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「全部自分でやりたい」から「複数人で物事をすすめる」を理解しようとする話

どうせつくるなら理想のものを作りたい。
自分のできることを広げたい。
そのために必要な技術や知識は自分で勉強しながら試行錯誤する。

これは学生時代の自分のスタンスで、最近までこのスタンスが仕事にも若干影響していました。
例えば学生時代に「できないからやらない」と発言している同期がいて理解できなかったり、社会人になってからは「実装されたインタラクションがデザインしていた想定の挙動じゃないからぼくが実装し直します」と実装に関与したりしていました。

幅広いスキルを習得して柔軟な動きができるように見えて、これには限界がある限られた動き方であることも理解していました。
一人が使える時間は同じ24時間、労働時間となればもっと少ない。
さらに言えば、普段の生活から体力も限られていることを嫌でも自覚させられる。
しかし、どうせつくるなら理想のものを作りたい。
矛盾していることは理解していて、でもそれに折り合いをつけられていませんでした。

そんなわけで、個人開発するにあたってはデザイン、フロントエンドエンジニアリング、サーバーサイドエンジニアリング、インフラエンジニアリングなどを独学で学んでいました。

結果的に新しい技術を色々触ってみたり、デザインの前に軽くプロトタイプとして動くもの実装してみてデザインにすすめるか止めるかを判断してみたり、インフラが辛くなってHerokuやNetlifyみたいな自動でいろいろやってくれるツールを導入してみたり、どうにかサービスとして公開して自分や一部の友人間で使ってみたりしてその経験を仕事に活かせるようになりました。
しかし、会社でプロジェクトを進めていると個人開発とチームでの開発では嫌でもアウトプットの量の差を感じるようになります。

そんな中、最近仕事の中でチームで物事をすすめることの速さを体感する体験をしました。
プロジェクトを進めるため、社内で運用しているプロジェクトの使用技術・リポジトリの在り処・スクリーンショットを集めた表を作成するというタスクが発生しました。
自分一人でも作業できる内容だけど、とにかく早く用意したい。
でも一人じゃ速さに限界がある。

デザイン部の上ノ郷谷さんが「全部一人でやらなくてもいいんだよ」とアドバイスをくれたため、他の人を巻き込んで進めようと考えました。
これまでの自分であれば他の人を巻き込むためのコミュニケーションに躊躇するところでしたが、連絡を躊躇してしまう自分を治す2つの質問をそのまま依頼に躊躇しそうな自分に問いかけてできるかぎり躊躇せず動くよう意識を切り替えました。
かんたんに要約すると、自分のためではなくチームや組織のために必要だから依頼するという考え方で依頼することを判断しました。

社内全員にえいやと投げるより限られたメンバーに投げたほうが自分ごととして受け止めて貰えそうなので、自分が声をかけやすいメンバーに依頼するところからはじめました。

というわけで、とりあえず頼みやすいデザイン部のメンバーに次の依頼を投げました。

プロジェクトをすすめるため、社内のプロジェクトの情報を収集しています。
この表にあるプロジェクトを確認して、自分が担当しているプロジェクトがあったらそのプロジェクトのスクリーンショットを例に従って貼ってください。

さらに、同期のエンジニアにも同様に依頼を投げました。

プロジェクトをすすめるため、社内のプロジェクトの情報を収集しています。
この表にあるプロジェクトを確認して、自分が担当しているプロジェクトがあったらそのプロジェクトの使用技術(メインフレームワーク)とGitHubのリポジトリページへのリンクを例に従って貼ってください。
もし自分が担当していなくて担当者を知っているプロジェクトがあったらその人に上の依頼をおねがいします。

結果、翌日には表が完成してました。
ぼくは自分が担当していて使用技術を把握しているものだけを入力して、あとは社内のメンバーに依頼しただけです。
自分一人では絶対にできなかった速度と制度の高いアウトプットが、複数人で協力して進めた結果実現したという体験です。


これまで、一人で全部やることは自分の可能性を広げること、ひいては成長と自分の価値の向上につながると考えていろいろなことを一人で全部やろうとしてきました。
しかし、今回の体験で一人の活動リソースの限界と複数人で物事をすすめるスピード感を経験して、これをうまく活かしながら自分の伸ばしたいスキルを集中して伸ばせるようになると楽しそうだと思えるようになりました。

しかし、積極的に複数人で物事をすすめるためには冒頭の自分が大事にしようとしてきたスタンスの考え方を変える必要があります。

どうせつくるなら理想のものを作りたい。
自分のできることを広げたい。

再記

どうせつくるなら理想のものを作りたい。
この考えを改めるのはそんなに難しくありませんでした。
「理想とは誰にとっての理想か?」
ぼくは自分の目標として「ユーザーにとってのわかりやすさ」を大切にすると決めています。
ユーザーにとってのわかりやすさのための理想を考えるにしてはぼく一人の視点では明らかに知見も視点も不足しています。
デザインレビューや相談などを通じて他の人を頼りながら検討することが有効だし、他の人にデザインを依頼することも自分にない視点からアプローチできて面白そうです。

自分のできることを広げたい。
こちらは複数人で物事をすすめることと真逆の考え方とも捉えられましたが、よく考えると更に選択肢が広がることだとわかりました。
複数人で物事をすすめるということは他の誰かに作業を依頼することであって、同時に自分のやらないことを決めるということでもあります。
自分の成長を自分の意志でコントロールして、積極的に取捨選択するということです。
すなわち、自分のできることを広げるのか、できることを深堀りするのかをコントロールすることになります。
そう思うと、自分ひとりで全部やることはそのコントロールを放棄していることとも捉え直せそうです。


現時点でのぼくの「複数人で物事をすすめる」ことへの理解は以下のように落ち着きました。

  • うまくやれば組織としてのアウトプットを加速させる

  • 自分の成長をよりコントロールできるようにする

    • その分自分の成長を自分で管理しなければならない

問題はこれまで基本一人で色々やろうとしてきた影響で「複数人で物事をすすめる」ために「うまくやる」方法をろくに知らないことです。

これからの一年はそれを学ぶことを意識して活動してみようと思います。


読んでくださりありがとうございました。

Da Vinci Studio ではなにやら積極採用中のようなので、興味がある方はぜひ見てみてください。

またデザイン部のNoteマガジンもよろしくおねがいします!

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