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言葉の企画から、’わたし’を発酵させよう

企画でメシを食っていく2021、はじまりました!

言葉と向き合いたいな、憧れの人と仕事をするという選択肢を自分も持ちたいな、と希望を込めて応募した企画メシ2021。尊敬するコピーライターの阿部広太郎さんから約束したい人として届いた紙飛行機。私はあなたと、企画生のあなたと「いつか仕事で再会するため」に企てていく。この半年間、そしてその先も、人生を味わうだけでなく、愉しみを生み出していきたい。

このnoteでは、2021年6月26日に行われた第1回『言葉の企画』を経て、頭を巡らせた学びを自分にたぐり寄せるために記していきます。自分の想いや学びを分解して、 ’わたし’ を熟成させる過程として。自分への手紙でもあり、あなたへの手紙ともなれば嬉しいです。

1. あなたに宛てたラブレター

企画メシとの出会いは、阿部広太郎さんの著書『コピーライターじゃなくても知っておきたい 心をつかむ超言葉術』。中目黒にある蔦屋書店で手にとり、冒頭の「I LOVE YOU」の訳し方を読んでから、もう心をつかまれて離すことが出来なかった本。レジへ直行し、駅前で信号を待ちながら「夏目漱石は‘月が綺麗ですね。’と訳したが、今の自分だったら何と訳すだろうか?」と考えを巡らせた時間を今でも愛おしく覚えています。緊急事態宣言で家にこもり、独りで物思いにふける時間の多かった2020年に、誰かと一緒に話したいなと前向きになる話題を、連絡をする勇気を贈ってもらったように思います。

その本の中で度々出てくる「企画メシ」は、阿部広太郎さんが主宰する連続講座のことで、企画生と呼ばれる人たちが自分と向き合い、相手に伝わるように考える場なのかなという印象。日々考えることから距離を置いていた自分にとって、圧倒的な魅力のある場で、もし自分にも機会があれば参加したいなと思っていました。それから2021年となり、今年も開催されることが決まってエントリーを決めた次第です。

1–1. エントリーでちょっと強くなれた

エントリーするときに8つ質問があり、自分なりに読み手の目線を考えて自分の想いや人柄が伝わるように書きました。今読むと恥ずかしいけれど、心が弱ったときに見返して整うことができるよう、ここに載せようと思います。(恥じらいなんて捨ててしまえ!)

①なぜ企画メシ2021に参加するのか。
いつか仕事で再会するための連続講座。煌びやかな文言をまるっと鵜呑みにする自分を信じたいから、私は「企画メシ2021」に参加します。怒涛の2020年から、’進年’として迎えた2021年。進むどころか足踏みもままならない状況下で、自分と仕事と向き合う時間が増えてきました。専門職として現場で目の前にいる人に働きかけるのは、やりがいもあり楽しい。それでも正直、面白いことを生み出す企画者に対して圧倒的嫉妬心があるのです。互いの魅力を掛け算して仕事を生み出す人に、自分は程遠いと勝手に決めつけていたのだと思います。憧れの阿部広太郎さんとだって一緒に仕事できるかもしれない。そんな魅惑的な選択肢を自分も持てると知ってしまったら、むしろ企画メシに呼ばれているとしか思えません。あらゆる分野で活躍される方の近くで企画する力を学び、素晴らしいコミュニティーの中で深められることを愉しみ尽くしたいです。

②どんな企画をする人になりたいですか?
人生を愉しむパワーが欲しくなった時に、自分の、そして誰かのスパイスになる企画をする人になりたいです。「スパイス」とはつまり、味わいを変えること。私は私のままで、貴方は貴方のままで、日々は日々のままでいいはず。それでも企画を通して、いつもと違う視点からモノコトと向き合うことで、人生をもっと深く味わい、新たな刺激に出会えるようになると嬉しいです。例えば、各々好きなモノを持ち寄ろうと誘った終電までの’ナイト’ピクニック。気になる彼と電話を繋いだ’オンライン’同時上映会。ほんのひと振りのスパイスを加えた企画で、今を動かし幸せに繋いでいきたいです。

③‐1 プレイベントはどの回に参加しましたか?
05/27

③‐2 プレイベントに参加してみていかがでしたか?
みんなの仲間になりたい。そう想いすぎてしまうプレイベントでした。企画生の方々の全身から表現されるコミュニティーや課題への熱量がずっしりと伝わり、大きな贈り物をもらったようなときめきを感じました。自己紹介のときは、「自分の'好き'と向き合ってきた時間が足りないんじゃないかな」と阿部広太郎さんの言葉を受け取ったと話されていた前川さんが、イベントの締めには自分の'好き'を多方向に広げて意気揚々に話していて、その姿がまさに好転している人の高揚感を帯びていて感動しました。

