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恋を落とした、時の話。

恋とやらを、落とした。

失ってしまうのはなんだかかわいそうなので、
落とした、くらいにしておく。

一方的に渡してしまった
パンパンに空気の入った風船が、
虚しく宙を舞うように見えた。

そんな、少し昔の話。

あと一歩のところで、両想いだった。
いや、既に両想いだと思っていた。

涙が乾いた頬に触れ、
うまく笑えないそんな自分を見て、
久しぶりに恋というものをしていたのだな
と気づかされた。

何とも後味の悪い失恋エピソードを
自分を棚に上げて未練たらたら、つらつらと残したいわけではない。

なんとなく、考え、感じることがあったから、
残しておきたいと思った。

前向きに。

大したことではない。
でも大したことでなくていいと思っている。

その、なんとなく考えたことというのは

1つ目は、相手への期待について。

相手のことを考えずに、勝手に期待を高めすぎた。

サボテンに水を与えすぎた。
まさか枯れるなんて思わなかった。

そんな感じ。

加減が必要だったのだと思う。

物事は何でもそうだ。
加減が大事なのだ。
ちょうどよさのラインがある。

過度な期待は禁物なのだ。

期待をしすぎないというのは、
結局自分を守るためだけの術であるが、
些細なことで感情の起伏が生まれなくてすむ。

悩み事なんて、後々振り返ったとき、
大したことないものばかりなのだから(私はそう思っている)
時間がもったいない。

自分が楽しめるように、
自分のために、生きようではないか。

2つ目は、相手を責めることについて。

その相手の成功を願えるほど、私は人間ができていなかった。
ただ、失敗してほしいとも思わなかった。

相手を僻み、妬み、責める

自分の人生における“ただの通行人”ほどの人に、自分の心が腐ってしまうのはもったいない。

世の中には、理不尽なことが溢れかえっている。

納得いかないこと、腹立たしく思うこと、
それを飲み込めと言っているわけではない。

発散するのは大事だし、愚痴をこぼしてもいいと思っている。

自分の心が腐るのだけがもったいない
ただそれだけ。

そんな生き方はしたくない。


それからというもの、
思いのほかあっさり立ち直った。

自分の立ち直りの早さに驚き、
周りの人たちの励ましに感謝し、

そんな1か月だった。


ただ、あれはあれで、
自分でも追いつかないほどの感情が溢れかえっていて、生きている心地がした。

思い返すと、悪くはない。

きっと人生ってそんなもんだ。



otete

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