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憧れ

ねざめして聞かぬを聞きてかなしきは荒磯波のあかつきの声  藤原家隆

暦の上では今日から立冬ということで冬の短歌から。

「折々のうた」で大岡信さんは、
「隠岐へ流された後鳥羽院のもとへ、院を慕っていた家隆が送った歌の一首である。」と言われています。

現代では起きることを目覚めるというところ、この時代は、「ね(寝)ざめして」というようで、「早朝目が覚めた時、夢うつつの枕元には隠岐の荒波が響いているような気がした」と「折々のうた」の中で大岡信さんが解釈されています。

後鳥羽院を慕われていた家隆さんの人間の本質としての憧れを強く感じる素晴らしい歌だと詠ませていただきました。

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