ハバナのアートコミュニティ Vol.1
「neighborhood」の意味
キューバに行ってきました。
わたしは現地でたくさんの人と話しましたが、
その中で多く耳にしたワードが、「neighborhood。」
気になった私はある人に聞いてみました。「何度もneighborhoodっていう言葉を使っているけど、それってある行政区画のことを言ってるの?それとも、感覚的な範囲なの?」
話していた彼女は答えました。「私の中の感覚的な範囲かな。一緒に支え合って生活するご近所さんたちのことをざっくりneighborhoodって言ってる感じ。」
社会主義国キューバ。私は「neighboehood」という言葉に、キューバ人が大事にするものの真髄が隠れているような気がしてなりませんでした。
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さて、話しをもとに戻します。
首都ハバナに3日滞在し、その期間中、わたしはハバナ周辺においてアート関連プロジェクトを行っている3つのコミュニティに訪れてみました。
ちなみにこれらの場所には、(Air bnbの体験をフル活用して)知り合いになった地元の人に連れていってもらいました。
それらがなかなか興味深いものだったのでここで共有してみようと思います。少しでも誰かのご興味に添えたら幸いです。
(注:これから書くことは全部私がその場で口頭で聞いてメモしたことです。体系的でもなければなんなら正確でもないかもしれません。お許しを〜)
さて、早速書いていきます〜
アートコミュニティ1:
地元民の集会所へと一変した元ゴミ山「Murleando」
・Murleandoはどのようにして作られたか
まずは、ハバナ中心部から車で南に10分ほどのところに位置する「Murleando」。行政からの支援は一切受けずに、100%地元のアーティストにより手掛けられた地域のコミュニティ・ハブ(と表現すれば良いのかな...。)です。
実はここは90年代まで、何メートルにも積もるゴミ山だったそう。しかし、2001年、アーティストを含む何人かの地元民が立ち上がりました。彼らは自ら、ゴミの撤去からその奥に埋もれていた貯水タンクとガレージのリノベーションまでを手掛けたのです。
・どのようなコミュニティなのか
では蘇ったこの空間は今どのようにして使われているのかというと、主に
①近隣に住む子どもたちの課外活動の拠点
②若いアーティストの創作活動の拠点
として活用されているようです。
①近隣に住む子どもたちには、100%無料で放課後のアクティビティを提供しています。アクティビティにはいろいろあって、絵、ダンス、音楽、演劇などなどいろんな分野のグループがあるようでした。
子どもたちは、放課後や土曜日に子どもが集まってこれらのグループごとに活動をするそうです。このいずれかのグループに入っている子どもは、なんと現時点で266人だとか。
(写真↑:東京でも、こういう良い意味でスキ有りの空間は好かれると思う)
(写真↑:子どもたちの作品が飾られていた。絵のグループの作品かな?)
②若いアーティストは、このコミュニティ施設のスペースと設備を借りて、創作活動や披露ができます。その代わりに、施設のリノベやアートの設置で貢献したり、販売するアートの半額を施設に納めるというルールがあるそう。
(写真↑:アーティストさんが作品を販売するスペース。ゴミに埋もれていた築100年のタンクをきれいにして使っている。)
(写真↑:Murleandoを拠点に活動する音楽家たち。わたしに生演奏を披露してくれた。)
・運営の仕組み
つまりこのコミュニティでは、
・コミュニティ運営者(2001年に立ち上がった人たち)
・アーティスト
・近隣住民
それぞれがそれぞれのできることを交換こすることで成立しているのです。
あれ、運営者とアーティストは何を得ているの??となりそうですが、運営者メンバーたちは近隣住民からの絶大な感謝とリスペクトを受けていたし、アーティストは地域の子どもたちに愛着を持たれたり、日々のやりとりの中でサポートを受けているようだった。
つまり、目には見えないけれども3つのステークホルダーがwinwinな関係を構築しているんだなあと、話しを聞きながら考えていました。
(写真↑:10年もおいてあるのに傷一つないアート。これは住民も一緒にここのアートとコミュニティを大事に思ってくれている証拠だ、とVictorは誇らしげに語ってくれた。)
・垣間見える「Neighborhood」の精神
とはいえ、何の援助も受けずに、自分たちの中で得た資金の中で地域を再生し、しかも地域に貢献し続けるって大変なことだと思うのです。資金的にも精神的にも。ところが、わたしにいろいろ話を聞かせてくれたMurleando発起人のVictorさん(60歳)は、やけに目が輝いていた。
わたしは彼に、「何が一番のモチベーションなの?」と聞いてみたら、「そりゃもちろんHappinessのためだよ。もちろん僕は何もしなくても常に人生は楽しいもんだと思ってるけど、周りの人のために働いて、みんなで一緒にハッピーになる。そんな嬉しいことはないからね。」と言われました。
わたしはこの時に、「Neighborhood」の意味が少しばかりわかった気がしたような、気がしないような、気分になりました。
アートコミュニティ2:
アート作品で覆われた「Fusterlandia」
vol.2にて!
アートコミュニティ3:
アフロ文化発信のhubとなった「Callejon de Hamel」
Vol.2にて!
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