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脳の仕組みからストレスを改善し、集中力を極める

概要   

脳の仕組みからストレスの原因を紐解き、ストレスを改善、さらに集中力を向上させようという記事です。

ストレスの原因は大きいものから小さいものまで日常に溢れていますが、人は何がストレスになっているか認識できず、ストレスを蓄積してしまっているもの。
しかし、ストレスを受けると心の体力が減っていき、心の体力が少ないほど脳を使うことができなくなってしまいます。つまり思考力が低下してしまうのです。

一体これはなぜでしょうか?
その答えは、脳の前頭葉の仕組みから説明できます。
前頭葉は、主に思考や判断、行動を司る機能ですが、ストレスを受けることで前頭葉のエネルギーは消費されます。
前頭葉は「考える」「記憶する」「アイディアを出す」「感情をコントロールする」「コミュニケーションする」など、人間にとって重要な働きを担っているのですが、前頭葉が疲れた状態では、これらの機能が低下します。
考えられなくなったり、アイディアを出せなくなったり、感情をコントロールできなくなる、そして集中力が低下してしまうのです。

ストレスを受けると消耗する心の体力とは、=前頭葉の体力のことです。
日頃からストレスに悩んでいる方もストレスの原因と脳の仕組みを知ることで、ストレスを改善することができます。
この記事の目的は、ストレスを受けない生活をすることで、脳の体力を本当に必要なことに充てること。

また、ストレスといっても解決できない心理的ストレス(対人関係上の葛藤や孤立、ネガティブな感情など)ではなく、脳のエネルギーを消費をしている具体的な行動の解説をしていますので、マスターすればどなたでもストレスを改善することができます。


心の体力=脳の体力、その名は…

心の体力(=脳の体力)は、例えばストレスを受けると消費しますし、何かを考えるだけでも消費します。
不安があると消費しますし、着る洋服をどれにしようか迷っても消費します。

心の体力は思考力であり、同時にストレスの耐久力でもある、実は全て1つの同じものです。
注意、思考、物事の整理・処理・実行するのに必要な力は、全て「心の体力」からひねり出されるもので、出どころは脳の前頭葉に当たります。

ゲームでHPやMPという概念がありますが、脳にとってHPとMPは同じ1つのもので、ダメージを受けても消費され、能力を使用しても同様に消費されるものと思ってください。
この「心の体力」は今回のテーマのキーワードとして頻出する言葉なので、今後は mind powerを略して「MP」と呼ぶことにします。

MPは何かを考えたり、集中したりするのに必要な体力ですが、同時にストレスによるダメージでも消耗してしまいます。

つまりストレスを多く受けている人ほど多くのMPを消費してしまっているため、思考や集中できる回数が少なくなっているのです。
ストレスの要因を排除すれば、前頭葉は本来の力を発揮できます。
思考力、記憶力、想像力、コミュニケーション力、そして今回の目的である集中力の向上が期待できるわけです。

心の体力はMP!

もくじ

そんな重要な心の体力の仕組み、特に重要なポイントに絞って、次の順にシンプルに説明していきます。

1.MPの概要  
2.MPの消費を抑える
3.MPを回復させる
4.MPの最大値を上げる
5.集中力を発揮する

MPの概要

MPは色々なことで消耗していく

私達は仕事とダイエット、スポーツ、家族とのコミュニケーションといった行動をそれぞれ切り離して考えています。
つまり、仕事が行き詰っていることと、ダイエットを続けられるかどうかは関係ない。家族とのコミュニケーションがギクシャクしていても、オフィスに行けば気持ちが切り替えられる。スポーツに没頭してリフレッシュすることと、仕事の効率は関係ない……など。
しかし、実際は同じMPをやり繰りして発揮されるものであり、生活全体を通して処理できる量は決まっているのです。

