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上達するための思考法#1 [バスケの練習を変える]

−試合で勝ちたい。得点したい。スタメンになりたい−
−そのために練習していても思うように上手くならない−

多くの人が上記の悩みを抱えていると思います。
そして、この悩みを放置したまま何となく練習を続けてしまっている人も
少なくないと思います。

私はその原因を「上達のステップを言語化し、分かりやすく伝えられる指導者が少ないから」だと考えています。
また、それに伴って「自身が自らのコーチとなれるプレイヤーが育っていかないから」とも考えています。

よって、本連載では解決の切り口となる考え方やヒントを提供し、指導者とプレイヤーが変わるきっかけとなることを目指します。

私の信念は「才能は開花させるもの、センスは磨くもの」です。
正しく知識をつければ思考は変わり、
行動が変わり、習慣が変わり、結果が変わる、
そう信じています。

「才能の開花のチャンスを掴むのは今日かもしれない」
「もしくは明日か、明後日か、来年か、30歳になってからかもな。
 体格ばかりはなんともいえないけれど、無いと思ってたら一生ないんだ」

及川透 (ハイキュー!!)



なぜ上手くならないのか?

まず、上手くならないと悩む人が陥りがちなケースを考えていきます。
以下のTweetをご覧ください。

これはスクリーンプレーのチーム練習でしたが、個人練習においてもあるあるですよね。
例えば、シューティングの際に力強くミートせず、自分の居心地の良いタイミングでゆっくり打つ。
シュートタッチを確認するための練習としてはOKかもしれませんが、それだけでは試合で活用できるシュートの練習にはなりません。

では、どうして上記のように練習してしまうのでしょうか?

ズバリそれは「明確な意図を持っていない」から。
個人差はあるものの、多くの場合はこれが原因だと私は考えています。


”もっと上手くなりたい” ”同級生のライバルに1on1で勝ちたい” ”憧れの選手のように活躍したい” といったイメージは持っている人が大半だと思います。
しかし、「明確な意図」を具体的に設定できないまま練習をしていては、上達速度は遅く、かつ、上達の実感も得にくいのです。

RPGで例えてみましょう。意図がある練習は「ボス戦に向けた戦略を考え、ボスの弱点の武器を集めながらレベル上げをしている状況」です。
一方、意図がない練習は「ボスになぜ負けたかを考えず、とりあえずレベル上げをしている状況」です。
どちらも実力は上がっていきますし、むしろ後者の方がレベルは高くなるかもしれませんが、前者の方が早くボスを倒せますよね。

つまり、意図を持って練習していると早く次のステージに向かえるわけです。
練習を一生懸命しているにも関わらず、いつまで経っても同じステージにいる状況は避けたいですよね。

まとめると、「まずは意図をハッキリさせましょう」ということです。
次章、意図の決め方を含め、上達するためのステップを考えていくことにします。

上達するためのステップ 〜課題解決思考〜

本連載では5ステップで考えていくことにします。

  1. 上達のイメージを具体的な場面に変換する

  2. 現状を観察して壁を見つける

  3. 習得するべきプレーを明確にする

  4. 練習方法を組み立て実行する

  5. 練習後を評価する

これは「ロジカル・シンキング」や「課題解決思考」といった世の中で普遍的に扱われている考え方(※)をスポーツ版にアレンジしています。

※ちなみに基本となる考え方は"問題解決 −あらゆる課題を突破する ビジネスパーソン必須の仕事術”を参考にしています。名著です。大学生〜社会人なりたての方にオススメです。


ここでは大まかな流れだけを掴んでおきましょう。
各ステップの詳細は次回ご紹介していきます。
まずは慣れるためのイメトレとして、以下の1〜5の問いについて考えてみてください。

  1. 「上達した状態ではどんな動きが出来るようになっていたいか?」

  2. 「現時点では何が起こっているのか?どの動きが邪魔しているのか?」

  3. 「改善するために新しく習得する動きは何か?」

  4. 「習得するために身につける習慣、失くす癖は何か?」

  5. 「動作の習得度合いはどのくらい高まったか?新たな障壁は何か?」

この思考もトレーニングであり、初めから上手くはいきません。
まずは、他者の力も借りながら、意識的に1〜5のステップを繰り返していくことで、自然とスムーズに考えられるようになっていきます。
(効果的な力の借り方についても次回ご紹介します。)

指導者の目線で見てみる

上記のステップが身についていくと、どんなメリットがあるでしょうか。

  • 上達の感覚が明瞭になり、バスケットが楽しくなる。練習のモチベーションが高まる。

  • プレイヤーが主体的に考え、課題を自らで設定し、工夫して練習に取り組むようになる。

  • 大切なスキルの1つである言語化能力が高まり、チーム内でのコミュニケーションが円滑になる。

  • 成果を上げるために自分で考え行動する習慣が形成される。

これらはスポーツを通じて得られる人間的成長です。プレイヤー・指導者どちらにとっても大きな財産です。


そして、指導者にとって「プレイヤーが課題解決思考をして、主体的に取り組みを決められる」ことが1つの重要局面であり、そのための伴走者となることが指導者の大切な役割だと考えています。

今後、伴走者としての問いかけ・フィードバックなどのスキルについても考察していく予定です。ご興味ある方はぜひお付き合いください。

まとめ

 ❶練習しても上手くならないのは、目的地が定まっていないから。
 ❷上達するには課題解決思考の5ステップを繰り返す。

次回は各ステップの手順やポイントを具体的にご紹介しながら、
上達について思考を巡らせていきたいと思います。


最後に、ここまで読んでくださり本当にありがとうございます!

もし面白いと思っていただけましたら「スキ」を是非お願いいたします。
また、共感された部分、分かりにくい点がありましたらコメントしていただけると大変嬉しいです。
反応が多いと活動の励みになります。

★★★考察予定の内容★★★

  • バスケットボールで勝つには?

  • 指導者の役割を考える

  • ジャンプシュート編

  • ドライブ編

  • メンタル編

  • ディフェンス編

  • フィジカル編

  • チームビルディング編

  • 試合中の動き方を組み立てる


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