする、幸せの情報発信をすることが私の役目だと思うようになりました。
ずっと考えていたのと同時に、家には私ひとりなので、窓の外の柿の木に話しかけたり、鳥にこんにちはと話しかけたりしていました。自然に癒されて自然とともに生きることで寂しくなかったんです。
この3年間が本当に大きかったです。深く考える時間って普通は取れないと思うんですが十分に取れました。
また、大学では国文科で学び、卒業論文では宮沢賢治を題材にしました。テーマは「自己犠牲の幸福論」。宮沢賢治は「世界全体が幸せにならなうちは自分も幸せになれない」と言っていて、それは自己犠牲をして幸せになろうとしているのではないかと思ったからです。
宮沢賢治著「永訣の朝」の中で彼の妹さんが死ぬときに「今度生まれてくるときは自分のために苦しまないように生まれてくる」と言います。普通みんな自分のために苦しむのになんでこう言うんだろう?という疑問を解きたくて追求していったんです。
そのなかで自己犠牲も実は幸せのひとつの方法であることに気がつきました。実は看病だって喜んでやっている。あの言葉は、みんなが幸せになって欲しいという意味なんだとわかりました。
大学卒業後は、ご夫婦で政治家をされている先生の家に住み込みで4年間働いていました。そこでもまた目から鱗が落ちました。それまでの私は、働くこととは自分の生活のためにご飯を食べるためだと思っていたんです。
お2人の先生は、朝起きてから新聞を読んで世界情勢を見て日本のことをずっと考えていて、常に世のため人のためで本当にまじめな政治家だったんです。その様子を見て働くということは自分のできることで人の役に立つことだとわかったんです。
ある時先生が朝ごはんに焼きたてのパンが食べたいとおっしゃったんですよね。「はいわかりました!」と言って、すぐにパン教室に習いに行って一週間後に焼きたてのバターロールを出しました。先生は「お!!帝国ホテルのパンよりおいしいよ」とほめてくださいました。嬉しくて調子に乗って教室に通い詰めてパン屋さんのパンを全部焼けるようになりました。パンを人に教えられるまでになったんです。
記者:それはすごいですね!
藤木:結婚したあとにも主人に付いて渡米したときにも、友だちにパンを教えました。どんどん人が増えていって、しまいには大人数のパン教室になっていました。ほとんど無料で教えていたので、参加者のなかでケーキを教えられる人、パッチワークを教えられる人、トールペイント、かご網、キムチのつけ方、フラワーアレンジメントなどなど、あらゆることを交換で教えてもらいました。
ベースは「幸せを分けると増える」なんです。そこから広がっていくんです。この価値観をみんなに浸透させたいです!
記者:たくさんの出会いの中から藤木さんの生き方が培われたんですね。
藤木:それから、死ぬような思いをした人はみなさん生かされているという感覚をお持ちですよね。実は私も38歳の頃に死ぬ思いをしています。
ご近所の奥様のご主人が悪性リンパ腫になって、同時期にいとこが脳腫瘍になりました。この2人をどうしても死なせたくなくて、気功師やヒーラーになりたくなったんです。神通力を身につけるために集中していたら、体が毎日熱くなって自己断食状態になったんですよね。嗅覚が発達しすぎてしまって、街に出たら大変なことになって。そのうちに水が飲めなくなって息も苦しくなりました。
記者:それは大変でしたね。
藤木:はい、周りの人がおかしいと気付いてカウンセラーの人を紹介してくれたんです。そこで経緯を話したら、何も考えないでまず休んでくださいと言われました。
布団に入ったときに、当時2歳の娘が冷却シートを貼ってくれて、8歳の息子が自分の貯金箱を割ってイチゴを買ってきてくれたんです。そのときに「一体私は何をしているんだろう」と思いました。よその人を助けるために自分が死んじゃったら話しにならないよねって。
そう考えたときに、明日の命がどうなるかわからない人の気持ちがわかったんです。健康だったら普通に将来の計画を考えますが、常に死を意識している人がどんなに苦しくて不安か、それを超えて笑顔でいることはすごいと思いました。
そして、眠って起きたときには嗅覚が元に戻っていました。世の中がきらきらまぶしく見えて生かされていると思ったんです。食べなかったのは自分の意志だけど、心臓を動かしているのは自分の意志ではないと感じました。
記者:それは転機となるご経験ですね。ここまでお話を伺って、藤木さんは人から言われたことを素直に受け取られる姿が印象的です。何か心がけていることはありますか?
藤木:基本的に疑問符で受け取らないんです。人に何か言われたときにも「本当?」と聞き返すのではなく「ありがとう」と受け取ります。何でも人の話は信じます、私をだましても何の得にもならないし意味がないと思っているから。笑。
よく人が良すぎると利用されたり騙されたりするよって言われますが、私の価値観では役に立つことはあっても利用されるという感覚がないんですよ。仮に人から見たら利用されているように見えたとしても、それはそう見えた人の問題であって私の問題じゃない。私は役に立っているから幸せ、それでいいじゃないですか。
問題は誰の問題か?ということなんです。良かれと思って忠告してくれるけれど、それはその人の価値観。誰の問題かということを考えると悩みが少なくなりますね。私が選択するかどうかは自由だから、人をあまり嫌いにならないんです。
記者:すばらしいですね。その考え方の輪が広がったら本当に世界が平和になると思います!
藤木さん、本日はどうもありがとうございました。
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藤木美貴子さんに関する情報はこちら
facebook
https://www.facebook.com/profile.php?id=100004614408213
NPO Pakistan Japan Jasmine Associationでも活動中
https://www.facebook.com/npo.jasmine/
【編集後記】
インタビューを担当した竹内、稲垣です。底抜けの明るさとすべての人の幸せを祈る深い愛をお持ちの藤木さん。お話のなかでご自身で様々な方のご縁をつないだエピソードをたくさん伺うことができました。世界中が幸せになるようにという藤木さんの活動から未来の希望を感じました。貴重なお話をどうもありがとうございました!
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この記事はリライズ・ニュースマガジン”美しい時代を創る人達”にも掲載されています。
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