そして、MPを消耗する要因は全てストレスになります。
ストレスの原因を知るだけでも生活はずっと良くなるかもしれません。

MPの消費を抑える

日々の雑務に追われ消耗している人がいる一方、一日を通して集中力を保っている人もいます。
彼らと一日の途中で集中力が保てなくなる人の違いはなんでしょうか?
それは、MPを節約できているかどうかの違いです。

日々の生活の中のMPが消費される原因、ストレスを把握し、排除することでMPの消費を抑えます。
つまりストレスフリーの生活を目指すことが目的です。

また訓練することで、1つの行動に必要な「消費MP」を小さくする方法も解説します。
すぐに実践できますので、さっそくトライしてみましょう。

知らず識らずのうちに受けるストレスの要因とは

生活の中でMPはどんどん削られていきます。
この要因を知っておかないと、「知らず識らずのうちにMPが消費され、夕方になる頃にはMPは空っぽ。仕事が溜まっているのに集中できない!」というような事態に陥ってしまいます。
体力が0の状態でさらにダメージを受けてしまうと、ゲームの世界ではゲームオーバーです、現実ではパニックになってしまうはず。
MP消費を抑える生活をすることで、いざという時に集中できるようにしましょう。
知らず識らずのうちにMPが消費される大きな原因は、以下の2つです。

・選択・決断
・ワーキングメモリ

選択、決断

日々の生活のなかで「なにかをやる」「なにかをやらない」「なにかを望む」という選択と決断は無数にあります。
それをする度にMPを消耗します。

ケンブリッジ大学のバーバラ・サハキアン教授の研究によると、私たちは1日に最大で3万5000回の決断を下しているそうです。 決断は、どんな内容であってもストレスを伴い、脳に負担をかけます。
目覚めて、朝食はなにを食べるのか。今日はなにを着ていくか。どのルートで出勤するのか。朝イチの仕事はどれから始めるか。かかってきた電話に出るか、出ないか。メールの返信はすぐにするべきか。会議で発言するか、しないか……。

これはポジティブなものでもネガティブなものも同様に、決定や選択によってMPを消耗します。
朝は意欲十分だったのに、昼休みを過ぎ、日が沈む頃には疲れ果ててしまうのも当然なのです。

多すぎる選択肢  
選択の中でも多すぎる選択肢は特にMPを消費し、最終的に決断できなくさせます。
マーケティングの世界でもこれは知られており、「豊富な選択肢より、絞り込んだ選択肢を提示したほうが成果につながる」というのが定説です。
これは、「多すぎる選択肢は考えなくてはならないことが多くなりすぎて決定疲れの状態におちいり、そして決定することが出来ず、購入につながらない」という理論からなります。

これを解決するには、選択や決断をしなければ良いのです。

解決策1.選択する機会を減らす

例えば朝食のメニュー、着る服は事前に決めておくことで、選択する機会を減らせます。
特に着る服は、コーディネートや暖かさも考慮する必要がありMPを多く消費します。
あらかじめパターンをいくつか決めておき、着る服を用意しておくことで選択する機会を無くしましょう。

解決策2.習慣化

なるべく選択・決断をせずに行動するには、その行動を習慣化させることです。
例えばゴルフをプレー中のプロ選手は、スイングについて「立ち位置は」「左に踏み込んで」などと、いちいち考えていません。数えきれない反復練習によって、正しいスイングを自動化しています。
この習慣化とは「正しいやり方」をあらかじめ決めて、やり方を覚えておくことで、選択や決断の余地を無くす。というものです。

日々の家事も同じで、正しいやり方が決まっているなら選択・決断をする回数は少なくなります。
一度覚えた料理は簡単に作れてしまうのもこの仕組みです。

習慣化された行動を行う時、脳は前頭葉ではなく小脳が使われます。MPは前述したように前頭葉が持つ心の体力なので、消費を抑えるならばなるべく前頭葉に負担をかけずに生活することを目標にします。

