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ep.45 旅日記 出雲はまばゆい光の町
おかえり!ずっと言いたかった言葉がきょうは言える。ずっと待っていたたいせつな人が帰ってくる。顔が見れる。声が聞ける。想像していた以上にうれしくてどうしよう。
別れたままそれっきりになる可能性だってやっぱりあった。だから、いってらっしゃいは、いつだって少し寂しい。
こんばんは。たまです。遠くに旅立っていたあなたも、ここで待っていたわたしも、嗚呼きょうまでよくがんばったね!
ここは、小さなラジオブース、あるいは寝る前の談話室。水曜日は「生活の日記」と「今夜の1曲」をお送りします。
生活の日記
生活の日記、と銘打っているけれど、しばらく旅の日記を綴ってみようと思います。
「観光」ということばは「観国之光」、その土地の光・優れたところを観る、よく観察する、そんな言葉から成り立っているそう。
そうだ、そういえば。わたしが旅ですきなのは、その街をよくよく観察しているとき。行く前より、その街を好きになったとき。
月初めに旅した島根県を、わたしはめろめろに好きになっちゃったんです。そこで出会った光やときめきを、消えないうちにここへ残しておきたい。そういうわけで、旅の日記を書くことにしました。
1回目の今日は、《出雲大社 編》です!ひゅ〜!
*:.。. 出雲で出会った光やときめき .。.:*
平日朝の、静かで凛とした空気
神話のふしぎ
人が集まり混ざり合う町、洗練されたみやげものたち
平日朝の、静かで凛とした空気
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出雲大社前に到着したのは、金曜日の朝9:30。和菓子屋やお土産屋も、ちらほらとお菓子を並べたり、のれんを掲げたり。参道独特の澄まされた空気を、人々がゆっくりと動かしていく気配を感じながら、出雲大社までの伸びる道を進む。
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早朝の飛行機だったので、なんせおなかがすいている。ならば!朝ごはんに出雲そばをいただいて旅をはじめちゃおう、というちょっと粋すぎるスタートを切ることにした。これ、大正解でした。
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あいにくの小雨だったけれど、それもまた乙ではないか!とふがふが興奮する。重厚みのある町屋によけいにぐっとくる。のれんをくぐると、わたしたちが客人第一号のようで、少々そわそわしたが、にこやかにお座敷に案内してくださった。
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地物をいただく幸福感。美味しいし、胃に優しいし、朝食からこんなにしあわせでいいのかしら。
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店内にはわたしたちのような旅の者もちらちらと続いていたけれど、平日ゆえに、仕事の合間に早めのお昼を食べに来た方たちもいた。みな、静かに蕎麦を愉しみ、職場なり次の目的地なりへ向かっていく。
わたしにとっては旅の地でも、だれかにとっては生活の地なのだ。カラカラと戸を開け、店を出る。雨はあがっていた。
神話のふしぎ
出雲大社は荘厳で、大きくて、揺るがないものだった。
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境内を歩くと本殿のまわりのお社にも、この神さまはどういう言われがあって…と、ていねいに書かれている。神話はいったいどうやってはじまったんだろう。事実か、信仰か、畏れながらも物事を理解するための方法なのか。
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それらをきょうまで伝えてきたこのリレーにも胸をうたれる。当時のことを知るために、あらゆる手がかりを頼りに学ぶ人があるのも。歴史は、知りたい伝えたい、の人の心で成り立っているのかもしれない。
不思議で、透明で、おおらかな空気。遠い昔から営まれる知的ロマン。出雲大社をお参りしながら、そんな空気を美しいな、と思った。
なお、かの有名な大きな縄は神楽殿のものという前情報を得忘れ、すたこら帰ってしまったわたしを、どうぞだれか笑ってください。(ちょっと本殿の縄、小さいなとは思っていたんだ…)
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(出雲大社サイトより)
人が集まり混ざり合う町、洗練されたみやげものたち
その昔から、お詣りの人々が遠くの地からたずね、行き交う町だったのだろう、と散策しながら思いを馳せてみる。出たり入ったり。荘厳な大社をもつ重みはあるものの、柔らかさや寛容さが流れているのはそれゆえだろうか。
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昔ながらのお店や旅館。アイデア豊かな新しい企業たちの参画。どの小商いもロマンがあって洒落ていて。おみやげたちは狙いすぎず、離れすぎず。俵まんぢうや生姜糖…古き良きお菓子たちも、愛らしいデザインで再解釈された現代のおみやげたちも、ちゃんとぎゅっと心を掴んでくる。
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参拝者をもてなそうという静かな心意気が、町じゅうすみずみ染み込んでいるのも非常に恋でした。どこもあたたかく迎えてくれるんだもの。
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この町の持つまばゆい光をよ〜く観られて、大満足。はぁ〜すでにもう恋しい出雲です。大きな忘れ物(神楽殿ああ神楽殿、神楽殿…)もあることですし、また行かなくちゃ。むしろ、もっともっと出雲のこと知りたいし、思いを馳せさせてほしい〜〜!
後ろ髪ひかれながらも、一畑電車にがたごと揺られ、つぎに向かうは、松江。
というわけで、(うまくいけば)来週、松江旅日記を書いてみます!
今夜の一曲
星野源 の 光の跡 を。
消えてゆくのに なぜ ただ 忘れたくない思い出を 増やすのだろう
あたたかくて、まばゆい光をどんどん見つけて抱きしめて生きていきたい。知らない景色に心躍らせていきたい。旅でも、生活でも。
灼熱の夏の気配がぷんぷんですが、どうにか溶けずに、金曜日まで生き抜きましょうね。
今日もおつかれさまでした。あなたも、わたしも。
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