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アート業界を支える裏側が見える記事5選

マガジン「みんなのアートコラムまとめ」から、月ごとに投稿された記事をテーマに沿ってピックアップし、短い感想文を掲載しています。紹介ではなく感想なので、私の意見としてお読みください。

10月のテーマは「アートに関わる仕事」。

アーティストと鑑賞者の間には、ほとんど必ず第三者の存在があります。良い面も悪い面も、知ってみると作品の見方まで変わるかもしれません。

「お客様をもっと信頼していいと思うんです。ルールで縛るより、学芸員さんの考え方を伝えるほうが、この美術館らしい姿かと」|miki tsukadaさん

うん、私はねえ、ブツ撮りには走ってほしくない。撮影OKにしてそうなったら、それは本意じゃない。

私もつい先日、現代アートの写真をこちらの記事で投稿しました。特に空間を利用したインスタレーション作品や空間を大切にした展示会場は、撮る人によって見る角度が違っていて面白かったりします。最近はSNSで写真を見て展示に行くことも増えました。

日本ではコンサートや舞台も禁止されたり、撮影タイムが設けられていたり、結構厳しい印象です。それぞれが撮影に対する意識を鑑賞者と共有する。こっちの方が日本らしい考え方なんじゃないかと思います。

撮影許可問題に興味がある方は、しんぺいさんの記事もぜひ。

なぜ、現代美術純粋培養ではない僕が「さいたま国際芸術祭2020」のキュレーターになったのか。|大高健志さん

そんな遠山さんが、ある意味で新しい芸術祭を作っていくんだという意思の元に選出されたキュレーター陣はたしかに、芸術祭としてはかなり若い世代になり、そして多種多様なバックグラウンドの人が集まっていてこれは面白いことになりそうだと感じました。

美術館と街のギャラリーの違いは、キュレーター(学芸員)がコンセプトなどに合わせて作品や展示方法を選定するか、アーティストが自ら場所や作品を選べるか、という部分にもあると思います。芸術祭は、前者ですね。

キュレーターって、手段は違えどアーティストと同じように表現者だと思うんです。大高さんは、テーマや地域の現状を広い視点で捉え、的確かつ新しいイベントを演出していったんだろうと思います。

若い世代による枠にとらわれないこれからのアートイベントに期待したいですね。さいたま国際芸術祭2020は、今週末まで開催しています。

美術配信してたら文字書きたくなった話|らちさん

「美術の成績が2だった人へ送るPodcast」。だから詳しいことは話さない。

あえて、ラジオという視覚情報のない媒体で美術をいかに簡素に語るか。彼女のような説明能力は、論文などでも必要になってくる力です。

私のnoteは最近では「美術史は分からないけど美術に興味がある」人を対象に、知ってほしい作品や人、展示、記事などを紹介しています。でも、「美術に興味がある」までの過程を作ることは今のところできていません。

私自身、大学に入学してから美術の魅力を知ったので、知るきっかけを作ろうと努力されている方をとても尊敬しています。この記事が終わったらもっと聞こう。

博物館実習で悲しかったこと|吉田いらこさん

子どもに芸術なんかわかるわけないじゃない

前掲のらちさんの記事にも関係しますが、美術教育がきちんとしていれば子どもでも美術は分かるし、大人になってからも美術に対する「崇高そう」みたいな印象ってなくなると思うんです。

吉田さんの言うように、好きになるきっかけはなんだっていいと思います。アートに関わる仕事をされている方が偏見を持っているのは、とても悲しいことです。

とっかかりになるような、楽しい子ども向けの展示がもっと増えたら素敵ですね。

一年前、私は悪党の一味だった|つんさん

後日晴れて電話が鳴り、合格が告げられた。私が悪党の一味に加わった瞬間である。

最後はとっても重い、でも多くの人に知ってほしいこちらの記事です。まるで小説のようですが、悲しいことに現実でこういうことが起こっています。美術が浸透していない日本だから、ということでもないような気がします。

以前私がこちらの記事に書いたガチヲ氏も、少し似たような体験を話していました。美術を金としか思っていないのは悔しい。でもこういう人はなにを言っても魅力を理解してくれないんだろうな。

アーティストだけでなく、鑑賞者の私たちも、アートに関わる仕事をされている方にも、よろしくない組織を見分けるリテラシーが求められています。

「アートに関わる仕事」の記事に興味を持った方は、以前にも素敵な記事を追加していますので、併せてご覧ください。

タイを拠点に作品制作とアーティスト支援・育成に取り組む画家・阿部恭子
「アートマネージャー・ラボ」のこと。

他にも美術鑑賞やアーティストの記事など、アートにまつわるさまざまな記事を、下のマガジンに集めています。

毎月素敵な記事を読ませていただきありがとうございます。では感想はまた来月~。

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