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どうしたって君の隣に居たかった

私は、きみのことが好きだ。

だって、とっても普通だから。

むかついて怒って、笑って、かなしくて泣いて

とっても理不尽。

正しくなくて、人間らしいところが

ほんとうに今でも大好き。

もし、もう一度生まれることができるなら

わたし、次は必ず犬になって

ずっとずっと隣でごはんを食べたい。

晴れの日も、雨の日も、ずっと一緒がいいよ。

公園でたくさん走ろうよ。

きみの隣に居られて

どんなにうれしいか、たのしくてたまらないか

ぴょんぴょん飛び跳ねたら

きっと、わかってくれるよね。

お日様の匂いがするね!って話しかけたら

そうだね、ってきっと言ってくれるね。

まだお家にかえりたくないよ!って

駄々をこねたら

きっと困りながらわらってくれるね。

だけど、ほんとうの君は

もっと遠くへだって行きたいし

わたしには知らない人もきみだけの世界も

どれもえらべないくらい、とっても大切なんだよね。

ずっと、ずっと、後ろをついていって

ジャンプしたいよ。

海をみつけたり、じっと眺めるときは

絶対に一緒じゃなきゃイヤ。

でも、どこへだっていっしょに行けるわけじゃないって

分かったんだ。

もし、悲しいことが起こったとしても

わたしにとっては、ほんとうに大切な宝物だけど

きみは、かなしいことが大嫌い。

もっと、遠くへ行きたいね。

たくさん、たくさん、会いたい人がいるね。

いーっぱい、自由にあそびたいね。

きみも、私も、まだ若くてどこへだって行ける。

お花も、きれいな夕日も、特別な色も

ぜ〜んぶあげたいけれど

君は、たぶん美味しい食べ物のほうが好き。

思っていたよりずっと、世界って難しいんだね。

ねぇ、わたしはおいしい味と

きれいな音と、とくべつな色のことしか知らなくて

教えてあげられなくて

ほんとうにごめんね。

きみには、もっともっと大切な

ほしいものがあったのに。

世界中を探して、一つだけ手に入れた

秘密のお花がわたしのとっておきだったんだけど

どんな魔法をかけても、どうやらダメみたい。

見たことのないせかいは、さびしかった?

ぱちぱちのチョコレートは、うれしかった?

苦手だったポテトも、ジュースも

きみと一緒に車にのってたべれば

最高に美味しくなった気がした。

毎日、あたらしくて、ワクワクして

眠れない日だっていっぱいあったよ。

あ〜…  エシレバターのクッキーのこと

きらいになっちゃうなぁ。

大嫌いに、なっちゃうかもしれない。

わたし、すっごくたのしかった。

よく眠って、よく食べるところが、大好きだったよ。





君の手も、大きな背中も、お喋りした時間も

隣に乗せてくれた車も

ぜーんぶ、魔法みたいだった。

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