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4年ぶりの海外旅行を取りやめた。

80歳近い母が怪我をして1ヶ月。料理をしに行ったり何なりで、こちらもまあまあ巻き込まれているが、そんな生活にも慣れつつある。

夏から秋は仕事が忙しいシーズンでもある。そんな中、どうしてもコロナ以来の海外旅行がしたかった。春からスケジュールをブロックし、ツアーの申し込みもしてあった。が、20%のキャンセル料を払い、キャンセルした。本当なら、今週は、4年ぶりの海外一人旅を満喫しているはずだった。

迷わなかったわけじゃない。でも、それよりも「今はこっち」と自分の勘が働いた。結果、旅行を諦めて正解だった。行っていたら、きっと私の身体も心もバテてしまっただろう。まあ、フリーランスの身分だ。その気になればまた行ける。

母を見ていて思う事は色々ある。人間はやっぱり歳を取るんだなぁ、という事。そして、人間はあきらめの悪い生き物なんだなぁ、という事。

数ヶ月安静にしていれば良くなると医師から言われているのに、それでは体力が落ちると言って、やたらと家の家事をやりたがる母。料理するのは私なのに、台所を効率よく使えるようにと、私が行く度に、調味料のレイアウトが整えられたりしている。無理して怪我が治らず動けなくなったら意味ないよ、と私がやんわり諭すと、「そうよね」とその場では納得するのだが、その30分後には、忘れてしまうようだ。

母のそういう性質は、実は私にもしっかり引き継がれている。母とは違うレベル感とは言うものの、日々少しずつ老いを感じるアラフィーは、週3でジムへ通い、食事を節制し、美容に良いというシリカ水を飲む。

仕事が体力を伴う事もあるが、本音を言えば、いつまでも若くいたいのだ。それは、なかなか諦められない。

今日は、仕事も休みで、自分のために久々にのんびり時間を過ごそうと、読みたかった本を携えて、午前中家を出た。今日は暑いと聞いたので、日傘を持って。

外へ出ると秋の涼しさだったが、日差しは少しあったので日傘をさす。日焼け防止のためだ。ここ2年くらい、顔のシミが気になっていて、今年初めて皮膚科でレーザー治療した。

ふと、通りを見たら日傘をさしている人は結構いる。ベビーカーを押す若い女性。そして母より少し若いと見える70歳くらいの女性。あれは、熱中症対策なんだろうか。

いや、きっと、美容のためだと思う。

そうだよな、いくつになったって、きれいでいたいんだよ。人は諦められないんだよ。
母親になったらそれどころじゃない、とか。おばさんになったら見た目は気にしない、とか。後期高齢者になったら身体の不自由があって当たり前、とか。確かに少しずつ、受け入れていくんだけど、皆、それぞれの葛藤があって。仕方なく諦めて、受け入れていく。でも、本音は皆、諦めたくないんだ。あがくんだ。

だから、母の気持ちにちゃんと寄り添おう、って、あらためて思った。出来る事を一緒にしよう。話を聴こう。最近、車の運転を控えている義理の母とも、もう少し一緒の時間を過ごしたいな。


あぁ、旅行やめて本当に良かったじゃないか。
その分ちゃんとお金プールして、来年こそ。この際予算増やして、ヨーロッパかなぁ。


とりのこ

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