たま の 文字ラジオ

ここは小さなラジオブース、あるいは寝る前の談話室。生活の悲喜や、ときめく音楽のことを話…

たま の 文字ラジオ

ここは小さなラジオブース、あるいは寝る前の談話室。生活の悲喜や、ときめく音楽のことを話します。今日もおつかれさまでした。あなたも、わたしも。

最近の記事

ep.33 どこまでも行く そこに君がいればなお

胸が痛むできごとが夕方あって。泣き出してしまったそのひとを、その場で慰めてあげたいのに、咄嗟になんと声をかければいいかわからなくて。かと言って、気づかないふりも無理があるし、気を遣われていると思ったらきっと負担になってしまうだろうし……不甲斐なくおろおろするので精一杯だった。 せめてチョコの一粒でも渡してあげたかったな。力になれない先輩でごめんね。どうか今夜はあったかくしていい夢見て眠ってほしい、と祈るばかりです。 こんばんは。たまです。世の中の邪気はわたしが追い払ってお

    • ep.32 わたしによるわたしのための讃歌だ

      チェロ弾きをときどき再開しています。2時間250円で公民館の練習室を借りて、気の向くままに鳴らすだけではありますが。 思い返せば、身も心も削がれるほどにチェロに打ち込んだ青春。いまは、弾いているあいだ難しい考え事や悩みと離れることができて、瞑想のような時間。心もふくふく。いっこうに弾けるようにならないのもおもしろい。旧友と過ごしているみたいなところすらちょっとある。 こうやってかねてよりお付き合いをさせていただいているチェロとは、今後とも健康的な関係を築いていきたいなあと

      • ep.31 思い出して、書いて、かみしめるために

        口に含んですぐのガリガリっから、シャリシャリシャリで一気に懐かしい気持ち。ほのかに透き通る緑、薄黄色、桃色、白。ころころ、いがいがっとした特有の形もまた愛おしい。 こんばんは。たまです。もういつぶりに手にとったんでしょう。文字ラジオのおともにすべく、こんぺいとうを買ってきたのでした。 生活の日記 4月というものが毎年不得手で、たいがい気が沈んでいる。些細なことを棘に感じ、ちっちゃな段差に勝手につまずいてしまう。 だけど、せっかく美しい季節なのに、しょんぼりな月だったと

        • ep.30 枕元で甘い記憶を並べて

          低気圧による偏頭痛にも負けず、けっきょく毎年春服って持ちあわせてないやん…な朝にも負けず、増えない貯金にも負けず、永遠に落選し続けるライブチケットにも負けず。 書ききれないほどうまくいかないことで生活は溢れていて、思わぬところで傷つきもして、ときどきめげそうになるけれど、ちゃんと金曜日までたどりついた自分のこと、讃えてあげたい、あげよう、讃える! こんばんは。たまです。そうして今年も春服はゲットできないまま、夏に突入する未来まで見えています。 今夜の1曲 Bruno

        ep.33 どこまでも行く そこに君がいればなお

          ep.29 いつだって心踊るるステージを

          父が60歳になったとき、好きなことをする時間も持ちたい、と市のシェア畑を借りてちっちゃな農園をはじめた。 在宅勤務を定時で上がると、いつも自転車で水やりに出かけるという。オフィス勤務が当たり前だった父からしたら、きっとオンライン会議もいまだ慣れないことも多いだろうけど、この暮らしの楽しみを見つけていて安心してます。 こんばんは。たまです。収穫のおすそわけだと実家から箱いっぱいの玉ねぎが送られてきて、うきうき台所に向かう娘です。 生活の日記 いつぶりだろう?最後はコロナ