習慣化させるには、その行動を何度もやることです。大切なのは1つの行動にフォーカスし、1つずつ着実に習慣化していくことです。
1つのことを習慣化させることに成功したならば、余ったMPでまた次の行動を習慣化させる。これを繰り返します。

解決策3.タスクの分割

プロジェクト管理の世界では、タスクは「チケット」という単位で細かく管理されます。
これは、1つの大きいタスクを小さいタスクに分割して管理することです。例えば「郵送で住所変更する」というタスクがあったとすると、その時の「チケット」は以下のようになります。
1.郵送する資料、郵送する住所を調べる
2.資料を記入し、封筒に入れる
3.切手を購入し、封筒につける
4.ポストに入れる

予めこのようにタスクを分割しておくことで考慮すべきことが減り、「選択・決断」「迷い」が減ります。
また、大きいタスクのままにしておくとタスクは複雑度を増し、そのタスクの完了にかかる時間を見積もれなくなってしまいます。
人は、時間が十分にあると勘違いしてしまうと、目の前の仕事に対して様々な選択肢を考え、試行錯誤を重ねようとするもの。
タスクは、完了するために割り当てられた時間に応じて複雑なものへと膨れ上がっていきます。これはパーキンソンの法則として知られています。


ワーキングメモリ

MP消費の大部分を占めるものは「選択・決断」の他にもう一つあります。それがワーキングメモリによる消費です。
例えばこの文章を読みながら気がかりなことが頭をよぎったり、「あ、Twitterをチェックしなければ…」と思ったりしたら、あなたは大きな問題を抱えているといえます。
ワーキングメモリとは一体なんでしょうか?

ストレスの大半は「やるべきこと」をうまく片付けられていないことから生じています。
自分、もしくは他の人から課された「やるべきこと」をもっとうまく管理することができれば、誰もがゆとりを持って物事をこなしていくことができる。これはストレスをはっきりと意識していない人にも言えることです。

人は、自分で考えている以上に「やるべきこと」を自分に課しています。
「やるべきこと」とは、例えば「世界から飢餓をなくす」といったスケールの大きなものから「洗面台の電球を替える」といった些細なものまで、ありとあらゆることが含まれます。

これらの「今考えていること」「無意識に考えていること、覚えていること」「頭の隅で考えていること、覚えていること」があるだけで、ワーキングメモリというものを消費してしまっているのです。
記憶には最近の出来事を覚える短期記憶と、昔のことを覚えている長期記憶がありますが、この他に情報を一時的に保つ部分があり、これがワーキングメモリです。
このワーキングメモリこそ、無意識にMPを消費しているものの代表格なのです。


解決策1.「気になること」を頭の中から追い出す

これとうまく付き合っていくには、まず意識している・していないに関わらず、「全ての気になること」を把握し、1箇所に書き出しておく必要があります。
この「全ての気になること」とは、大きなことも小さなことも、プライベートなことも仕事上のことも、緊急性のあることもそうでないことも含まれます。
それらを頭の外のTODOリストやメモ帳等に書き出しておくことで、それらのことをワーキングメモリから追い出すことが出来るのです。
頭の中ではなく、ツールによって管理することで脳の負担を下げられるのです。
このステップを極めることで気になることがなくなり、心は水面のように穏やかになります。

「全ての気になること」は心にひっかかっている考えやアイディア、懸案事項など全てです。全て書き出すとなると、20分から1時間はかかるでしょう。
仕事、人間関係、娯楽、財務、政治、健康、執筆、雑用、能力開発、ファッション、etc...

