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ふたつの世界


自分が属せる世界がもしふたつあったら

ひとつの世界でなにをする?
もうひとつの世界ではどんな自分で生きていく?


小さい頃から想像してた

私にあるはずのもうひとつの世界


そこでの私はいつも笑ってて
光の明るさまでも輝いてた


成長してきても
私の中にはいつも想像するもうひとつの世界があった

その時々で変わる世界


仕事をしてる「私」
家庭で母をしている「私」
それらの関係で付き合う人たちといるときの「私」

今これを書いている「私」

その「私」が存在しているのが今いる世界

もうひとつの世界にいるのは

心の弱さも脆さも
私の中の醜い部分も

ぜんぶ晒け出すことのできる私と
それを受け止めてくれて
私に安心をくれて

そこで一緒にいてくれる「誰か」との世界

現実から切り離した感覚の中に存在する世界


現実とリンクしてはいるものの
そこにいる間は私の意識は現実にはない

そこでだけ存在するから


もうひとつの世界は
私の想像から生まれた世界

現実には存在しない


目で見えているものは現実で
身体で感じるものも現実で

もうひとつの世界で起きているはずのことは
ぜんぶ現実で起きていることのように感じるのに

どちらにも存在できているはずなのに
ふたつの世界を私は融合させることができない
どちらかを失くすことも私にはできない


もうひとつの世界は私にとって

なくてはならない場所だから


そこでだけ
私は私でいられるから





私にはふたつの世界がある

自在に行き来できるふたつの世界

でもいつか

もうひとつの世界にだけしかいられなくなりそうで怖くなる



もうひとつの世界

それは私の想像から生まれた世界

私が「私」でいられる世界


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