文章力が持っていかれた

超久しぶりに文章を書いてみる。ツイッターは気が向いたときにたらたらと
呟いてみるけれど、あくまで感情の消化というか脳内の垂れ流しなので、パソコンに面と向かって文字を打ち込むのは久しぶりである。

思えば、小学生の時から作文や文章を作るのは好きだった。小学生の割には本を読んでいたほうであると自負しているし、物語を自分で創作するのでさえ苦ではなかった。(今ではスマホに置き換えられているけど、図書室で借りた本を読みながら帰路につくなんてことが当たり前だった!すごい!ちなみにあさのあつこさんの本ばかり読んでいたなあ。バッテリーの瑞垣くんとNo.6のネズミに憧れていました)
本でみた少し難しい漢字や言い回しなんかを国語や道徳の宿題の書き物に使ってちょっとした優越感に浸ったりもしていた。先生、私こんな漢字も知ってるんですよ、という具合に。大概未習の漢字は大先生方によって赤ペンでひらがなに直されていたけれど。

中学生は不登校になってしまって後半は殆ど投稿していなかったので端折る。でも今覚えば、ネトゲとニコニコ動画に没頭していた時期なので、言葉に触れる時間は多くて、変な言い回しやちょっと厨二な難しい言葉を覚える機会になったのかも。

高校では年に一度、ご立派にもテーマを決めレポートを作成し、スライドショーもつけて最終的には学年全体の前で発表するというクラスがあった。何十枚にも及ぶレポートを作成することに抵抗はなかったし、スライドショーを作るのも楽しかった。自分の手で紡がれていく文字と創作物をみて、ワクワクとした気持ちと高揚感を覚えていた。
あと、このころから洋画をよく見るようになって、いっちょ前にレビューサイトにしっかりと長めの投稿なんかして他人のレビューに心の中でケチをつけながらいろいろな人の感想を読み漁っていた。しかも、邦画はクソ、洋画こそが全てというトンチンカンな考えを持つ自分を誇らしく思ってた。痛い痛い。

大学は中退し、再入学した短大ではまともに授業を受けていなかったのであまり文章を作っていた記憶はない。でも、とにかく毎日他人と話していた記憶がある。それに加えて言葉も何も考えずとも割としっかりした文章を頭の中で構成して口から発していた気がする。(今では考えられないけどね!)
映画館には毎週のように通っていたし、ツタヤで借りたDVDを1日3本も見てツイッターで自慢をし、そこから映画を見る謎のモチベーションを得ていた。それに、本も相変わらず読んでいたし、何よりいろいろな人と関わる機会が多かった。今では絶対耐えられないけど、年上の男どもの説教っぽい長ったらしい自伝を聞くことも多々あった。今、その殆どの人とは縁が切れているけれど、そういう集まりに行っても疲れることはなかったし会話もきれることもなく楽しんでいたと思う。東京まで1時間半電車に乗って色々なイベントに行くのが苦ではなかった。ちなみに、今は東京に出る電車に乗るだけで苦痛です。

そうなると、やっぱり読解力、特に文章を構成する能力がなくなってしまったのって、学校を卒業してから、もとい鬱を経験してからなのだろうと思う。何度同じ文章を読んでも内容が頭に入ってこない。文字を読んでいるのに行間の空白を読んでいるような、文字を記号として追っているだけで、単語としては認識ができるけれど、一文一文を理解することができない。
それから、他人と会話をうまく進めることができなくなった。言いたいことはいっぱい頭に”単語”として準備されているんだけど、それらをつなげて言いたいことを言葉として口から発することができない。人と会話をしていても会話から滑り落ちていく感じ。話にはついていけるし、人の話している内容は理解できるのに、意見を言語化できない。鬱を経験してつらいことは腐るほどあるけど、これがトップスリーに入るくらいにはしんどい。
過去を追憶して、自分がいかに文章を作るのが得意だったかと考えると自尊心を削がれる気持ちになる。得意だったこと、好きだったことが消えていく。取り返したくて、本をまた読み始めたり色々な人のPodcastを聞くようになっても取り戻せないし、今後変化があるとは思えない。悲しい。

人の言った言葉を覚えて、反芻してそれをそのまま他人に我がもの顔をして伝えることはできる。そのくらいの記憶力はあるのに、目の前にある本の文章をいくら読んでも頭にすっと入ってこない。虚しいよね。

だから久しぶりに本を読んで、内容がすらすらと入ってきて、2日も立たず読み切ってしまうと本当に達成感がある。そしてその物語を心の底から楽しむことができた、という事実に安堵もする。

2冊続けて小説を読み切ることができて、あまりにも嬉しかったので久しぶりにnoteを書いてみた。
こんなに長い文章をかたかた打つのは久しぶりで少し楽しかったし、なにより自分のマインドを整理するためにもいいトレーニングになるかなって思った。前も書いたけどnoteはセラピーの一環として始めたものだからこれからも細々と続けていきたいな。特に最近は調子がクソ悪いので。

ちなみに、山内マリコさんの「アズミ・ハルコは行方不明」と「あのこは貴族」を読んだよ。