整理


解決策2.なるべくワーキングメモリを使わない

ワーキングメモリに新たに何か追加されたら、
・それが2分以内に終わることならその場ですぐ実行してしまう
・2分以上かかるものならTODOリストに追加し頭の中から追い出す
ということを常に実践し、ワーキングメモリをなるべく使わないように心がけることです。

例えば郵便物が来たら、すぐ内容を確認し、不要ならゴミ箱へ、対応に時間が必要ならTODOリストへ書き込みます。

また、これらのワーキングメモリの管理を完璧に行うことが出来たならば「忘れ物」が無くなるのもメリットです。
例えば「単純な忘れ物」「連絡し忘れ」といった、「一時は考えたのにいざとなったら出来ていないこと」がなくなるので、ミスの無い穏やかな生活をすることが出来ます。
私はこれを10年以上実践していますが、おかげでずっと穏やかな生活を送れています。

さて、以上がMPの消費を抑える方法の説明でした。MPの消費を抑えて朝から晩まで活動的になりたいところです。
ただし、消費だけ抑えても回復が出来ていなければMPを使うことは出来ません。

MPを回復する方法

MPは自動的に回復しません。次の日になってもMPが最大値の半分しかなければ、満足に脳を回転させることは出来ません。
では一体どうすればMPを回復することが出来るのでしょうか。

6時間睡眠を続けるだけで「酔っぱらい状態」に

MPを回復させる方法は、ずばり睡眠です。
人によって睡眠時間は違うとされていますが、8時間睡眠がベストだと言われています。

睡眠時間を削ると脳のパフォーマンスは著しく低下します。6時間睡眠を14日間続けると48時間徹夜したのと同程度の認知機能になります。
別の研究では、6時間睡眠を10日間続けただけで、24時間徹夜したのと同程度の認知機能になるという研究もあります。

SNSやゲームにはまり、慢性的に睡眠不足になっている人の心は健康でない恐れがありますので、一刻も早く寝てください。

パワーナップ(仮眠)

お昼に仮眠を取るのも有効です。近頃パワーナップ(Power Nap=積極的仮眠)という言葉で世間から注目を集めています。
1995年NASAの研究では昼に26分間の仮眠で、認知能力が34%、注意力は54%も向上したという報告があります。

ただし、30分以上寝てしまうと深い眠りに到達していまいます。
するとスッキリ目覚めることが出来ず、起きてからボーッとした状態になってしまうので注意が必要です。
パワーナップは20分ほどの短時間で済ませるのがポイントなのです。

瞑想

人は1分間で約40回の思考をしていると言われています。つまり脳は常にフル稼働している状態です。
瞑想することで脳は休憩出来ます。これにより脳内の情報が整理され、ワーキングメモリが解放されます。
また2014年の研究では、瞑想(マインドフルネス)が不安感、抑うつ感を改善させる中等度の結果があったと報告されています。
睡眠に比べ短時間で出来、場所も問わないのでちょっと疲れたときには実践してみましょう。

MPを回復することで、次の日は100%の状態で挑むことができます。
ただし120%、150%と、将来的にそれを超えることが可能です。

MPの最大値を上げる

運動を続けていれば体力の最大値が上がるように、訓練によってMPの最大値を上げることが出来ます。
やり方は体力が肉体に負荷をかけるのと同じように、前頭葉に負荷をかければ良いだけです。なのでとても疲れますし、MPも大量に消費します。
脳に負荷をかける例としては、「集中する」「運動する」「マルチタスクで行動する」等など。負荷に耐えられるようになることが目的です。

ただしこの訓練は時間がかかるので、その成長を実感することは難しいかもしれません。
長期的な目線での実践をおすすめします。

これでMP消費を抑え、MP回復の手段、最大値を上げる手段もわかりました。MPの管理についてはマスターしたわけです。
ただし、MPだけ潤沢にあっても、それを使う手段が整っていなければ何の意味もありません。


集中力の概要

今まではMPの管理方法について説明してきましたが、今度はMPを使う方法を説明します。
つまりこの記事の目的、集中力を発揮する方法の説明です。

車で例えると、MPはガソリンのようなものです。集中力を発揮するために必要な燃料と言えます。
ガソリンだけあっても車がボロボロでは満足に走れません。

私達は勉強をしたいと思っていても、モチベーションが出ず思ったように勉強をすることが出来ないものです。
そして30分ほどダラダラしたあと、ようやく本を開きます。
本を開いたと思ったら、少し勉強したところで満足な量をこなす前にスマホを見始めてしまいます。

