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大阪と京都で巡ってきた美術館・博物館の覚書:前編【きまま日記25】

こんにちは、にしうらです。
今回は10月末の大阪、京都旅で巡ってきた美術館・博物館の企画展、常設展の感想まとめの前編です。

どこも素敵な場所だったので、本当は一館につき一記事使ってつらつらと感想を書きたいところなんですけど、そのペースで書いていたら11月末までかかりそうなので、涙を飲んで無理やり2回にまとめました。本当は1回にまとめたかったんですが、1日目の時点でまた2000文字オーバーしたので分けました…。
1日目に回ったのは京都のアサヒグループ大山崎山荘美術館京都文化博物館の2つです。お付き合いいただければ幸いです。



アサヒグループ大山崎山荘美術館

実業家・加賀正太郎によって建てられた大山崎山荘

大山崎山荘は、昭和初期に実業家の加賀正太郎が別荘として自ら設計した英国風建築です。ここはその山荘を本館とし、安藤忠雄設計による新館(1995年竣工)からなる美術館。
天王山の南麓にあるので、美術品の展示とともに美しい景色も楽しめる場所です。

モネの『睡蓮』を複数所蔵している事で有名なので、機会があれば一度行ってみたいな〜と思っていた美術館でした。
大阪旅の初日朝に到着した伊丹空港から、電車に乗って一時間弱で美術館最寄りの大山崎駅へ。駅前から出ている無料送迎バスに乗って10分ほどで美術館に到着しました。

舩木倭帆展

企画展は吹きガラス作家の舩木倭帆(ふなきしずほ)のガラス工芸作品の展示。工芸作品の展覧会はあまり見ないので新鮮で面白かったです。

こちらは美術館内で唯一撮影可能な展示室・山手館「夢の箱」での展示の様子。(本館の方は内部撮影不可・テラスのみ撮影可能でした)

花瓶、グラスなど生活の中で使われるガラス作品が並んでいる。
独特な模様は舩木が考案した「垂描紋」というもの。
ガラスが熱いうちに垂らすようにして紋様を描く。

照明の光を通して下の展示台に映る垂描紋がまた美しい。ガラスの器ならではの展示だな、と感じました。

『受贈記念:没後10年 舩木倭帆展』の会期は2023年12月3日(日)まで。


地中館「地中の宝石箱」

こちらも本館と同じく写真撮影は不可の展示室。ここはこの美術館が所蔵しているモネの睡蓮の連作や、絵画などが常設展示されています。
本館を出てコンクリート打ちっ放しの通路を歩き、長い階段を降りるとその先に地中に作られた円形の展示室があります。

自分が行った時に展示されていたのはモネの『睡蓮』が2点、『アイリス』『エトルタの朝』(1883)、シニャックの『ベネツィア』(1908)にアルベール・マルケの『アルジェの港』(1940)と全て水辺の風景を描いた6点でした。

ちょうど人が途切れたタイミングで展示室に行けたので、ひんやりとした涼しい展示室の中で、モネたちが描いた水辺の風景をゆっくり眺めることができました。いい時間だった。


喫茶室

大山崎山荘の本館の2階には、テラスからの眺望を楽しみつつお茶が飲める喫茶室もあります。
自分は旅先では一つでも多く展示を見たいのでカフェに寄る事はめったにないのですが、せっかく素晴らしい景色も楽しめる美術館に来たので、たまには寄ってみることに。

テラスからの眺め。お天気に恵まれてよかった。
舩木が好んで作品にあしらった「リーフ文」をモチーフにした
抹茶とホワイトチョコレートのケーキ

注文したのは企画展の展示に合わせたケーキセット。セットの飲み物にワインが入っているのが珍しくてつい白ワインを注文してしまいました…。

明るい時間に飲む酒は格別にうまい。
生きている喜びを感じる。

本館のテラスから撮った写真。紅葉の季節には早かったけど、青い葉も美しかった。

大山崎山荘、建物も素敵だし展示内容も良くて、関西へ行った時はまた立ち寄りたいと思う美術館でした。

本館を出た後は庭園を少し散歩してから徒歩で大山崎駅へ。この後は電車で京都の方へ移動。


京都文化博物館(京都)

京都の歴史と文化をわかりやすく紹介する総合的な文化施設。
新風館にあるトラベラーズファクトリー京都をお目当に烏丸駅へきたところすぐ近くにあったこの文化博物館で開催中の企画展が面白そうだったので、立ち寄ってみました。

もしも猫展(京都文化博物館4・3階展示室)

展示室入口の看板

猫を擬人化したり、役者を猫にした作品を多々描いた江戸時代の浮世絵師・歌川国芳。彼の作品と、他の浮世絵師による猫の擬人化作品を主軸に据えながら、日本の様々な擬人化表現を見ていく展覧会。

「昔の漫画みたいで面白そう!」と思って行ったら、予想以上に漫画表現と共通するものが多々あって大変面白かったです。

月岡芳年の浮世絵

これは人の心の「善玉」と「悪玉」を擬人化した浮世絵。
漫画で「天使(良心)」と「悪魔(悪い心)」に挟まれて葛藤したり、そそのかされる表現と似てる。

歌川芳豊?

こちらは内臓の機能を擬人化した浮世絵。
「『はたらく細胞』ならぬ『はたらく内臓』だな…」と一人考えてふふっと笑ってました(暗い)。


擬人化猫の浮世絵もたくさんあって、見ていて楽しい展示でした。
一部の作品を除いて写真撮影が可能なのも嬉しい。

歌川国芳のラフ。ラフの時点で上手い。
上のラフの完成図

『もしも猫展』の会期は2023年11月12日(日)までです。


本館の展示(3、4階の企画展と2階の常設展)を見終わった後は、隣接している別館へ向かいます。


転生する超絶技巧-大塚オーミ陶業の芸術展(別館)

こちらが別館。もともとは明治39年(1906)に竣工した日本銀行京都支店の建物だったそうです。

入口のポスター

中では大塚国際美術館の陶板名画を制作している大塚オーミ陶業株式会社の創業50周年記念展「転生する超絶技巧 大塚オーミ陶業の芸術」が開催されていました。入場無料。

モネの睡蓮の陶板名画

展示してある作品は全て陶板なので、見る以外に触って楽しむこともできました。大塚国際美術館はまだ行ってないので、陶板作品に触れるのは初めてでした。見て触って体験できるというのは面白いなあ。

製作中の陶板を置いておく台

陶板の製作工程の紹介もあって、そちらも興味深かったです。

別館の天井。装飾が見事。

展示も面白かったのですが、展示物のサイズや展示台、壁などがかなり大きくて、別館の建物の内装がきちんと見れなかったのがちょっと残念。
また京都来た時に立ち寄りたいです。


おまけ

博物館のあとに立ち寄った「たつみ」のどて煮とビール。
国内旅行だと一人でふらっと気軽に飲めていいな〜。お酒大好きなんですけど、あまり強くないので海外旅ではほとんど飲まないんですよね。

おいしかった


おわり

…ということで、今回は京都で巡った美術館、博物館の紹介でした。
時間があれば京セラ美術館京都国立近代美術館京都国立博物館とかも行きたかった…。次回は大阪で行ってきた国立民族学博物館大阪中之島美術館の感想を書く予定です。

それでは、また来週のきまま日記で。
(もしかしたら来週水曜の前に一回くらい更新あるかも)

2023.11.02

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