④まわりの人があなたを頼る時、それはどんな時ですか?
「駅はどこにありますか。」私の少し垂れた眉毛と目尻に刻まれた皺が、声のかけやすさを体現しているのかもしれません。「看護師さん、いつもありがとう。」病院という大きな箱の中で、患者さんがいつでもずっしりと依りかかれるソファのような存在でありたいものです。「おすすめの場所を教えて。」皆んなに味わってほしい、中国四千年の焼飯。一先ず話してほしい、高台のお寺に佇む高祖。息を呑むように見てほしい、夕陽に照らされたインレー湖に浮かぶトマト畑。耳を澄ませてほしい、街に響き渡る祈りの声。お寺と教会で暮らし、その地を歩いて旅をしてきたからこそ、世界をもっと味わえるお手伝いをしたいです。「さいみ。」名前を呼んで、抱きしめるだけで互いに元気が出ることがあります。そこにいるだけでいい、という事実を共有できる仲間や家族がいることは心強いです。

⑤あなたがいちばん勇気を出した時、それはどんな時ですか?
憧れに近づくと決めた時。中学生の頃、『情熱大陸』で特集されていた国際医療団体の姿に感銘を受けました。ミャンマーという地で子供の手を握り続ける看護師の姿は、あまりにも無垢で強い優しさに包まれていて、私もそんな大人になりたいと思ったものです。一人旅もアルバイトもしたことはなかったけれど、「テレビで観たそこに行こう」と決めた時、私はいちばん勇気を出したのだと思います。行くまでのお金の貯め方や交通手段、手続きは調べたら得られるけれど、やはり自分で憧れに近づくと決めたことが、その後の道を開いたと感じます。この企画メシも、勇気を出して憧れに近づくと決めたもの。想いが届くように祈っています。

⑥全8回の講座です。すべての講座に参加できますか?
すべての講座に参加できます。プレイベントから全8回の講座を超えて、その後も企画することを愉しんで行きます。


2. 第1回『言葉の企画』 自分の広告をつくる

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【課題】『言葉の企画』
自分の広告をつくってください。
※このお題をどう解釈するかはあなたに任せます。
※あなたの納得のいく「1案」でお願いします。
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企画メシ第1回『言葉の企画』の課題は、自分の広告をつくること。これから出会う企画生との関係の入口をつくるために、自分をどう伝えたらいいのか考えて、迷走して、阿部さんの本を読んで、考えて、散歩して、迷走して、瞑想した。ここでは、【広告→心の中を覗いてもらう手段】と定義付け。

2–1. 「自分は何を伝えたいか」 いくつか向き合ってみた

▼名前の由来
出産予定日7月16日(なないろ)にちなんで名付けられた「彩」は、明るさと思いやりで周りに彩りを与えられる人になりますように。中身がぎゅっと詰まった「実」は、笑顔の花が咲いて実りある人生になりますように。そうして名付けられた「彩実」が私はとても好きです。これを「さいみ」と読むのは、ありそうでない響きが可愛かったからだそう。

名前の由来を話すとき、ちょっと泣きそうになるのは、両親の祈りを感じて自分がここに在ることに感動するから。この話をするとき、いつも決まって「本当は ’ 虹 ’ って名前にしようかと思っていたんだよ。よかったね、彩実で。」と笑うふたりの姿も思い出すから。きっと私は、虹と名付けられても、激しい雨に降られたあとに架かる虹のように、希望を生み出す人でありたいと願う。

▼仕事:何で食っているのか
私は、大学病院の脳神経内科で働いています。有名な疾患と言えば、ALSや脳梗塞、パーキンソン病など。脳や脊髄、神経、筋肉の病気をみる内科で、体を動かしたり感じたりする事や、考えたり覚えたりすることが上手にできなくなる疾患が多い診療科です。普段当たり前のように食事をしたり、トイレに行ったり、誰かと会話を楽しんだり、そういった「生活すること」に困難さを伴う方のケアをしています。治療の補助はもちろん、動けない方の手足となり、声にならない想いを聴く仕事です。

▼企画メシへの想い
いつか仕事で再会するために企画メシに参加したいという思いがあります。
(詳しくは、エントリーの質問①を参照)


2−2. 「自分の広告」 わたしの答え

向き合った結果、「わたしが企画生のあなたに伝えたいこと」として出した答えがこちらです☟(恥じらいなんて捨ててしまえ!)


