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怖い話「おいでおいで」他2話 短編実話怪談

【あそこにいるよ】
私の物心がつく前にあった話

夜寝ていた母は真夜中に私に起こされたそうだ
ママ、起きて
ママ、起きて

どうしたの?と声をかけると
「おじさんがいる」

泥棒だと思った母はすぐに電気をつけて
どこにいるの?と私に聞いたら

部屋の隅を指差し
「あそこにいるよ」

と誰も居ない所を指差した

怖すぎてその日は寝れなかったと母は言っている


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【引っ張られた】
知り合いのかなり見える人のお話

夜、買い物を済ませ家に帰ろうとある程度の人通りがある道を運転していた
明かりもある橋を通り過ぎようとした時
見知らぬ手がヌッと出てきて右手を掴みそのまま下に引っ張られた


あわや事故になりそうだったようだが
なんとか持ち直し
大惨事には至らなかった
気がつくとその手はもう無かったという


その橋は以前高架下にて変死体が見つかった事があった場所である

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【おいでおいで】
これは中学生の頃、通っていた塾の先生から聞いた話。

当時、高校受験を控え、塾に通っていた私達は
怖い話が流行っており、
勉強の合間に、怖い話や、心霊スポットの話で盛り上がることが多かった。

私達の住んでいた場所は有名な心霊スポットが近く、
そこに行った友達の話や霊が見えると豪語する友達の話を聞き、
勉強のストレスを発散していた。

それを聞きつけた当時、大学生だった塾の先生が、
「俺も怖かった経験あるよ」と話はじめた。

ある日大学生の先生は、深夜、先生を含めた友達4名でドライブをしようと言うことになったそうだ。
怖いもの知らずの大学生だから勢いもあり、
近くの心霊スポットへ行こうと言う話になった。

そこは、廃病院で、良くない噂が流れている場所だったが、
有名ということもあり、肝試しの有名なスポットとなっているところだった。

先生はこういう怖い話は好きだけれども心霊スポットに行ったりなどはあまり好きではない方で
「あんまり、良くないんじゃない?」と同じ考えのもう一人の友達と進言したようだが、
面白がって取り合ってくれず、運転しているのは率先して行こうとしている友人ということもあり
廃病院へ行く流れになってしまった。

運転席と助手席に行く気満々の二人、
後部座席にあまり乗り気ではない先生とその友人の二人でその廃病院へ走り出した。

前の二人はワクワクした様子で、どのように回るか話していたが、
後部座席の二人は「嫌だよな、行きたくないなー」などとぼやき、ささやかな抵抗をしていたが地元の心霊スポットということですぐに近くまで来てししまった。

その廃病院は大通り沿いにあり、遠くからでも見える位置にある。
心霊スポットも近くなり遠目で見え始め
運転席の友人が、そろそろつくぞーと声をかけた時、
先生と同じく拒否をした後部座席の友人が「行きたくない」、と先程より強く抵抗した。

先生はその頃には半ばやけくそになり、
「どうした?もうすぐそこだし、嫌だけど行くだけ行こうよ」と声をかけたが、
下をうつむいたまま。
「止まらないで。そのまま通り過ぎて!!」と友人が声を荒げた。

普段そこまで強く発言しない方だったようなので、乗り気だった友人達も驚き、一回離れようか
ということになり、近くのコンビニに車を止め、
どうしたんだ?と聞いたところ

声を荒げた友人がうつむいたまま
「遠目に見えた時はまだ俺も行こうと考えていたけど、
割れたりしていたけど、窓、有ったよな?」

あったけど何もなかったぞと言うと


「見える窓全部から俺らに向かってたくさんの手が手招きしてたんだよ」


今思うと、行かなくて正解だったかもな
と先生は締めくくった。

今、その廃病院は取り壊され、
公園が出来ましたが、怪我などが相次いでいるそうだ。


文責 Naru

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