          ep.29 いつだって心踊るるステージを

          ep.28 ランデブーの準備は万端だからさ

          まだ陽のある時間に帰宅できて、それにこのところぐずぐず続きだった天気もきょうに限って快晴で。ベランダからは満開の桜が見える。くぅ〜100点。こんな春の日、ご機嫌になってしまうに決まっている! 急いでコーヒーを淹れて、98円で買ってきたハーベストを準備する。アウトドアチェアをベランダに引っ張り出して、あとは読みかけの本も持ってこよう。最高の夕方をつくるべく火のついたわたしは、家のなかをせかせかすばしこく動き回る。 満を時して、どでんとチェアに座り、さあはじめようと夕風を浴び

          ep.28 ランデブーの準備は万端だからさ

          ep.27 キューティクルと心の整いは比例ゆえ

          満開の桜特有のあのふんわり感。ちょっとでも風が吹けばはらはら散りゆく儚さ。とどめたくてカメラに撮るもどうしても綺麗には収まってくれなくて、この目に焼き付けるのがいちばん美しいという魔性っぷり! だけど「桜見に行こう」って今しか叶えられない約束を誰かと結べたり、いつもなら億劫な朝も桜を眺めてから出勤してみたり。ちゃんと今年も虜です。 こんばんは。たまです。週末、傘を差してのお花見だったけれど、みずみずしい桜も美しいのだと知れました。 生活の日記 まったく、髪のぱさぱさと

          ep.27 キューティクルと心の整いは比例ゆえ

          ep.26 味方とか相棒なんてなんぼあっても

          朝ドラ「虎に翼」を横目に準備すると、朝の支度がたのしい。鮮やかなオープニングからの、小気味良いストーリー。1週間すなわち5話かけて、ひとつの事件が解決されていくのは朝ドラならではだけど、今日(金曜日)の結び方も胸を打つものがあって、さっそく泣きそうになっちゃった。いい朝だ、と思いながら家を出る。 それはどうやらわたしの母親もそうみたいで、電話口でうれしそうに「はて?」と主人公・寅子のセリフを連呼していた。50代の母、30代のわたし。世代違えど、どちらも共感し、どちらの心も踊

          ep.26 味方とか相棒なんてなんぼあっても

          ep.25 「新しい」を サバイブせよ わたしたち

          「新」年度、「新」生活、「新」体制…。4月になった途端、新しいもので溢れかえるのは毎年のことなのに、この浮遊感にはついぞ敵いそうにありません。 「新」入社員、「新」入生。”新しい”の当事者の方たちは、今きっともっとくたくたな夜だと思います。どうか毎日ゆっくり眠れてますように。 こんばんは。たまです。栄養ドリンク相棒に、まずはどうにか週末までたどり着きたいわたしです。 生活の日記 ここ半月、夜ごはんを食べながら10年も前の韓国ドラマ「ミセンー未生ー」を観る、が日課だった

          ep.25 「新しい」を サバイブせよ わたしたち

          ep.24 剥げかけネイルがたった一つの勲章だって

          ふと指先を見るとネイルがぼろぼろに剥がれかけている。弱音を吐きたくなるほど今週は目まぐるしくて、塗り直すことに一切気を回せていなかった。 週末に、平日の願掛けのようにセルフネイルをするのが好きだ。パソコンのキーボードを一心不乱に叩いているときでもそれがふと目に入れば、爪だけでもかわいいじゃんわたし!と自分のことながらきゅんとできる。 しかし、今週はせめてもの救い程度のネイルが残っているだけ、あるいはほとんど剥がれかけ。お世辞にも美しくない。それなのに、そのネイルをちょっと

          ep.24 剥げかけネイルがたった一つの勲章だって

          ep.23 あのまちへ あなたへ ZINEに乗れば会える

          花冷えの日々ですね。風邪などひいてはいませんか?3月も末というのに、タートルネックは着ているし、こたつからは今日も出られそうにありません。 こんばんは。たまです。とはいえ、桃色のトップスとか淡色のスカートとか、春服に心おどっている自分もちゃんといて、いちおうは春を生きているみたいです。 生活の日記 熱が冷めないうちに言葉に残したいと思うできごとが、生活のなかに起きたならば、これはもう日記を書くしかない。 それは先週のこと。静岡市の art book shop りぶらり

