結び直す

最近、人との繋がりを結び直すことが多い。

例えば、学校で会えば話すぐらいの友人と知り合って何年も経ってから2人で遊ぶようになって、人生相談するようになったり、付き合いの長い友人が見せてこなかった一面を見たり、こちらが見せたり。

父が映画が好きで、母が創作が好きだったことも大人になってから初めて知った。

歳を重ねて、お互いに色々なことを経験して、元々あったであろう小さな共通点が大きくはっきりと見えるようになって、それに気付いた時、あれよあれよという間に心の距離がぐっと近くなる。

遠回りをしたような、むしろ色んな過程をすっ飛ばしたような、何かくすぐったい不思議な感覚だ。

心を躍らせたり、もしくは自分を救っていたのが同じものだったのかと思ったり、ひとりで抱えて苦悩していたあの時期に、あの人も同じ空間で同じようなものを抱えていたのかと思ったり、実に不思議である。

そして、こうやって結び直した関係性は以前のものよりも確実に強いものになると思う。

これが長く生きる特権のひとつかぁとしみじみと感じ、この感覚に浸れるようになって初めて自分が大人になった実感が湧いた。

お酒が飲めるようになっても、お金を稼ぐようになっても、成人式に出てもあまり感じなかった「大人」という感覚が、時間をかけて人との関係を結び直すことで湧いてきた。

今関わりのある人たちとの関係がこれから先、疎遠になるかもしれないし、もっと深くなるかもしれない。もしかしたら、思いもしなかった関係の結び直しがこの先待っているかもしれない。

それは誰にも想像がつかない事で、昔は縁が切れてしまうことや、特に所属してるコミュニティから自主的に離れることで疎遠になってしまうことをネガティブに感じることが多かったけれど、必要なタイミングで必要な縁が結ばれるし、縁があればまた出会えるのだと思う。自分のリズムで生きていれば尚更だ。

どうやらその流動性を受け入れて楽しめるぐらいには大人になったらしい。

予測出来ない未来に何と関係を結び直すのか、そんなことに楽しみにして日々を過ごす。