「集中状態」は山登りに例えると、山の頂上にあります。
そこにたどり着くための道は険しく、登っているうちに体力(MP)が削られていき、頂上にたどり着いた時には体力が無くなっているのです。

しかし、この山は自分自身が作り出した「集中という山」で、コースは自分で作り出せます。

集中の仕組みを理解することで、集中しやすい状態を作り出すことが出来ます。

集中する方法

集中するためのテクニックは世の中に様々なものが出回っています。
近くに〇〇を置くと良い、ナッツを食べると良い、静かなクラシックを聞きながらやると良い、etc…
ですが、それらは小手先のテクニックに過ぎません。
仕組みを知ることで、それらは一言「環境」と言い表すことが出来ます。

原因は作業環境

私達は勉強をしたいと思っていても、モチベーションが出ず思ったように勉強をすることが出来ません。なぜでしょうか。それは単に意思が弱いからなのでしょうか?
いいえ、そうではありません。
私達の意思は、自分自身が決めていると思われるでしょうが、そうでもないかもしれないということです。
私達の意思は、環境に影響されています。私達は環境によって意思が操られているのです。

例えばゲームをよくやる人は、なぜゲームをよくやるのでしょうか。
それは身の回りにゲームをやりやすい(できる)条件が整っているからです。
社会的、政治的、精神的条件によって、ゲームをやりやすい環境にいるからゲームをやってしまうのです。環境によって「ゲームをやりやすい人間になってしまった」というのが正しいかもしれません。
極論をいうと、どうしてもゲームをしたくなければその要因を環境からなくせば良い、つまりゲーム機を破壊すれば良いのです。

話が大きくなりましたが、集中するためには、集中しやすい環境を整えれば自然と集中できるようになります。
ではそれはどのようなものなのか、見ていきましょう。

集中しやすい環境とはどんなものでしょうか。どんな環境が最適でしょうか。

場所とスイッチングコストと条件付け

人は集中し始めるときに、より多くのMPを使います。ですから「さあ、やろう!」と思ったときに、邪魔が入るほどの障害はありません。
例えば、書類を作成しようとパソコンのキーボードに向かった途端、メールの受信音や電話の着信音が聞こえ、スマホが明滅する。
その音や光に気づき、視線をスマホの画面に向けただけで、ようやくかかり始めていた集中のエンジンは止まってしまいます。

この時何が起きたのでしょうか。なぜスマホを一目見ただけで集中が途切れてしまったのか?わかりやすくMPと集中力を数値でイメージしてみます。
大きく3つのことが起きています。
ワーキングメモリ、スイッチングコスト、条件付けの3つの現象です。

1.作業開始
 集中開始(MP100 → 70)(集中力 0 → 100)
2.スマホが鳴る。
 作業に対する集中力が削がれる。(集中力 100 → 70)
 ワーキングメモリに「スマホの着信内容確認」が追加される。(MP70 → 60)
3.スマホの内容確認
 スマホの確認に作業を変更(スイッチ)。(MP60 → 40)(集中力 70 → 40)
 ワーキングメモリから「スマホの着信内容確認」が削除される。(MP40 → 50)
4.集中が切れ、作業に戻れなくなる
 スマホを見たことにより、「条件付け」によりリラックス状態になる。(集中力 40 → 20)
 「スイッチングコスト」により作業に戻り集中するMPがなくなる。(MP50 → 30)

スイッチングコストとは

ある作業から別の作業に移る時にMPを消費してしまう現象です。
別の作業に取り掛かる場合、その状況や目的等を再確認することから始めなければならないので、その分MPを消費、そして別の目的に移ってしまったことで集中力も消費してしまいます。