企画メシ自分の広告

えっ………? となる自分もいますが、81名の企画生がいる中で、短く強くシンプルに伝えたかったのは、「本当は、あなたとハイタッチしたい。」でした。

▼本当は、あなたとハイタッチしたい
友達と、憧れのあの人と一緒に仕事をする未来が羨ましすぎるのです。「今度一緒に仕事しよう!」「ついにコラボしました!」と面白いことを生みだす人たちに覚える圧倒的嫉妬心。お互いの魅力を掛け算して仕事を生み出す人を前に、はて専門職として病院で働く自分もそんな風に仕事をする機会があるのだろうか。つい先日も、インドのエシカル家具を売ろうかと言う友達に、私も手伝いたいと思ったけれど「どんな仕事を振ったらいいかわからんな。」と言われて、自分でも「確かにな。」と当たり前のように頷いてしまったことに悔しさを覚えています。だからこそ、多職種で無限大の希望が詰まった企画生の中でも、いつかあなたと仕事で再会して、ハイタッチするために私はここで学ぶんだぞ、という想いを込めました。ハイタッチは、嬉しいことがあったとき、あなたとわたしが通じ合っていると感じたときにする行動。言葉よりも肌で伝わる感情が、言葉足らずな自分らしくて好きだからです。

▼サイ
私のあだ名である「サイ」。幼い頃からサイにはシンパシーを感じていたので、自分の顔写真を貼るよりも動物で表した方が覚えてもらえるかなと思いました。彩実をサイミと読むことにも気付いてもらえたら嬉しいなと。また、サイには「badak api(マレー語):森林の中で火が燃え上がるとサイが現れてそれを踏み消す」と言う神話があるように、穏やかで真なる強さもあり、ヒーローのような存在であることも選んだ理由です。

▼モールス信号
単なる言葉だけでなく、モールス信号で名前を書きました。今年度初めに訪れた『トランスレーションズ展』で感銘を受けた「Hello Morse」から影響を受けてつくったもので、首の動きが「ツー」「トン」に翻訳され、コンピューターが文字を認識して人工音声で読み上げられるもの。Google Gboardとコラボして、iPhoneとAndroidを使用する何億もの人々に無償で公開されたプロジェクトなのです。仕事で接する機会の多いALSを患う方とのコミュニケーション方法で眼球運動で声を生み出すものがあることは知っていたけれど、モールス信号で生み出すのは新しいし面白いなと思って選びました。

▼緑色
81名以上の広告をみるのは、どんなに熱量があっても結構疲れるだろうなと思い、少しでもあなたの目を癒すことができたらと緑色を選びました。優しさと愛です。


2–3. 講義がはじまる前から今もずっと感動している

■約束したい人として自分を受け入れてくれたメール
■メッセージを添えて届けてくれた紙飛行機
■自分の広告へのフィードバック動画
■日々の投稿へのいいね …etc

企画メシを主宰している阿部広太郎さんが、一企画生である私とも真摯に向き合ってくれる方なのだと言動の節々に感じています。しっかり睡眠をとれているのか心配になるほど、「自分と君の一対一を大切にする人」であり、「言葉の人であり、行動の人」でもあることに感動しました。その姿勢を私自身持ち続けていたいし、そのためにも自分と相手を知ること、なぜを考えること、言葉にして伝わるように伝えることに貪欲でありたいです。

そして、自分の広告に対して頂いたフィードバック。自分が出した答えに寄り添ってくれる人がいることに、更に一層自分と向き合おう、自分が最大の推しであろうと思えました。咀嚼して出した解釈をまた咀嚼して解釈していきたい。ありがとうございます!!!

■ハイタッチをサイタッチにするとか、サイを立たせるともっといい。
■私もいつかハイタッチしたいです。
■自分の夢や希望を「ハイタッチをしたい」という誰にでもできるアクション、しかも見ている人とできる行動に落とし込んだチョイスに思わず一本!!と叫びたくなりました。あくまでmeではなくweの視点で捉えたところに惹かれました。ハイタッチって二足歩行の動物しかできないじゃん。だったらハイタッチって極めて人間的な行動なんだな。

講義では、企画生各々の優しさと熱量を感じながら対面してお話しできたことが何よりも嬉しかったです。自分の広告を作る過程やそこで動く感情を共有できて、早くも仲間ができた感覚に近い。感動メモや直接のメッセージで頂いた言葉に感動しています。自分の広告は、名前や職業よりも、企画メシで出会う人としたいこと。「みんな」ではなく「あなた」と向き合うことを愉しみたい。そう思って選んだ言葉でしたが、阿部広太郎さんや井村さんのように一対一で伝えにいくという行動に移せていなかったことが、自分甘いな!!!と思いました。自分の中にあるA案B案C案を競い合わせて出した答えがその広告なのか、サイをどう立たせるか、言葉選びはそれでいいのか、もっと自問自答したかったという気持ちが大きいです。自問自答し尽くした自分の広告をこれから届けたいです。一度きりの課題だと思わずに向き合おうと思うので、また更新します。


さて、長くなりすぎました。’わたし’を発酵させようと思って記したnote。まだまだ分解が足りませんね。これから、企画メシを通してもっともっと時間をかけて熟成させていきたいものです。読んでくださったあなたは酵母です。わたしの消化を助けてくれるし、免疫力も付けてくれる。いつもありがとう、と思っています。今すぐにでもサイタッチしたい。でも、焦らなくてもいいんですよね。いつか仕事で再会するときまで、手を心を温めておきます。ありがとう!!!

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