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美代子阿佐ヶ谷気分

好きな映画のひとつに『美代子阿佐ヶ谷気分』がある。
これは、かつて存在した漫画雑誌「ガロ」で発表された安倍慎一の作品を原作とした映画で、安倍と後に妻となる恋人・美代子を描いた作品である。

“阿佐ヶ谷の彼の部屋であたし、平和よ”

愛ゆえの狂気、それを受け入れる美代子の果てのない愛に溺れる様が描かれており、実体のないはずの“愛”のかたちを見せつけられたような気がした。
狂っている、と思いながらもなんだか心の奥の一番柔らかいところを掴まれるような、そんな映画だった。
かくいう私もかの地で愛のある生活をしていた時期があり、美代子に自分自身を重ねたのかもしれない。
私は、愛せていただろうか?

主題歌はスパルタローカルズの『水のようだ』。ボーカルとベースは兄弟で安倍慎一の子息。この曲にもぐっと心を掴まれた。
https://youtu.be/seoADdtvSwU

愛に溺れてしまいたくなる、そんな作品。

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