条件付けとは

例えば普段くつろぐ時、リビングのソファーに座ってスマホを見るのがお気に入りとしましょう。
こうした習慣がある場合、「リビング」「ソファー」「スマホ」はリラックスする時の条件になり、ソファーに座っただけで自動でリラックスしてしまうという現象です。

…と、このような現象が起きていました。
これを回避するには、作業と関係ないものを目につく場所に置かないことです。
見直したいのは、机周りや作業スペースでのスマホやケータイの扱い、そしてモノを片づけることです。
前者に関しては、可能であれば電源を切ってしまい、そこには持ち込まないこと。デスクの上にケータイやスマホがあるだけで集中力が落ちるという実験結果も出ています。
そこまでは徹底できない場合は、マナーモードやサイレントモードにしたうえで、引き出しの中にしまってしまう程度でも良いでしょう。

前述の通り、ゲームが近くにあればゲームをしやすくなりますし、TVが近くにあればTVを見る可能性が高くなります。
逆にいうとこれらが無い空間こそが、集中に最適な場所といえます。

スマホ、タブレット、ゲーム機、テレビ、イラスト等、注意をそらす全てのものが無い場所で作業することです。
もし家が散らかっていてすぐに片付けられない場合は、家でなく喫茶店や図書館に行くことをおすすめします。
喫茶店や図書館であれば、家の片付けをせず、すぐに邪魔するものがない場所で作業することが出来るからです。

ゲーム機などの注意をそらすものを無くすのはもちろんですが、物自体少ない方が集中力は増しやすくなります。
物が少なければ他のものに注意がそれる余地が無くなるからです。

条件付けの活用方法

先程は条件付けのマイナス面を例に取りましたが、プラスの面もあり、集中するために有効な方法になります。
先程の例では、「リビング」「ソファー」「スマホ」が「リラックスするための条件」だとしましたが、それとは逆に「自分なりの集中するための条件」を用意することです。
例えば、学生時代に勉強する時に使っていたペン立てを見える場所に置く、集中する時はいつもメガネをかける等の条件を新しく作ることで、集中しやすくなるでしょう。

実践する

ストレスや集中の仕組みを理解することで、ストレスの原因を知り、対策することでストレスフリーの生活が出来るようになり、結果として本来の集中力を発揮出来るということがわかりました。
これらの内容は言われてみれば当たり前に感じるかもしれませんが、言われてみないと意識しづらく、実践もしづらいものです。

また頭で理解していることと、実践できるということは違うように、練習することがポイントになるでしょう。
野球の理論だけを理解した少年がいきなり試合が出来ないのと同じこと。実践や調整が必要です。
出来るようになるには自分自身のことをもっと知る必要があります。

例えば「選択する機会を減らす」を例に出すと、
まず、日々の生活の中に多数ある「選択する機会」に気付く必要がある。
そして、改善できる場合は改善する。これを繰り返す。
これを習慣的に行うことで、いつしか生活はストレスフリーになります。

ただし、次に説明する「潜在能力を発揮する方法」は、訓練の必要がなく出来るようになります。

潜在能力を発揮する裏技

次に潜在能力を発揮する方法を説明します。
ここでいう「潜在能力」とは、何かに没頭する能力です。
潜在能力を発揮することで、寝食を忘れるほど作業に没頭します。さらに没頭状態に入ることで、目的遂行能力が全体的に向上します。
例えばトップアスリートは朝から晩まで訓練に没頭していますが、我々は仕事や勉強に没頭することはありません。
没頭こそ、上達することへの近道なのにです。

コツさえわかれば誰でも出来る内容なのですが、実践している人は極少数です。私の知る限りでこの方法を実践しているのは、一部のプロスポーツ選手とプロゲーマーくらいでした。

はっきり言えるのは、これをするとしないとでは、行動に対する結果が数倍違うということです。
勉強やスポーツ、執筆など、何かの練習をこれからしようとしている方は次の記事を実践することをおすすめします。

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