          ep.23 あのまちへ あなたへ ZINEに乗れば会える

          ep.22 ほころぶ安堵の蕾に会うために

          この1ヶ月ずっと準備してきた仕事のひとつが、ぶじに今日で完走した。嗚呼なんて軽やかな金曜日なんだ〜!世界もキラキラして見えるは気のせいか! 奔走していたときはあんなに不安で、つくづくいやんなると鬱々していたのに、いま脳内メーカーでもしたら、きっと安堵と達成感で構成されし人間になるでしょう。喉元すぎれば熱さを忘れるとはこのことだ。なんとまあこわい。けれど、静かにガッツポーズしたくなる、うれしい自分もたしかにいます。 こんばんは、たまです。ほっとした今夜は、ズンズンごはんが進

          ep.22 ほころぶ安堵の蕾に会うために

          ep.21 ほろ酔いの道 片手にコンビニコーヒー

          お皿を洗うとき、ラジオを聴いている。ここ数日のブームは『銀シャリのおトぎばなし』。アフリカで、地元の休日みたいな過ごし方をしてしまった鰻の話と、それに茶々いれ続ける橋本が、わたしの家事をちゃきちゃき捗らせてくれています。 鰻が話しながら「そんでな橋本」って、相方の名前を挟むのがいい。その一瞬、小学校の教室で聞こえる会話みたいでかわいく思う。 こんばんは。たまです。平日の真ん中にあった祝日、ゆっくりできましたか。わたしは、この棚ぼた感のおかげで、ごきげんに過ごせて満足です。

          ep.21 ほろ酔いの道 片手にコンビニコーヒー

          ep.20 いてくれる、ここで会えるというだけで

          職場近くで長いこと工事がおこなわれている。 灼熱の夏も、風吹き荒ぶ極寒の冬も、朝早くから、その現場で警備をしてくれているおじいちゃんがいて。丸めがねにヘルメット、身長やや低め。そのフォルムは恐れながらもドラえもん。 はじめは会釈して通り過ぎてしまっていたのだが、最近あいさつしあう仲になってきた。「おはようございま〜す」とぺこりお辞儀すると、ついに「はい、いってらっしゃい」と声をかけてもらった…!こ、これはシンプルにうれしい。 こんばんは。たまです。 名前や誕生日も、き

          ep.20 いてくれる、ここで会えるというだけで

          ep.19 元気しよるか?の愛をここに携えて

          日本の2作品がアカデミー賞を受賞しましたね。明るいニュースなんていくらあってもいいに決まってる! 受賞した『ゴジラ-1.0』の山崎監督のご家族がニュースの取材に応えていらっしゃった。「息子さんへメッセージを」とリポーターの方がお父さまに尋ねると、「これからも健康に気をつけてがんばってほしい。でも…よかったよかった」といったことを、緊張しながらもお話ししておられた。 咄嗟に語った言葉が、なによりも子の健康についてだったことに不意を突かれた。お父さまにとっては、オスカーを獲っ

          ep.19 元気しよるか?の愛をここに携えて

          ep.18 いつもの時間 ちがう電車 春に雪

          雪の影響はだいじょうぶでしたか?わたしの街も朝からぼたん雪。駅に着くとダイヤが乱れていて「げ!」と思った矢先に、30分前の電車が30分遅れでちょうど来て。 結局いつもと同じ時間に電車に乗ったわけですが、”これはもともと30分前に来るはずの電車だったのだ”と思うと、脳内で時間感覚が軽くバグを起こしてしまいます。とたんに現在地を見失ってしまうような、浮遊してしまうような。伝わるかしら、このパラレルワールドのような感覚…! そんなふわふわした状態で出勤したのも束の間。パソコンを

          ep.18 いつもの時間 ちがう電車 春に雪