ep.25 「新しい」を サバイブせよ わたしたち
「新」年度、「新」生活、「新」体制…。4月になった途端、新しいもので溢れかえるのは毎年のことなのに、この浮遊感にはついぞ敵いそうにありません。
「新」入社員、「新」入生。”新しい”の当事者の方たちは、今きっともっとくたくたな夜だと思います。どうか毎日ゆっくり眠れてますように。
こんばんは。たまです。栄養ドリンク相棒に、まずはどうにか週末までたどり着きたいわたしです。
生活の日記
ここ半月、夜ごはんを食べながら10年も前の韓国ドラマ「ミセンー未生ー」を観る、が日課だった。
ごはんを作りながらも昨日観たシーンを思い浮かべたり、仕事中も「打合わせの資料準備してた今のわたし、ミセンっぽいな」など思い(妄想)を馳せたり、もはやミセンといっしょに暮らしてきた。
ドラマを想うと密やかに自分の胸が高鳴るのを実感していたばっかりに、観終えた今、ぽっかり虚しく生活している。
とはいえ、ヘビーな内容だった。貧困、学歴社会の果て、女性蔑視、社内政治。元々こちらのポスターを見ていたもんだから、ハッピーオフィスコメディだと思い込んでいたわたしには、暗黒オフィス戦闘記すぎて仰天だった。だけど、このドラマ、ほんとうに完走すべき!10年前のドラマだろうと、我が物顔で言っちゃう。ミセン、おもしろいです!
① 営業3課という青春
主人公のチャン グレ(ポスター右前)。そして配属先 営業3課の上司オ サンシク課長(中央)。まずなんといってもこのふたりの絆だ!
孤独に生きざるを得なかったチャングレ。血の滲むような彼の奮闘を、人として認めてくれるオ課長。懐の大きさ、まっすぐさ。憧れる。熾烈な大手商社でまっとうに人の心を持っているオ課長を見ると、果たして自分は彼のような大人でいれているのか、とつい省みる。
演じるイ ソンミンさん自身も「そういう(良い大人だと思ってもらえる)キャラクターでありたかった」と話されていた。彼の誠実な演技ゆえ、オ課長の褪せないかっこよさは10年後の視聴者の心もこうして掴む。
いっぽうで課長のほうも、そんなふうに生きるのはやはり孤独なのだ。傷つくし、迷う。大人だって上司だって。だから、がむしゃらに働きながら自分を必要としてくれるチャングレの存在は、課長自身も救いなのだと思う。
とにもかくにもこの師弟のようなふたりに、まあ泣かせられた日々だった!加えて、キム代理(右上)ふくめた営業3課のファミリー感がたまらない。わたしは未だに青春病を生きているので、この3人にみる「愛」とか「絆」にめっぽう弱い。
② 女のくせに、とどう闘う?
それからやっぱり、圧倒的女性蔑視に耐えたアン ヨンイ(チャングレの同期)の闘いも刺さるものがあった。
頑張ったとて、頑張らなかったとて、「女のくせに」「女はどうせ」と常時パワハラ×セクハラの対象にされる環境。おまけにヨンイは努力家で最高に優秀なので、先輩たちに妬まれもする(見てるこっちがほんとうに悔しくなる!)。
てんこ盛りの絶望は、韓国の女性が社会で直面する困難を記した『82年生まれ、キム・ジヨン』を彷彿とさせるものでなかなか辛い。
ヨンイは耐える。そうやって闘う。きっとドラマの先でも耐えている。だけど、耐えられなかったらどうなっていたんだろう?ほんとうに耐えることだけが、働くための手段なのだろうか。きっとそんなはずはない。だけど、ならば。わたしだったら同じ場で何ができるんだろう。自問自答は続いています。
お仕事ドラマを観ただけで、職場へ向かう足取りが力強くなる自分って、きわめてシンプル構造なんだなと痛感する。カムサハムニダ ミセン。時は2024年、わたし、ロスってます。
今夜の1曲
QueenのGood Old Fashioned Lover Boyを。
選曲理由:好きな曲だから、というこの上ない簡潔な理由で恐縮である。こんなこと面接で言ったら即時にペケをつけられそうな回答だとの自覚はある。
だが、この気持ち、決して決して浅くない。
4人の奏でるインストの音、予想できそうで絶対できないメロディライン、「1,2,3,4,5,6,7,8,9,10」、溶けあうコーラス、フレディマーキュリーという(わたし史上、永遠に)世界一のボーカル。
好きなものへのときめきは世界を救う。それは新年度で疲れ切った人類の心も救う。
桜、咲きはじめました。儚いねえ。散らないで〜!雨やんで〜!と始終やきもき。こればっかりはどうしようもないのだけれど、どうか今年も、満開の桜に心奪われる日がありますように。
あなたの街も、桜、咲きはじめましたか?
それでは今日もおつかれさまでした。あなたも、わたしも。
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